どうでもいいこと

M野の日々と52文字以上

なにをしているんだか

2015-02-24 00:57:02 | 日記

 

新しい自家焙煎コーヒー屋の記事を書いては消してを二回も繰り返した。なんと言うか書きようが無いと言うか下手に書いても怒られるだけだな~と今朝も消した。まあ一度はアップしている訳で誰かが見ているのだろうが、このブログのミラーを作る人なんていないだろう。初回は怒りがあったので書き方が荒かったし、二回目は優しく書きすぎた気がする。そして「コピ」最高~なんて書くとこれはこれで怒る人がいる。まああそこまでコンセプチャルな尖った店もそうそうない。

とはいえこのブログ、cafe302を紹介したとき「盛岡最小」と書いたら某店が「肝っ玉最小の店はウチ」みたいな事を書いていたようで、意外とこの業界見る人は見ているのだと思った。まあ福井さんの肝っ玉はたしかにデカい。

 

 

そう、最近の店はタブレットかノートパソコンがどこかにある。今回回った6店のうち置いていないかもしくは隠しているのは1店のみ。タブレットを使った会計システムは2店、「コピ」はその実証試験だからそうなのだが。SNSの対応などIT化がずいぶん進んでいるものだ。ネットに下手な事を書けばバレやすいと言う事か。

とはいえ「コピ」のカウンターにあるノーパソは見えないようにしていたのが印象的だ。だから「コピ」が一番クールなんだって!

 

 

と趣味に走る私だった。ただやっぱり書かなければいけないのは、コンセプトがしっかりしている店はキチンとしている。所が味にこだわる店ほど疎かになっている所が目立つ。そして味にこだわりすぎて絶賛迷走中の店すらあった。しかもスペシャリティコーヒーを扱う店ほど迷走するのだ。

 

 

土曜日の毎年恒例ベアレンビール寒中よ市はあったかかった。夕方になってそれなりに寒くなるとやっぱり盛り上がる。寒くないとね。ウチらバカだよね、オオバカだよねと言いつつ、材木町の普通の人の白い目を浴びながらの背徳感が更にビールを美味しくさせるんですね。

更に喫茶「米山」にいってクラムボンのコーヒーを確認した。その後更に飲んでいたら別なお客さんが持って来たコーヒーが凄かった。ほとんど生、低温ローストか早上げだろう。最初にガテマラを飲んだら、「健康に良さそう」。モカは「ウハ!これが発酵臭か!」。マンデリンは「クサッ!」ということで豆の本来の味を味わいました。マンデリンは持って来た人が飲まないレベルでしたね。ずいぶんお高いそうな。

この常識の幅を超えたコーヒーが流通しているのが日本でしょうか。

 

 

どうも問題はコーヒーで個性を出す事が出来るのか、と言う問題になりそうです。ある豆をロースターがそれぞれ個性を競い合って焼いたとしても、理論的にはその豆の力以上にはならない訳です。理論上は味が一点に集約されるはずです。誰が焼いても同じ味になるはずです。ただそこを中心にずらす事は可能です。焼きを浅くする、深くすることです。好みによっても大幅にズレる可能性があります。ただそれでも逸脱するほどの味の差はないはずです。

理論上はそうです。大抵フジの3キロロースターですから機材の差は少ないはずです。煙突の長さとかありますが基本的に出来る事は限られています。

それでは個性を出すために、品質のいい豆を使うと言う事になります。生豆ではかなり揃ったものになりますが、私の見た限りでは生豆でも5%は未成熟豆や虫食い等が混じっています。焙煎後を見れば明らかに10%以上になります。はっきりしてくるのです。ウオッシュドでもそうなります。アンウオッシュドだとどうなるのか。20%とか恐ろしい数字になります。

 

 

ここから逃げる方法があります。深焼きです。深焼きにすれば欠点豆も欠点が焼かれてしまうので目立ちません。更にエスプレッソや水出しだとこれが更に目立たなくなります。そう言った意味では「ピカ」や「ナガサワ」の選択は実に賢明です。それでいてある程度のコントロールは可能です。

ただスペシャリティコーヒーを使うとなれば、そんな乱暴な事は出来なくなります。なのであの究極の浅煎りが出来たりするのでしょう。なにしろお値段が凄まじすぎます。キロ1200円台が普通ですが3倍以上です。ハワイ・カウの8000円を聞いた時にはめまいがしました。20%は軽くなるので1キロから800gの製品ですね。100g1000円の基本原価です。光熱費や人件費を入れた日には2000円以上。それでは欠点豆の存在を無視したくなります。

