水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・827」

2016-02-19 19:06:18 | Weblog



カルテ番号 も・6(35)

茂木滋はその夜、宿に泊まって、温泉を愉しんだ。
今まで、何十回となく温泉には入った。
だが、温泉を愉しむなんて無かった。
それが、愉しむ、ということが実感できるのだ。
いろいろが新鮮に感じられる。
何も、解って、いなかった、のだ。

次の日、帰ってから公園に向かった。
あの婦人に経過報告をしようと思った。
昼過ぎ、天気もいい。
やがて、婦人がやってきた。
太極拳を始める前に、茂木滋のベンチに来た。
挨拶をして、隣に座った。

「どうでした?感想は?」
明木礼子は、茂木滋の表情から、大きく変わったと感じた。
きっと、茂木滋にとって、とても大きな何かがあったのだろう。
あの、三木裕子も一度で変わったのだ。
その人、その人の何かが変化する。
ある意味、生まれ変わったようになる。
その変わった表情を見て、礼子は嬉しくなる。

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(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。
ブログで書いた「迷説般若心経」  「迷説恋愛論」  「迷説幸福論」
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18年間封印していた本物の「氣入れパワーストーン」を販売開始 「笑顔の雑貨屋Yakkoo」)
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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・826」

2016-02-18 19:08:39 | Weblog



カルテ番号 も・6(34)

80歳になった茂木滋だが、何も知らない、というのは実感している。
80年生きてきたから、世の中をある程度理解してきたと思っていた。
知っている、と、何も知らない、と両方の思いがあった。
だが、本当は、何も知らないに等しいのだ。
それは、子供でも80歳でも同じだったのだ。
どの国の人間でも、昔の人も同じだったのだ。
何も知らない、に、等しい・・・

自分が、あと何年生きられるか、なんて知ろうとしていた事。
そんな事は、無知という世界では意味が無い。
誰も、判らないのだ。
誰かに言われても、自分では判断できないのだ。
そんな、どうでもいいことよりも、もっと見たいものがある。
もっと、触れたいものがある。
もっと、聞きたい事がある。

「先生、本当に、ありがとうございます。
何故、導かれるように、ここに来たのかはわかりません。
だが、来て、よかった」
そう、素直に口に出せて言える自分がいた。
まるで、80歳になって、生まれ変わったようだ。
何も解っていない。
だから、この世は、宝の山だ。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・825」

2016-02-17 19:03:22 | Weblog



カルテ番号 も・6(33)

院長の話は続いた。
「生命力は、この世においては肉体に宿ります。
それは、生きていこうとする力でもあります。
先導役として、生きる気力があります。
気力と生命力は、肉体内においては、同じ方向に向きます。
その気力は、意識に強く影響します。
意識の中でも、感情に左右されます。
感情の中でも、感覚に近い、嬉しさ、楽しさ、気持ち良さに反応します。
その反対の、悲しみ、苦しみ、痛みなどには気力が衰えますね。

そして、もう一つ、気力が湧く意識があります。
それは・・・面白さ、という感情であり、感覚です。
この世は多種多様なものばかり。
一生を通じても、その僅かしか出会えません。
その僅かの、更に僅かにしか触れることができません。
そのくらい、世界は大きく、広く、深く、面白さに満ちているのです。
子供が何にでも興味を示し、知りたがるのは、生きる気力となります。
もちろん、大人も老齢者も犬も猫も同じです。
つい、人間は年齢を重ねると、人生を知ってしまったかのように錯覚します。
ですが、何も知らないといっていいほど、僅かしか出会っていません。
そして、せっかく出会っても、認めないから触れもしません」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・824」

2016-02-16 19:05:19 | Weblog



カルテ番号 も・6(32)

茂木滋は言った。
「なるほど・・・
異なるモノを認めると、生命力が湧く。
否定すると、衰退していく・・・か。
思い起こせば、その通りですな。
否定や固定概念だけの人生は、つまらない。
それは、生命力が活性していないから、というわけですな」

院長はニッコリとして答えた。
「小さな子供は、毎日が異なるモノとばかり出会っています。
そして、ほとんどを受け入れているわけです。
だから、生命力がより湧いているから、元気なのです。
次第に大人になって、社会の常識や、世間の顔色や、損得で考えます。
すると、異なるモノ、異なるモノはほとんど否定するようになります。
なにしろ、常識とは違うわけですから。
そして、そこに正誤、良悪をとりいれて、考えを正当化します。
それが、社会的には妥当かもしれませんが、生命力は衰退します。
その時の現象として、苦しみ、時には病が現れます。
私は、病からの回復が仕事の一部です。
だから、生命力を活性する方法を用意するのです。
その一つが、常識以外の考え方などです」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・823」

