語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【南雲つぐみ】目で見て分かる病気 ~フランク徴候、黄色腫~

2018年03月14日 | 医療・保健・福祉・介護
 「フランク徴候」と呼ばれるしわがある。これは、耳たぶに斜めにできる深いしわのことだ。心筋梗塞や狭心症、脳卒中など、冠動脈の病気のサインとされ、特に60歳までの中高年世代での動脈硬化の診断の補助に使われる。
 耳たぶには、毛細血管が多く通っている。動脈硬化が進むと血行が悪くなり、細部に栄養が行き届きにくくなると耳の脂肪部分が縮んでしわになると考えられている。
 こうした見た目に現れる変化は、医療現場でも活用されている。例えば、貧血が疑われるとき、下のまぶたをめくって診断することがある。手や指、顔が白っぽいのも、貧血気味のサインだという。
 皮膚の脂肪の塊が小さく盛り上がる「黄色腫」は、高脂肪血症のサインとされている。コレステロールが高い状態が長く続いたために、余分な脂肪が皮膚にこびりついてできるという。ひじやまぶたにでき、ダヴィンチの名画「モナ・リザ」の左目のまぶたのふちにある小さいしこりも、黄色腫だといわれる。

□南雲つぐみ(医学ライター)「目で見て分かる病気 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2018年3月12日)を引用

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