カルテ番号 ら・1(13)
良知和尚は寺と町と海の位置まで簡単に描いた。
「書から推測できるのは、津波でしょう。
津波が起こるのは、どこかで地震がある、ということでしょう。
その場所まではわかりませんが、近海と思えます。
東北大震災時を教訓として、早めの対策をしておきたい。
東北津波クラスなら、ここの町も飲み込まれます。
この町の人口は4万人です。
もちろん、隣接する町、市、その範囲を広げれば数百万人が対象でしょう。
あるいは、規模によってはもっと多く、数千万人かもしれません。
ですが、寺の出来る範囲は4万人です。
宗教が人の苦しみを軽減する役割といっても、その範囲があります。
地球上、全ての人を対象にはできません。
まして、人以外の生物全てなど、とても無理です。
自分の、自分達の出来る範囲を知らないと、出来る事も出来なくなります」
良知和尚は、誠実で冷静な僧なのだろう。
自分の力を知らない人は多い。
感情や理想だけで、言葉を発しても、行動は伴わない。
人は弱いし、欠点だらけだ。
だから、それぞれが支え合って、何とか生きていける。
それぞれが、小さな範囲を支え合えば、全てが生きていける。
一人で地域、国、世界を救えると思ったら、傲慢以外のモノは得られない。
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
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