そのカスタム仕上げのポルシェに飽きた。
金持ちは・・・何にでも飽きるのだ。
金で、ほとんどの事は出来る。
だから、生きる意欲が薄れ、飽きるのだ。
ましてワシは超金持ちだぜ。
だが表向きは極貧の売れない氣功師だ。
いきなり車を替えては怪しまれる。
ドロボーの疑いがかかるかもしれない。
本妻を売り飛ばしたとウワサされる・・・
・・・されることはないな・・・。
(深く追求する事は、固く禁ずる)
と、とにかく、目立たぬように行動しなければ・・・。
日本を動かすほどの超金持ちと知られてはならない。
だって、うっとうしいじゃないか。
金持ちは、つまらん。
だが、金持ちに群がる人達も、つまらん。
そこで、再び超一流スタッフを雇った。
細工は流々。
ワシのマイカーは何度か故障するようになった。
マフラーから白煙を上げるようになった。
距離数も17万キロを超えるように偽装した。
クラッチもアマくした。
「もう・・・替えたほうがいいですよ」
クライアントも見かねて、控えめに言う。
誰もが同情混じりワシを見るようになった。
作戦は成功だ。
これで、ポルシェからフェラーリに替えられる。
「今、安い中古車を探しているのですよ」
(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。)