(1)2冊も共著を出した者として、そろそろケジメをつけなければならない。そう思ったのは、佐藤優の「お抱え」があまりに露骨になってきたからだ。三つある
(2)その一、電気事業連合会・・・・3月2日付け「東奥日報」の電事連の「全面広告」に出て、「エネルギー安全保障の観点から原子力発電の必要性を強調」している。“原発文化人”の仲間入りをしたということらしい。言論人がPRページに出るのもどうかと思う。熊本の大地震でも川内原発を止めようとしない政府や九州電力にとっては心強い味方だろう。佐高信『原発文化人50人斬り』(光文社知恵の森文庫)が増刷されたら、ぜひ佐藤を加えたい。
(3)その二、「新自由主義」・・・・竹中平蔵との共著『竹中先生、これからの「世界経済」について本音を話していいですか?』(ワニブックス)において、<竹中さんに対して「新自由主義者だ」などというレッテルを貼ったり、あるいは「権力に近い御用学者で、本当の学者じゃない」などと批判したりするのは、4分の3ぐらいが嫉妬、残りの4分の1が偏見だといえる>と書いている。
佐高は、竹中を学者ではなく、ピンハネ業者のパソナの会長として軽蔑している。だから嫉妬のしようがない。『いじめと妬み』を出した渡部昇一と同じように、佐藤は批判者をそうした次元でしか見られないのか。むしろ佐藤の中に嫉妬や怨念が渦巻いているのだろう。何度か会って話した佐藤に、佐高は知識を感じたことはあっても、世にもてはやされるほど知性を感じたことはない。竹中サンも尊敬するけど、マルクス経済学者の鎌倉孝夫さんも尊敬する、と言って恥じないところに、佐高は佐藤の打算を感じる。そして、敵にも味方にも武器を売る武器商人的狡猾さを感じ取る。佐藤は佐高との共著『世界と闘う「読書術」』(集英社新書)で、鶴見俊輔を「何だかずるっこい感じがする」と言ったが、「ずるっこい」のは敵味方の区別なく知識という武器を売る佐藤自身ではないか。そのオタク的知識に恐れをなして、多くのメディアが佐藤に群がっているが、しょせん「百科辞典」は「百科辞典」でしかないだろう。
竹中と佐藤は、TPPについては積極的推進派で一致しているとのことだから、「新自由主義」のお抱えになることによって、安倍晋三政権に協力するということらしい。盟友の鈴木宗男と共に、そして創価学会(公明党)と共に自公連立政権を支えていくということだろう。
(4)その三、創価学会(公明党)・・・・『創価学会と平和主義』(朝日新書)に続いて、佐藤が山口那津男・公明党代表と出した『いま、公明党が考えていること』(潮新書)は無残な本だった。なぜ、ここまで創価学会および公明党に膝を屈してお抱えにならなければならないのか。この集団の読者を当てにしなければ、ベストセラー作家としての地位が揺らぐからか。安保法制ならぬ戦争法に公明党は歯止めをかけたのだ、と佐藤は力説しているが、それを信じるのは学会の従順な信者たちだけだろう。はじめに結論ありき、つまり公明党および学会を擁護すると決めて、あとからリクツづけするところに、佐高は佐藤の官僚的体質の残滓を見る。学会について書くと余計な敵をつくるから止めたほうがいい、と言われたそうだが、批判した場合のみ、「余計な敵」が出てくるのだ。
□佐高信「知識の“武器商人”佐藤優との訣別 ~新・政経外科 第70回~」(「週刊金曜日」2016年5月13日号)
↓クリック、プリーズ。↓
【参考】
「【佐高信】脱退のススメ ~連合東京のダラ幹~」
「【佐高信】激しい創価学会批判で当選した菅義偉官房長官」
「【佐高信】舛添を支援した自公と連合東京の責任」
「【佐高信】自民党と創価学会、水と油の野合」
「【戦争】おやじ、一緒に牧野村へ帰ろう ~戦没者の遺族の声~」
「【政治】岸信介の悪さの研究」
「【読売】「不正」を隠蔽する「不適切」という表現 ~東芝・不正経理~」
「【人】安倍首相とやしきたかじん“純愛妻”の共通点 ~百田尚樹~」
「【政治】巨大脱税疑惑隠しの自分勝手解散 ~安倍晋三~」
「【政経】竹中平蔵とアベノミクス ~ブラック国家ニッポン~」
「【本】『海賊と呼ばれた男』の著者、百田尚樹の実像 ~本屋大賞~」
