賛否両論なゆとり教育だが、悪いばかりではない。
音楽がそうだ。毎年大学生の演奏会とか聞きに行っているが、年々向上しているのがよくわかる。特に卒業発表会とかになると、平成元年生まれあたりから明らかに表現力が違う。これがだ、確かに専門の過程だったりすると、教授法のメソッドがとても良くなったとか、楽器の質の向上とか普及とか、音楽家の数が増えたこと、その子弟がいたりする事などがあると思う。時代の進歩が生んだのだと。だがそうでもない子の演奏でも十分な表現力を見せたりする
スポーツでもそうかもしれない、Jリーグのスクールや硬式野球のジュニア・シニアリーグ出身の選手が目立つ。体操もそうだ。ただスポーツ全体ではそうでもないのは、スポーツの教授法の会得が難しいからだろう。名選手が必ずしも名コーチや監督になれる訳ではない。その上学校教育の延長線上では、かなり難しいものがあるのは昔っからだ。
とはいえ音楽では、各自の音楽性が昔より高くなったとはいえ、合奏とかになると個性が喧嘩し合う場面に出会ったりする。一つ頭を飛び抜けた個性がいると、引っ張られてもの凄い事が出来たりするのだが、そこがうまくいかない所によく出会うのが残念な事だ。
多分なのだが、ゆとり教育で余った時間を振り分けた結果、表現力の強さなどがましているのだろう。スポーツもそうなのだろう。時間配分が増えたのだ。ただ皆で遊ぶとかと言った事が減っているのが良くない事なのかもしれない。
スポーツで例外があるとすれば、柔道かもしれない。個人競技なのに集団性を重視しすぎた結果変な事になっている。もうそろそろ死亡事故No.1のスポーツになりそうだ。
なぜこんな事を書いているかと言えば、ちょっと衝撃を受けた事があったからだ。
今日夜7時からNHK FMでニュースを聞いたあと眠たくなったからラジオをつけたまま横になった。ところがなにか異様な感覚に捕われて目が覚めた。聞こえてくる音楽はどうもピアノコンチェルトのようなのだが、ピアノがオケを食っている。
ラフマニノフのピアノコンチェルト3番だ。凄いソロに引きずられてラジ録で録音しようと立ち上げたら、そこに出ていた文字に目が釘付けになった。これは第81回日本音楽コンクールピアノ部門本選会なのだ。
正直言うとこのコンクール、たまにスゲーという演奏はある。でもたいていはどうでもいい演奏が多い。それでもこのところ明らかに凄くなって来ているのだ。
ボーっとした頭で、ピアノソロを聞いていたがどうもオーケストラの音が聞こえてくる。この演奏はもの凄い解像度なのだ。あの音の固まりの中にべつなメロディーが隠されていたり、複雑な音色が別々に隠されていたのであった。それがエモーショナルな表現で、特にすばらしい左手が驚くべき音を作り出している。
これが大学生か?そもそも日本音楽コンクールと言えばテクニック重視のコンクールで、ラフマニノフをもってくるのか?
このコンクールで1位は当然このラフマニノフ3番を弾いた反田恭平さんと思うだろう。強敵がいたのだ。なんとプロコフィエフのコンチェルト3番を弾いた務川慧悟さんだ。
ハイ~なにこれ、これってコンクールで弾く曲じゃないよ。有名になって多少失敗してもゴマカせられるステージテクニックを身につけないとムリだよ。ちなみにラフマニノフもプロコフィエフもこのコンクールで初の作曲家。ラフマニノフの二番ではなくていきなり3番も凄まじいが、プロコフィエフというのは過激だ。
ちなみに、この曲をへたくそが弾くとどうなるのか、ミスタッチが全くなかったとしてもですよ!特にプロコフィエフは、音楽に聞こえないものに成り下がるのですよ。ラフマニノフはまだきれいなメロディーがありますからいいのですが。むき出しの構造のマッチョな曲ですから。それにしても驚きだ。
さて今回のコンクールの結果ですが、このピアノ部門、二位無しの1位タイでこの二人が受賞です。副賞で反田さんが一つ多く受賞した程度で、マジでヤバイ演奏です。コンクールですので指揮者も伴奏に徹しているのですが、もうこの二人にかかるとマジで絡んで来ています。いやそうしないと男じゃないでしょうコレ。ラフマニノフのピアノソロから管楽器が絡んでゆく所なんかコンクールとは思えない一体感でした。プロコフィエフなんてこれってなに、といった一体感です。二位無しで3位のベートベンも凄い演奏なのですが、もうかわいそう。
ゆとり教育以降、天才が増えている。これは間違いが無い。
凡人にはゆとりの恩啓は少ないのかもしれない。この天才っぷりを聞いていればそう思う。それが今の議論なのだろう。
だが、もしかするとゆとり教育の問題は、単純に前の世代とのコミニュケーションの方法が変わっただけで、以前から言われているような学力低下とは関係ないのかもしれない。
さてこの演奏だが、抜粋なのが残念だが、BSプレミアムで11/30(金)AM6:00~6:52、この枠で放映するようだ。気になる人は聞いてもらいたい。
