カルテ番号 り・1(20)
柳玲香は興味深そうに聞いている。
「土地というか場所のような気がします。
車で離れるにしたがって、その不安感が消えていったのです。
申し遅れました、私は力石静といいます。
神奈川には30年くらい住んでいました。
会社は都心にあって、20年以上勤めていたのですが・・・
もう、帰りたくないような気がして・・・
これからどうしようかと・・・」
柳玲香が真面目な顔で言った。
「ご家族はどうされているのですか?」
「6年前に離婚して、息子が一人北海道の大学に行っています。
ですから、私一人暮らしです。
息子は独立心の強い子で、親の援助無しで生活しています。
私もこの先、一人でキチンと生活していくつもりでした。
定年までは会社に勤めるつもりでしたが・・・」
力石静は、この柳玲香というかなり年下の女性に頼りたい気持ちだった。
何を頼るのか?それもわからないが、きっと何とかしてくれる。
それは、静の能力の勘でもあった。
「病院では、うつ病とされましたが、私は違うと思っています。
薬も飲んでいません。
何かはわかりませんが、温泉でゆっくりしていたら、回復すると思ったのです。
もっとも、こちらに着いてからは、不安感はありません」
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
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