語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【佐高信】脱退のススメ ~連合東京のダラ幹~

2016年07月06日 | 社会
 (1)恐るべき鈍感、犯罪的な居直り。
 6月16日に出た「舛添要一東京都知事辞任表明に関する談話」(杉浦賢次・「連合東京」事務局長)のことだ。
 舛添の前の猪瀬直樹も、自民党と公明党、そして連合東京が推して都知事にした。それを深刻に反省しているかと思いきや、「決して間違いでえはなかったと判断」しているのだという。
 <連合東京として支持・支援した都知事が二代続けて金銭問題でこのような状況に陥ったこと、大変残念な結果であり、遺憾であります>
と始まる談話は、
 <様々な議論の結果、最終的には「政策制度要求が実現するための『政策協定』を結べる候補者を支援する」ことで舛添要一氏の支援を決定>
したと続き、舛添知事が誕生して、
 <連合東京の政策は過去に類を見ないほど都政の中でスピーディーに実行されましたし、公労使会議の開催や非正規雇用から正規雇用への転換、雇用分野については連携し、取り組んできたところであります。その意味で当時の判断としては舛添氏の支持・支援は決して間違いではなかったと判断します>
と、目を疑うような言葉が並ぶ。
 これを読む限り、連合東京は舛添に知事を続けてほしかった、としか見えない。
 公明党はもちろん、自民党でさえ、選択を誤った、自分たちに見る眼がなかった、と方向転換しているのに、自分たちの責任を問われるのを恐れて、強引に「舛添氏の支持・支援は決して間違いではなかった」と言い切っているのだ。
 これで、連合東京の「各構成組織、連合地域組織の皆様」は納得してしまったのか。

 (2)猪瀬、舛添と、およそ労働者の味方とは思えないマガイモノを「支持・支援」した連合東京の思惑は、つまり、脱原発の候補をはずすことだった。
 細川護煕や宇都宮健児を選ばない、という選択肢はそこから出ている。それをまったく改めていないから、猪瀬や舛添の支援は「決して間違いではなかった」という驚くべき談話が発せられるのだ。
 「二度あることは三度ある」
 このままでは、連合東京は三たびマガイモノを推すだろう。連合東京の組合員がその共犯者にならないためには、杉浦らの幹部の首をスゲ換えるか、連合東京から脱退するしかない。
 いますぐ行動を起こさないと、組織はダラ幹と共に滅びる。

□佐高信「脱退のスス ~新・政経外科~」(「週刊金曜日」2016年7月1日号)
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 【参考】
【佐高信】激しい創価学会批判で当選した菅義偉官房長官
【佐高信】舛添を支援した自公と連合東京の責任
【佐高信】自民党と創価学会、水と油の野合
【戦争】おやじ、一緒に牧野村へ帰ろう ~戦没者の遺族の声~
【政治】岸信介の悪さの研究
【読売】「不正」を隠蔽する「不適切」という表現 ~東芝・不正経理~
【人】安倍首相とやしきたかじん“純愛妻”の共通点 ~百田尚樹~
【政治】巨大脱税疑惑隠しの自分勝手解散 ~安倍晋三~
【政経】竹中平蔵とアベノミクス ~ブラック国家ニッポン~
【本】『海賊と呼ばれた男』の著者、百田尚樹の実像 ~本屋大賞~
【震災】世論を買い占める東電、恥ずかしい広告を出す政府~佐高信と寺島実朗の対談~

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