(1)東京都議会のセクハラ暴言問題。
女性の妊娠、出産などに関する塩村美夏・都議(みんなの党)の質問中に、議席から
「早く結婚した方がいい」
「自分が産めよ」
「産めないのか」
などの暴言が浴びせかけられた。
(2)当初、鈴木章浩・都議も自民党もセクハラ発言を完全否定するかに見えた。しかし、批判が世界中に広がったことから方針を転換。
鈴木都議は、「結婚しろ」発言を認めて自民党会派から離脱し、その上で塩村都議に謝罪した。しかし、議員辞職は拒否。
同時に、鈴木都議と吉原修・都議会幹事長は、大々的な記者会見パフォーマンスを演じた。
(3)以下、仮説。
鈴木都議の席は自民党席後方。幹事長席は、その斜め後ろだ。
塩村都議は、一連の発言は自民党席後方からだ、と明言した。発言は、かなり大声で、録音もされている。
にもかかわらず、幹事長は気づかなかった。幹事長が自民党都議をヒアリングしても、全員が聞いてない、と言う。いかにも不自然だ。
後方は、幹部の席。つまり、自民党幹部が問題発言をした可能性が高い。それをかばうために、みんなで「聞いてない」という嘘をついた。
途中、石破茂・自民党幹事長などが、「名乗り出て謝罪せよ」と発言したが、これも、「自ら名乗り出て謝罪すればよい」という相場感を先に作り、鈴木都議の謝罪に、「勇気を出してよくやった」「これにて一件落着」というシナリオだった。
(4)(3)の仮説は、都庁記者クラブにいれば誰でも思いつく。その確認もできる。
彼らは、日常的に都議会を傍聴している。この日も同様。録音までして発言者を知っている記者もいる。
彼らは、日ごろから飲み会などで自民党議員とべったりだから、懇意の議員10人に「この人ですね」と当たれば全員が嘘をつき通す、ということはあり得ない。
にもかかわらず、自民党がこのまま幕引き可能と考えたのは何故か。
吉原幹事長や鈴木都議の会見を見て、非常に歯がゆい思いをした人は多いはずだ。都庁記者クラブは遠回しの質問に終始し、同じ答えを聞いて引き下がる。厳しい質問をするのは、テレビ局のリポーターとスポーツ紙の記者だけ。
都庁クラブの記者は、日ごろから議員や役人との付き合いで癒着関係を築き、そのよしみで情報をもらって東京都関連記事を書いている。与党幹部相手に一人だけ厳しい追及をしたら、あとで情報をもらえなくなる。だから、阿吽の呼吸で談合し、適度な「厳しさ」で質問するのだ。
(5)自民党は見切っている。
「これだけの暴言だから、記者たちは批判せざるを得ないが、それもほどほど。議員辞職を強く要求するような記事は出ない。謝罪パフォーマンスをして、面白い記事ネタを提供し、あとはアッサリと幕引きする。熱しやすく冷めやすい国民は、時がたてば忘れてしまう」
鈴木都議は生け贄にすぎない。
その裏で、「産めないのか」発言をした党幹部は、逃げ延びる。
それに手を貸す記者クラブ・・・・という図式だ。
(6)こんな制度(記者クラブ)は即刻廃止せよ。
自民党、自民党都議、自民党国会議員、新聞社・テレビ局にメール、電話、ファックスで怒りの声を届けよ。
ツイッターやフェイスブックもある。
デモもできるし、盛り上げってきたらリコール運動だってできる。
逃げ回る自民党幹部たちが特定されて、議員辞職するまで続けよう。
都民、国民は馬鹿ではない。
□古賀茂明「都議会「暴言問題」と記者クラブ ~官々愕々第115回~」(「週刊現代」2014年7月12日号)
↓クリック、プリーズ。↓

【参考】
「古賀茂明】集団的自衛権とワールドカップ」
「【古賀茂明】野党再編のカギは「戦争」」
「【古賀茂明】電力会社の歪んだ「競争」 ~税金をもらって商売~」
「【原発】【古賀茂明】規制委員会人事とメディアの責任」
「【古賀茂明】医師と官僚の癒着の構造」
「【古賀茂明】電力会社「値上げ救済」の愚 ~経営難は自業自得~」
「【古賀茂明】竹富町「教科書問題」の本質 ~原発推進教科書~」
「【古賀茂明】安部総理の「11本の矢」 ~戦争国家への道~」
「【古賀茂明】理研は利権 ~文科官僚~」
「【古賀茂明】「武器・原発・外国人」が成長戦略 ~アベノミクスの今~」
「【古賀茂明】マイナンバーを政治資金の監視に ~渡辺・猪瀬問題~」
「【古賀茂明】東電を絶対に潰さずに銀行を守る ~新再建計画~」
「【古賀茂明】「避難計画」なき原発再稼働」
「【古賀茂明】「建設バブル」の本当の問題 ~公共事業中毒の悪循環経済~ 」
「【古賀茂明】安倍政権の戦争準備 ~恐怖の3点セット~」
「【原発】【古賀茂明】利権構造が完全復活 ~東日本大震災3年~」
「【古賀茂明】アベノミクスの限界 ~笑いの止まらない経産省~」
「【古賀茂明】労働者派遣法改正前にすべきこと」
「【古賀茂明】時代遅れな、あまりにも時代遅れな ~安部政権のエネルギー戦略~」
「【古賀茂明】森元首相の二枚舌 ~オリンピックの政治的利用~」
「【古賀茂明】若者を虜にする「安部の詐術」 ~脱出の道は一つ~」
