カルテ番号 て・6（14）
２ヶ月後。
手塚清美は再び治療院を訪れた。
出来るだけゆっくり減量するように気を配っていたが、思いのほか体型が変わった。
この２ヶ月で３～４キロ落とす計算が、７キロ減ってしまった。
生き方を変えようと決意、行動してから１５キロの余計なものが取れたことになる。
だが、もちろん自然に落ちたものであり、バランスも肉質も体力も向上している。
何よりも考え方や意識が前向きなのが、とても凛々しい表情と態度となった。
何もやる気もなく、８０キロ近くまでだらしなく太っていた頃と雲泥の差となった。
元々は美形なのだ。
のほほんとした単なる美人だったのが、生命を得た美人に生まれ変わった。
３７歳とは思えぬ体型と行動姿勢と表情は、その言動も変えた。
面白いことに、以前の美人の頃はやたらモテた。
うるさいほどに誘いがあった。
ところが、今は誘う男性はほとんどいなくなった。
道を歩いて声をかけられても、一言で立ち去るようになった。
外見で付き合えるタイプではない、と気づいてくれるようになったのだ。
（登場する人物・組織・その他はフィックションです）
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