鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

No.175 (のと緩和ケア研究会視察)

2013-09-13 10:28:51 | 日記


9月10日~12日、のと緩和ケア研究会の皆さん6名が当地区の視察に訪れました。
荘内病院の和泉先生とのつながりで、今回の視察が実現したようです。

視察メンバーは、
 金沢大学病院 麻酔科医師
 金沢医科大学病院 がん性疼痛看護認定看護師
 恵寿総合病院 緩和ケア科医師
 恵寿総合病院 薬剤師
 公立能登総合病院 地域連携係長
 富来病院 看護師

 と、さまざまな病院からの多職種チームでした。

視察内容は

・緩和ケア推進協議会の活動、
・OPTIMの最終報告
・庄内南部地域れ系パス推進協議会全体会の見学、
・鶴岡地区医師会、Net4U、ほたるの紹介、
・訪問看護師との同行、病院でのPCTラウンド、緩和ケア医との意見交換会
・地域緩和ケア症例検討会の見学

などでした。

能登地区は、大まかには能登半島を指すようですが、七尾市に450床規模の民間
と公立のそれぞれ急性期病院があり(鶴岡に荘内病院が2つあるみたいなところ)、
医療資源的には、鶴岡地区に比べるもなく充実しているところです。したがって、
病院完結型の医療ができてしまうので、いわゆる「連携」はあまり進んでいない
とのことでした。一方で、半島の先の方は、医療資源にも乏しく、往診する医師
も少ない医療過疎地であり、そこも課題でもあるとのことでした。なお、医師会
との連携については、あまり話がでませんでした。

恵寿総合病院
http://www.keiju.co.jp/
公立能登総合病院
http://www.noto-hospital.nanao.ishikawa.jp/

最後に、懇親会で今回の視察の印象などを話してもらいましたが、

コメディカルを含めて個々のレベルが高い
(パスの会議や症例検討会などでのプレゼン能力、おもてなしの対応などを指し
ているのだと思います)
医師会の積極的な関与
ITシステム

などに感心を示していたようです。

懇親会から二次会へ流れ、友好を深めました。

https://plus.google.com/photos/101791822828330277284/albums/5922892281425912913

以下、能登地域の課題

金沢医科大学病院は、石川県の地域がん診療連携拠点病院として、能登中部と能登北部を担当しており、地域がん診療連携協力病院の2施設(公立能登総合病院・恵寿総合病院)と協力し、がん医療の連携体制の整備・連携の強化を進めています。能登地区にある15の病医院と2009年から「のと緩和ケア研究会」を立ち上げました。
能登中部には公立病院が5施設、能登北部には公立病院が4施設あり、在宅支援診療施設は少ないです。

能登地区では、人口が約21万人、面積は2403平方キロあり、日本海側最大の半島です。半島先端部までは、金沢市から直線距離で110キロあり道路距離では140キロあります。

また、過疎化や高齢者が多いこと、公立病院の医師が不足していること、在宅診療医師が少ないこと、訪問看護施設が不足していること、介護のマンパワーが不足していることなどの問題点が多くあり、患者さんが望んでいる、在宅医療移行が困難であり、自宅での死亡率は約6%にとどまっています。

<能登緩和ケア研究会の取り組みの現状・問題点>
・ 1年に1回の学術集会、症例発表会の開催・・・参加者が少ない
・ 医師を対象として緩和ケア研修会の開催・・・参加者が少ない
・ 看護師を対象にがん看護研修会を開催・・・受講者が多いが、イブニングセミナーであり遠方であることや、訪問看護師の受講が困難
・ メーリングリスト・・・ほとんど活用されていない現状
・ 金沢医科大学病院でのオープンセミナーの公開講座(1回/2ヶ月)・・・参加者増えてきている
・ 症例・事例検討会(2回/年)・・・今年度から開始して参加者約40名

<能登地区医療施設との連携に向けてどのようにはたらきかけていったよいのか>
・ 地域医療情報連携の管理システムづくりと活用について
・ 病院・医師会とのソーシャルネットワークづくり
・ 緩和ケア普及のプロジェクトについて





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