女性の妊娠、出産などに関する塩村美夏・都議(みんなの党)の質問中に、議席から
「早く結婚した方がいい」
「自分が産めよ」
「産めないのか」
などの暴言が浴びせかけられた。
(2)当初、鈴木章浩・都議も自民党もセクハラ発言を完全否定するかに見えた。しかし、批判が世界中に広がったことから方針を転換。
鈴木都議は、「結婚しろ」発言を認めて自民党会派から離脱し、その上で塩村都議に謝罪した。しかし、議員辞職は拒否。
同時に、鈴木都議と吉原修・都議会幹事長は、大々的な記者会見パフォーマンスを演じた。
(3)以下、仮説。
鈴木都議の席は自民党席後方。幹事長席は、その斜め後ろだ。
塩村都議は、一連の発言は自民党席後方からだ、と明言した。発言は、かなり大声で、録音もされている。
にもかかわらず、幹事長は気づかなかった。幹事長が自民党都議をヒアリングしても、全員が聞いてない、と言う。いかにも不自然だ。
後方は、幹部の席。つまり、自民党幹部が問題発言をした可能性が高い。それをかばうために、みんなで「聞いてない」という嘘をついた。
途中、石破茂・自民党幹事長などが、「名乗り出て謝罪せよ」と発言したが、これも、「自ら名乗り出て謝罪すればよい」という相場感を先に作り、鈴木都議の謝罪に、「勇気を出してよくやった」「これにて一件落着」というシナリオだった。
(4)(3)の仮説は、都庁記者クラブにいれば誰でも思いつく。その確認もできる。
彼らは、日常的に都議会を傍聴している。この日も同様。録音までして発言者を知っている記者もいる。
彼らは、日ごろから飲み会などで自民党議員とべったりだから、懇意の議員10人に「この人ですね」と当たれば全員が嘘をつき通す、ということはあり得ない。
にもかかわらず、自民党がこのまま幕引き可能と考えたのは何故か。
吉原幹事長や鈴木都議の会見を見て、非常に歯がゆい思いをした人は多いはずだ。都庁記者クラブは遠回しの質問に終始し、同じ答えを聞いて引き下がる。厳しい質問をするのは、テレビ局のリポーターとスポーツ紙の記者だけ。
都庁クラブの記者は、日ごろから議員や役人との付き合いで癒着関係を築き、そのよしみで情報をもらって東京都関連記事を書いている。与党幹部相手に一人だけ厳しい追及をしたら、あとで情報をもらえなくなる。だから、阿吽の呼吸で談合し、適度な「厳しさ」で質問するのだ。
(5)自民党は見切っている。
「これだけの暴言だから、記者たちは批判せざるを得ないが、それもほどほど。議員辞職を強く要求するような記事は出ない。謝罪パフォーマンスをして、面白い記事ネタを提供し、あとはアッサリと幕引きする。熱しやすく冷めやすい国民は、時がたてば忘れてしまう」
鈴木都議は生け贄にすぎない。
その裏で、「産めないのか」発言をした党幹部は、逃げ延びる。
それに手を貸す記者クラブ・・・・という図式だ。
(6)こんな制度(記者クラブ)は即刻廃止せよ。
自民党、自民党都議、自民党国会議員、新聞社・テレビ局にメール、電話、ファックスで怒りの声を届けよ。
ツイッターやフェイスブックもある。
デモもできるし、盛り上げってきたらリコール運動だってできる。
逃げ回る自民党幹部たちが特定されて、議員辞職するまで続けよう。
都民、国民は馬鹿ではない。
□古賀茂明「都議会「暴言問題」と記者クラブ ~官々愕々第115回~」(「週刊現代」2014年7月12日号)
↓クリック、プリーズ。↓



【参考】
「古賀茂明】集団的自衛権とワールドカップ」
「【古賀茂明】野党再編のカギは「戦争」」
「【古賀茂明】電力会社の歪んだ「競争」 ~税金をもらって商売~」
「【原発】【古賀茂明】規制委員会人事とメディアの責任」
「【古賀茂明】医師と官僚の癒着の構造」
「【古賀茂明】電力会社「値上げ救済」の愚 ~経営難は自業自得~」
「【古賀茂明】竹富町「教科書問題」の本質 ~原発推進教科書~」
「【古賀茂明】安部総理の「11本の矢」 ~戦争国家への道~」
「【古賀茂明】理研は利権 ~文科官僚~」
「【古賀茂明】「武器・原発・外国人」が成長戦略 ~アベノミクスの今~」
「【古賀茂明】マイナンバーを政治資金の監視に ~渡辺・猪瀬問題~」
「【古賀茂明】東電を絶対に潰さずに銀行を守る ~新再建計画~」
「【古賀茂明】「避難計画」なき原発再稼働」
「【古賀茂明】「建設バブル」の本当の問題 ~公共事業中毒の悪循環経済~ 」
「【古賀茂明】安倍政権の戦争準備 ~恐怖の3点セット~」
「【原発】【古賀茂明】利権構造が完全復活 ~東日本大震災3年~」
「【古賀茂明】アベノミクスの限界 ~笑いの止まらない経産省~」
「【古賀茂明】労働者派遣法改正前にすべきこと」
「【古賀茂明】時代遅れな、あまりにも時代遅れな ~安部政権のエネルギー戦略~」
「【古賀茂明】森元首相の二枚舌 ~オリンピックの政治的利用~」
「【古賀茂明】若者を虜にする「安部の詐術」 ~脱出の道は一つ~」