音楽がそうだ。毎年大学生の演奏会とか聞きに行っているが、年々向上しているのがよくわかる。特に卒業発表会とかになると、平成元年生まれあたりから明らかに表現力が違う。これがだ、確かに専門の過程だったりすると、教授法のメソッドがとても良くなったとか、楽器の質の向上とか普及とか、音楽家の数が増えたこと、その子弟がいたりする事などがあると思う。時代の進歩が生んだのだと。だがそうでもない子の演奏でも十分な表現力を見せたりする
スポーツでもそうかもしれない、Jリーグのスクールや硬式野球のジュニア・シニアリーグ出身の選手が目立つ。体操もそうだ。ただスポーツ全体ではそうでもないのは、スポーツの教授法の会得が難しいからだろう。名選手が必ずしも名コーチや監督になれる訳ではない。その上学校教育の延長線上では、かなり難しいものがあるのは昔っからだ。
とはいえ音楽では、各自の音楽性が昔より高くなったとはいえ、合奏とかになると個性が喧嘩し合う場面に出会ったりする。一つ頭を飛び抜けた個性がいると、引っ張られてもの凄い事が出来たりするのだが、そこがうまくいかない所によく出会うのが残念な事だ。
多分なのだが、ゆとり教育で余った時間を振り分けた結果、表現力の強さなどがましているのだろう。スポーツもそうなのだろう。時間配分が増えたのだ。ただ皆で遊ぶとかと言った事が減っているのが良くない事なのかもしれない。
スポーツで例外があるとすれば、柔道かもしれない。個人競技なのに集団性を重視しすぎた結果変な事になっている。もうそろそろ死亡事故No.1のスポーツになりそうだ。
なぜこんな事を書いているかと言えば、ちょっと衝撃を受けた事があったからだ。
今日夜7時からNHK FMでニュースを聞いたあと眠たくなったからラジオをつけたまま横になった。ところがなにか異様な感覚に捕われて目が覚めた。聞こえてくる音楽はどうもピアノコンチェルトのようなのだが、ピアノがオケを食っている。
ラフマニノフのピアノコンチェルト3番だ。凄いソロに引きずられてラジ録で録音しようと立ち上げたら、そこに出ていた文字に目が釘付けになった。これは第81回日本音楽コンクールピアノ部門本選会なのだ。
正直言うとこのコンクール、たまにスゲーという演奏はある。でもたいていはどうでもいい演奏が多い。それでもこのところ明らかに凄くなって来ているのだ。
ボーっとした頭で、ピアノソロを聞いていたがどうもオーケストラの音が聞こえてくる。この演奏はもの凄い解像度なのだ。あの音の固まりの中にべつなメロディーが隠されていたり、複雑な音色が別々に隠されていたのであった。それがエモーショナルな表現で、特にすばらしい左手が驚くべき音を作り出している。
これが大学生か?そもそも日本音楽コンクールと言えばテクニック重視のコンクールで、ラフマニノフをもってくるのか?
このコンクールで1位は当然このラフマニノフ3番を弾いた反田恭平さんと思うだろう。強敵がいたのだ。なんとプロコフィエフのコンチェルト3番を弾いた務川慧悟さんだ。
ハイ~なにこれ、これってコンクールで弾く曲じゃないよ。有名になって多少失敗してもゴマカせられるステージテクニックを身につけないとムリだよ。ちなみにラフマニノフもプロコフィエフもこのコンクールで初の作曲家。ラフマニノフの二番ではなくていきなり3番も凄まじいが、プロコフィエフというのは過激だ。
ちなみに、この曲をへたくそが弾くとどうなるのか、ミスタッチが全くなかったとしてもですよ!特にプロコフィエフは、音楽に聞こえないものに成り下がるのですよ。ラフマニノフはまだきれいなメロディーがありますからいいのですが。むき出しの構造のマッチョな曲ですから。それにしても驚きだ。
さて今回のコンクールの結果ですが、このピアノ部門、二位無しの1位タイでこの二人が受賞です。副賞で反田さんが一つ多く受賞した程度で、マジでヤバイ演奏です。コンクールですので指揮者も伴奏に徹しているのですが、もうこの二人にかかるとマジで絡んで来ています。いやそうしないと男じゃないでしょうコレ。ラフマニノフのピアノソロから管楽器が絡んでゆく所なんかコンクールとは思えない一体感でした。プロコフィエフなんてこれってなに、といった一体感です。二位無しで3位のベートベンも凄い演奏なのですが、もうかわいそう。
ゆとり教育以降、天才が増えている。これは間違いが無い。
凡人にはゆとりの恩啓は少ないのかもしれない。この天才っぷりを聞いていればそう思う。それが今の議論なのだろう。
だが、もしかするとゆとり教育の問題は、単純に前の世代とのコミニュケーションの方法が変わっただけで、以前から言われているような学力低下とは関係ないのかもしれない。
さてこの演奏だが、抜粋なのが残念だが、BSプレミアムで11/30(金)AM6:00~6:52、この枠で放映するようだ。気になる人は聞いてもらいたい。