ただそうなると欠点豆も味のうちとなるのですが、明らかにダメなものまでも味のうちにしてしまう可能性があります。それよりも大きいのは高い分だけ慎重になりすぎて低温長時間ローストとか失敗しにくい方法を選択しがちになると言う事です。それが結果悪い方向に進むと言うのがある可能性があります。

ただそれではコンビニコーヒーに確実に負ける訳です。大手ロースターの気の狂ったレベルには実は対抗出来ないのです。

 

 

本当あったかいな。2000メートル泳いで来た。

「響」の熱田さんから以前ソーティングを見せてもらった。欠点豆を拾う作業だがこの作業は奥深い。まず未成熟豆を選り分けるのはそんなに難しくない。豆一粒に煎りむらがあるとか明らかに色が違うとかだ。ただ「この豆がウマイ」となるとかなり難しくなる。壮絶に難しい。

そこで大矢コーヒーのブラジルを持ち込んでみた。一応簡単なソーティングは済んでいるのだが1%程度しか出来ない。それがロースターの限界だ。それを熱田さんがやったら15%以上出て来た。それをカップテスト、いや真面目に立てる訳でなく粉をカップに入れてお湯をそそぐだけ、つまりプロがなにを見るのか世界標準の最も単純なテストだが、差が出た。

それでは大矢コーヒーのを自分でソーティングしてみた。だめな方はウッディで渋が少しあったが一番安いスーパーの前よりは圧倒的に美味しい。これは大矢コーヒーの腕がいいからこの程度で収まっている。というか豆を見る目が無いと言うのが良くわかった。いい豆もかなり入ってしまったようだ。

昔自分で焙煎していた時に同じ事をしたが、そりゃ飲めたものではないですよ。それがいかに味に傷を付けているのか良くわかる実験だった。

 そのまえに大矢さんのキャリアを考えれば。30年以上焙煎職人です。酸いも甘いも噛み分けた、毎日大量に焼き続けている訳です。それが自家焙煎初めましたと言う店のキャリアと比べれば圧倒的です。個性は無いかもしれませんが(実はありすぎるほどあるのだが)、ここのオネダン。ブラジルが100g280円です。この20年間値段が変わっていないと言うのはオソロシイ事です。その280円を自分でハンドピックして20%捨てても350円。こちらの方がへたげな自家焙煎より美味しいのは確実です。

ええここで謝っておきます、大矢さんゴメンナサイ。他人にソーティングされるのを最も嫌う人です。

 

 

ボヤーとした天気だ。黄砂ではないようだ。白鷺がいつもの場所にいる。

さて美味しくないコーヒー豆をなんとかするドリップ方法があります。ペーパーフィルターですが、少し荒く豆を挽きます。そしてドリップする時は一杯あたり15g程度の粉を入れます。そしてお湯を落とすのですが回しがけで20秒に3回、少量落とします。3回目が終わった当たりで全体に湯が回った状態にします。その程度の量を落とす訳です。この際に一滴程度しかドリッパーからしずくが落ちてはいけません。ダハダハと落ちるのはよくありません。

回しがけがいいのか、真ん中一点で落とすべきかと言う議論はあります。ただ基本は粉にお湯を回す過程の問題です。真ん中一点の場合は時間がかかると言う事でしょうか。本当に少量ずつ落として行くと言うのが基本です。回しがけは早く済みます。

ただここから先がとても難しいのです。ドリッパーのそこにたまるお湯をイメージしなければいけません。その量が最小になるようにお湯をつぐのです。なので回しがけではかなりこまめになります。真ん中方式では本当に細く湯をそそぐ形になります。とても難易度が高いです。      

コーヒーマニアには解ると思いますが、実はペーパードリップとネルは基本的に同じです。ただネルには伝説があるだけです。ペーパーでもネルと同じ事が出来ます。ドリッパーの刻みがあると思うのですが、それは湯の通りがスムーズに行くようにするためにあります。あれがなければ粉に湯を入れるのとあまり変わりない味になるのです。とはいえその刻みの形よりドリッパーの穴の大きさが最も大きく味を変えます。圧倒的にね。カリタがそういった意味では使いやすいです。

フィルターはメリタの方がいいのですが。

 

 

ただコーーヒーにここまでこだわる人たちは。見ていて清々しい。それでは私は?

ドロドロだね。