19日(土曜日)、秋山美紀さん「コミュニティーヘルスのある社会へ」出版記念
パーティーが行われました。
写真集
私と秋山さんとの出会いは10年前に遡ります。当時、Net4Uの運用を開始し、2年
ほど経過していた時期だったと思います。東京都医師会主催の医療情報関連の勉
強会で、Net4Uの講演をしたことがあります。その時に聴きにきていた秋山さん
から「鶴岡へ視察に行きたいのですが・・」と声をかけてもらったのが、最初の
出会いでした。
鶴岡視察を通して、Net4Uが実際の医療現場で活用されていることに感銘を受け
たらしく、その後しばしば鶴岡を訪れるようになり、ハローナースには1か月も
の間通いつめ、在宅医療の現場を実際に体験しながら、訪問看護におけるITツー
ルが果たす役割について研究され、博士論文を書きあげました。
そのような流れの中で、秋山さんの推薦もあり、Net4Uは2004年に日本経済新聞
賞を受賞しています。
http://www.nikkei.co.jp/riaward/2004/
その後、からだ館を立ち上げ、武林先生も共同研究者として誘って頂き、当地区
の在宅医療の転機となったOPTIMの受託も、秋山さんの推薦によるところが大き
かったのです。また、慶応大学生命先端研究所のメタボローム技術の実用化を目
指した鶴岡市、鶴岡地区医師会との共同による大規模コホート研究も秋山さんな
くしては実現はなかったと思います。
いわば、鶴岡のここ10年の歩みは、秋山プロジェクト(もう一人の秋山先生の貢
献も忘れてはなりませんが・・)でもある、と私は思っています。ひとつの出会
いが鶴岡という地域を変えたという意味で、とても感慨深いものがあります。
とはいっても、私は、鶴岡モデルの特徴は、さまざまなレイヤーの多様な職種の
人たちの活動が相互作用的に機能し、地域全体のレベルの向上につながっている
ことにあると思っています。そして、そのガイド役あるいは触媒としての「よそ
者」(秋山氏)の役割がとても大きいとは感じていますが、一方で、地域のさま
ざまな立場の皆さんの志が鶴岡をここまで成長させたのだと思っています。大い
に誇りにするところであります。引き続き、皆様にはよろしくお願いしたいと思
います。
なお、「コミュニティヘルスのある社会」については、医師会長だよりNo.171で
も紹介していますので、参考として下さい。