昨晩(9月27日)行われた医療学術懇話会で下記講演を拝聴してきました。
「庄内の脳卒中 治療と管理」
市立荘内病院 脳神経外科 佐藤和彦先生
脳外科医2人、神経内科医1人で、年間520人以上におよぶ脳卒中患者を、しかも
トップレベルの技術と連携を駆使し、高いレベルでこなしていることに敬服する
とともに、大変頼もしく、また心強く感じました。
医師不足といわれるなかで、質を確保した医療を実践していくためには、コメディ
カル(医師以外という意味)との信頼関係に基づいた「連携」は不可欠であり、
「連携」なくしては、医療資源が不足している地域での医療は成り立たないといっ
ても過言ではないと思っています。
多職種で役割を分担し、医師以外でできることは積極的に委譲する。その具体的
なツールがパスであることを再認識しました。パスは医療の質を担保しながら、
医師の負担を減らすツールでもあるのです。
以下、講義メモ
脳卒中の総論、
死亡率は減少したが、発症は減ってはいない
寝たきり原因の1位
山形県では、脳出血が20%台とまだ多い (全国10%台)
脳出血は予防しやすい (血圧、低栄養、アルコール)
2004
ガイドライン
2005
rt-PA療法が始まる
発症3時間以内
劇的な効果がある一方、危険・禁忌も多い
遅れると有害
脳卒中専門医制度
2008
丸谷先生、着任
2008、12
パス開始
2010
機械的血行再建術開始
2011
新規抗凝固薬が発売される
アスピリンの不適切投与への警鐘
1、超急性期前方連携
rt-PT療法
発症時刻が非常に重要 3時間以内に開始
2005年、前方連携(鶴岡方式)開始
マニュアル化して運用
時間との勝負、開業医は診察しないで救急車搬送して欲しい、紹介状はあとで
なぜ可能だったか
病院がひとつ
救急隊の範囲が診療圏
搬入拒否はしない
田舎だからできることがある
2、慢性期の後方連携(地域連携パス)
完全IT化
全例登録 院内死亡数を把握
TAP分類
目的は2つ、再発予防、ADL低下予防
mRSの3か月、1年後に登録されることは研究的にも意義がある、
3、急性期治療
脳出血
後遺症が残る
発症予防が大切
高血圧、飲酒
手術しても、機能予後は変わらない
脳出血の4割が、抗血小板剤を服用
脳梗塞
発症1年後に10人に一人が再発
再発予防が重要
薬は一生
治療は、時間との勝負
シロスタゾール
くも膜下出血
致死的 半数が死亡
内科療法はない、
クリッピング
4、慢性期治療
死ぬまで元気でいるための12条
無症候性脳血管障害
若年性の脳出血を予防
心原性脳梗塞症の予防
高血圧の治療、家族禁煙
5、北庄内との連携
庄内の脳卒中治療は、「荘内病院の責任」
救急ID-Link
iPadで家にいても画像閲覧可能
紹介された手術事例の解説
頸動脈、槌骨動脈閉塞へのステント など
過潅流対策など術後管理が重要
6、認知症と終末期医療
酒田は、認知症医療センター
鶴岡は、もの忘れ相談医制度
画像で治療可能な疾患を除外することが重要
中年期における血圧管理が発症を抑制
終末期医療
延命よりQOL重視へ
認知症で食べられなくなれば強制栄養しない
↑おのずと常識となることが望ましい
Q、
軽症例のADL低下をケアプランにデイケアを組み込むなどで予防できないか
A、
軽症例のADL低下は、階段昇降、入浴動作が落ちていることによることが多い。
これは、入院中このような運動の機会が少ないためではないか。
屋外活動など行動範囲を拡大することで機能改善が期待できるのでは?
いずれにしろ、ケアマネや多職種との連携は必要。
患者用パスの運用が始まるので、ケアマネなど介護職との連絡ツールとしての利
用を期待している。
「庄内の脳卒中 治療と管理」
市立荘内病院 脳神経外科 佐藤和彦先生
脳外科医2人、神経内科医1人で、年間520人以上におよぶ脳卒中患者を、しかも
トップレベルの技術と連携を駆使し、高いレベルでこなしていることに敬服する
とともに、大変頼もしく、また心強く感じました。
医師不足といわれるなかで、質を確保した医療を実践していくためには、コメディ
カル(医師以外という意味)との信頼関係に基づいた「連携」は不可欠であり、
「連携」なくしては、医療資源が不足している地域での医療は成り立たないといっ
ても過言ではないと思っています。
多職種で役割を分担し、医師以外でできることは積極的に委譲する。その具体的
なツールがパスであることを再認識しました。パスは医療の質を担保しながら、
医師の負担を減らすツールでもあるのです。
以下、講義メモ
脳卒中の総論、
死亡率は減少したが、発症は減ってはいない
寝たきり原因の1位
山形県では、脳出血が20%台とまだ多い (全国10%台)
脳出血は予防しやすい (血圧、低栄養、アルコール)
2004
ガイドライン
2005
rt-PA療法が始まる
発症3時間以内
劇的な効果がある一方、危険・禁忌も多い
遅れると有害
脳卒中専門医制度
2008
丸谷先生、着任
2008、12
パス開始
2010
機械的血行再建術開始
2011
新規抗凝固薬が発売される
アスピリンの不適切投与への警鐘
1、超急性期前方連携
rt-PT療法
発症時刻が非常に重要 3時間以内に開始
2005年、前方連携(鶴岡方式)開始
マニュアル化して運用
時間との勝負、開業医は診察しないで救急車搬送して欲しい、紹介状はあとで
なぜ可能だったか
病院がひとつ
救急隊の範囲が診療圏
搬入拒否はしない
田舎だからできることがある
2、慢性期の後方連携(地域連携パス)
完全IT化
全例登録 院内死亡数を把握
TAP分類
目的は2つ、再発予防、ADL低下予防
mRSの3か月、1年後に登録されることは研究的にも意義がある、
3、急性期治療
脳出血
後遺症が残る
発症予防が大切
高血圧、飲酒
手術しても、機能予後は変わらない
脳出血の4割が、抗血小板剤を服用
脳梗塞
発症1年後に10人に一人が再発
再発予防が重要
薬は一生
治療は、時間との勝負
シロスタゾール
くも膜下出血
致死的 半数が死亡
内科療法はない、
クリッピング
4、慢性期治療
死ぬまで元気でいるための12条
無症候性脳血管障害
若年性の脳出血を予防
心原性脳梗塞症の予防
高血圧の治療、家族禁煙
5、北庄内との連携
庄内の脳卒中治療は、「荘内病院の責任」
救急ID-Link
iPadで家にいても画像閲覧可能
紹介された手術事例の解説
頸動脈、槌骨動脈閉塞へのステント など
過潅流対策など術後管理が重要
6、認知症と終末期医療
酒田は、認知症医療センター
鶴岡は、もの忘れ相談医制度
画像で治療可能な疾患を除外することが重要
中年期における血圧管理が発症を抑制
終末期医療
延命よりQOL重視へ
認知症で食べられなくなれば強制栄養しない
↑おのずと常識となることが望ましい
Q、
軽症例のADL低下をケアプランにデイケアを組み込むなどで予防できないか
A、
軽症例のADL低下は、階段昇降、入浴動作が落ちていることによることが多い。
これは、入院中このような運動の機会が少ないためではないか。
屋外活動など行動範囲を拡大することで機能改善が期待できるのでは?
いずれにしろ、ケアマネや多職種との連携は必要。
患者用パスの運用が始まるので、ケアマネなど介護職との連絡ツールとしての利
用を期待している。