鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

No.176 (ほたる多職種研修会)

2013-09-14 12:08:01 | 日記


昨日(9月12日)、「認知症高齢者の理解とケア」というタイトルで、第2回ほた
る多職種研修会が行われました。参加者が多く(200名超)、急きょ、メタボロー
ムキャンパスのレクチャーホールへと会場を移しての開催となりました。認知症
に対する感心が高いのと同時にその対応への困難感を感じている医療、介護関係
者が多いことが背景にあるものと思われます。

講師は、宮城厚生協会 坂総合病院、認知症看護認定看護師 阿部育実先生で、
認知症の基礎、周辺症状(BPSD)に対するケアのポイント、介護家族支援につき
詳しく、丁寧に、また具体的に教えてもらいました。

認知症(アルツハイマー型)は、治せない進行性の病(脳の老化と考えた方が理
解しやすい)ですので、医療の関わる部分はむしろ少なく、保健師、ケアスタッ
フ、訪問看護師などが、家族の教育・支援を含めて関わっていかなければならな
い疾患であることを再認識しました。

認知症で問題となるのは、暴力、暴言、妄想、徘徊などのBPSD(周辺症状)ですが、
正しい対応で予防や軽減につながるとのことです。したがって、認知症の知識・
スキルを広めていくことは認知症対策の基本中の基本となります。一方、認知症への対応
には、知識のみならず、経験を通したある程度のスキルが必要であり、誰でも直
ぐに身に付くものではないとも思いました。

したがって、これから地域で取り組むべきは、認知症ケアの標準化とその普及だ
と感じています。そのためには、さまざまな事例を検討しつつ、教育、研修する
場を設置し、人材を育てていくことが必要ではないかと思いました。来年度のほ
たるの事業として何かできないかスタッフとも話しているところです。

一方で、認知症患者の多くは、きちんと診断されておらず、誤った対応が行われ
ている可能性もあります。医療機関受診勧奨も同時に取り組まなければならない
課題です。こちらの対策は、市のもの忘れ相談医制度をきちんと機能させること
になると思いますが、市民啓発がさらに必要と考えます。

いずれにしろ、認知症の理解をふかめるのにとても勉強になった研修会でした。

最後になりますが、、総務課の皆さまには、会場準備、駐車場での案内などお手
伝い頂き、ありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます。

当日配布資料
http://www.evernote.com/shard/s44/sh/990be341-e202-41e0-88b7-3ae287587929/34b03760deaf83c4df077a2931fb473d

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