「【震災】世論を買い占める東電、恥ずかしい広告を出す政府~佐高信と寺島実朗の対談~」
(2)その一、電気事業連合会・・・・3月2日付け「東奥日報」の電事連の「全面広告」に出て、「エネルギー安全保障の観点から原子力発電の必要性を強調」している。“原発文化人”の仲間入りをしたということらしい。言論人がPRページに出るのもどうかと思う。熊本の大地震でも川内原発を止めようとしない政府や九州電力にとっては心強い味方だろう。佐高信『原発文化人50人斬り』(光文社知恵の森文庫)が増刷されたら、ぜひ佐藤を加えたい。
(3)その二、「新自由主義」・・・・竹中平蔵との共著『竹中先生、これからの「世界経済」について本音を話していいですか?』(ワニブックス)において、<竹中さんに対して「新自由主義者だ」などというレッテルを貼ったり、あるいは「権力に近い御用学者で、本当の学者じゃない」などと批判したりするのは、4分の3ぐらいが嫉妬、残りの4分の1が偏見だといえる>と書いている。
佐高は、竹中を学者ではなく、ピンハネ業者のパソナの会長として軽蔑している。だから嫉妬のしようがない。『いじめと妬み』を出した渡部昇一と同じように、佐藤は批判者をそうした次元でしか見られないのか。むしろ佐藤の中に嫉妬や怨念が渦巻いているのだろう。何度か会って話した佐藤に、佐高は知識を感じたことはあっても、世にもてはやされるほど知性を感じたことはない。竹中サンも尊敬するけど、マルクス経済学者の鎌倉孝夫さんも尊敬する、と言って恥じないところに、佐高は佐藤の打算を感じる。そして、敵にも味方にも武器を売る武器商人的狡猾さを感じ取る。佐藤は佐高との共著『世界と闘う「読書術」』(集英社新書)で、鶴見俊輔を「何だかずるっこい感じがする」と言ったが、「ずるっこい」のは敵味方の区別なく知識という武器を売る佐藤自身ではないか。そのオタク的知識に恐れをなして、多くのメディアが佐藤に群がっているが、しょせん「百科辞典」は「百科辞典」でしかないだろう。
竹中と佐藤は、TPPについては積極的推進派で一致しているとのことだから、「新自由主義」のお抱えになることによって、安倍晋三政権に協力するということらしい。盟友の鈴木宗男と共に、そして創価学会(公明党)と共に自公連立政権を支えていくということだろう。
(4)その三、創価学会(公明党)・・・・『創価学会と平和主義』(朝日新書)に続いて、佐藤が山口那津男・公明党代表と出した『いま、公明党が考えていること』(潮新書)は無残な本だった。なぜ、ここまで創価学会および公明党に膝を屈してお抱えにならなければならないのか。この集団の読者を当てにしなければ、ベストセラー作家としての地位が揺らぐからか。安保法制ならぬ戦争法に公明党は歯止めをかけたのだ、と佐藤は力説しているが、それを信じるのは学会の従順な信者たちだけだろう。はじめに結論ありき、つまり公明党および学会を擁護すると決めて、あとからリクツづけするところに、佐高は佐藤の官僚的体質の残滓を見る。学会について書くと余計な敵をつくるから止めたほうがいい、と言われたそうだが、批判した場合のみ、「余計な敵」が出てくるのだ。
□佐高信「知識の“武器商人”佐藤優との訣別 ~新・政経外科 第70回~」(「週刊金曜日」2016年5月13日号)
↓クリック、プリーズ。↓
【参考】
「【佐高信】脱退のススメ ~連合東京のダラ幹~」
「【佐高信】激しい創価学会批判で当選した菅義偉官房長官」
「【佐高信】舛添を支援した自公と連合東京の責任」
「【佐高信】自民党と創価学会、水と油の野合」
「【戦争】おやじ、一緒に牧野村へ帰ろう ~戦没者の遺族の声~」
「【政治】岸信介の悪さの研究」
「【読売】「不正」を隠蔽する「不適切」という表現 ~東芝・不正経理~」
「【人】安倍首相とやしきたかじん“純愛妻”の共通点 ~百田尚樹~」
「【政治】巨大脱税疑惑隠しの自分勝手解散 ~安倍晋三~」
「【政経】竹中平蔵とアベノミクス ~ブラック国家ニッポン~」
「【本】『海賊と呼ばれた男』の著者、百田尚樹の実像 ~本屋大賞~」
「【震災】世論を買い占める東電、恥ずかしい広告を出す政府~佐高信と寺島実朗の対談~」