カルテ番号 て・6(15)
「先生、今日はよろしくお願いします」
体型の変化に驚いてくれるかと思ったが、院長は前と変わらぬ飄々とした表情だった。
「いらっしゃい。どうぞ」
「この前はお話だけで気功を受けなかったのですが、今日は気功もお願いします」
「いいえ、お話しながらですが、あれで気功を受けていたのですよ。
私の近くにいて私が止めない限り、自然と気功を受けている状態です。
ただし、受けようと意識すれば受け取る量が大きくなるわけです」
マットに仰向けになり、話をしながら受ければいいという。
「先生、私、変わったでしょ」
「そうですね。ずいぶん芯がしっかりできましたね。
そして本来の積極的な性格が、現れていますね。
手塚さんは積極的になったほうが楽に生きられるタイプだと思いますよ」
清美は気付いていた。
そうなのだ。実は積極的に自分から行動を起こす方が好きだった。
中学生に上がる頃から周りに騒がれて、ただ流されていた。
可愛いとか美人とか言われることが、自分の世界を狭くしていったのだ。
「私ね、もう他人の目というか、そういうのが気にならなくなったんです。
まぁ、やっとこの歳になってからだけど・・・」
「一概には言えませんが、手塚さんにとってはその方がいいでしょう。
それで何か目標とか成りたい事とか見つかりましたか?」
本当は考えている事があるのだが、それを言うのは少しためらってしまった。
「結婚したいとか、家庭を持ちたいとかの気持ちはないです。
漠然とですが、自分の特徴を活かした仕事をしたいです」
そんな風に言ってみたが、やはり院長に誤魔化しはきかないような気がした。
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
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