2016-02-15 19:29:07 | Weblog



カルテ番号 も・6(31)

茂木滋は頷いた。
解らない事を認めた時、面白い、と思えた。
院長も頷いて、話し出した。
「異なる事、異なるモノは、毎日、普通の暮らしの中にあります。
毎日、毎日、あるのです。
ですが、ほとんどを否定します。
あるいは、無視します。
認める事は、とてもマレです。
今日の私との事が特別ではないのです。
特別なのは、茂木さんが認めた事なのですよ。

そして、異なるモノを認めると・・・
生命力は活性するように出来ているのです。
どうやら、この世の仕組みのようです。
何故、この世が、多種多様なモノばかりあるのか。
人だけでも、同じ人、同じ考え、同じ思いの人はいません。
自分と近い人、あるいは、固定概念で同じ場合は沢山あります。
ですが、同じモノと共有しても生命は活性しません。
違うモノと出会う為に用意された世界です。
ですから、違うモノを認めると生命は喜ぶのです。
その為に生きているのですから・・・
と、私は勝手に解釈しているのですが」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・822」

2016-02-14 19:06:21 | Weblog



カルテ番号 も・6(30)

院長は言った。
「生命力が活発になるには、幾つも引き金があります。
生物は生命力が活発になるように、幾つもの仕組みが用意されているのです。
この世を創ったのが誰だかしりませんが、自然はそういう仕組みのようです。
生きていけば、活発になるように仕掛けられていたのです。
病気になるよりも、元気になる方が簡単なのですよ」

病気になるよりも、元気になる方が簡単・・・
そうなのか?
その方法を知らないだけなのか?
院長は話を続けた。
「沢山の鍵があり、沢山の方法があります。
それも、普通の暮らしの中にあります。
特殊な方法もありますが、圧倒的に普通の暮らしの中にあります。
極、自然にあるのです。

そうですね。
今回の茂木さんの答えの1つ。
茂木さんは、ここに来て、今までと違うモノに出会いました。
異なるモノ、という方がいいでしょう。
気功もそうですが、私の考え方が異なっていましたね。
異なったモノに出会った時、2つ以上の道があります。
1つは、否定する道ですね。
1つは、認める道ですね。
もう一つは、無視する道もあります。
そして茂木さんは、認める道を選びました」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・821」

2016-02-13 18:57:05 | Weblog



カルテ番号 も・6(29)

「つい、余計な事を訊いてしまったですな、申し訳ない。
仕事を辞めてから、他人に興味はなかったが、先生は別だ。
今まで自分が会ってきたタイプとは違っていたもので・・・
それにしても、不思議だ。
ここに来て、まだ僅かな時間なのに、昨日までの自分とは違う。
これが、気功の成果なのですかな?」

院長は相変わらず、ゆっくりと話し出した。
「気功の成果は、半分くらいでしょうね。
あとは、茂木さんがご自分で変わったのですよ。
変わったというよりも、生命力が目覚めた。
あるいは、活発になったのだと思いますよ。
回復も、変化も変身も、ほとんどは、その人自身なのです。
私は、少しだけキッカケをするようなものです」

茂木滋は、その言葉にヒントがあるように思った。
「そのキッカケは、どの部分ですかな?
生命力が活発するには、どうすればいいのですかな?
自分が昨日と変わった事は自覚できるが・・・
どうして急に元気になったのかは、解らない。
そこを、ぜひ教えて下され」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・820」

2016-02-12 19:15:27 | Weblog



カルテ番号 も・6(28)

茂木滋は改めて院長の顔を見た。
「それにしても、先生は何処で修行をしてきたのですかな?
そして、失礼だが、どうしてこんな山の中にいるのかな?
その能力、得たモノをもっと多くの人に広めた方がいい。
さすれば、もっと多くの人を救えるでしょう。
どうにも、先生が、無駄にサボっているようにも感じるが・・・」

院長は穏やかに笑った。
「茂木さんが、過分な評価をしてくれるのは有り難いですが・・・
私は、修行などしてこないのですよ。
もともとが、努力が苦手な性質だし、根性もないし・・・
だから、多くの人を救おうなんて、思ってもいません。
能力というのは、使って、出来て、初めて、有るというものでしょう。
誰でも潜在的には、持っているのですから。
つまり、今の私がこうなのは、そういう能力が無いと同じです」

茂木滋は、黙っていたが
「失礼ついでに、こんな状態で暮らしていけるのですかな?」
院長は困った顔をした。
「いやぁ、毎日困っていますよ。
身体と心の事なら何とでも対応できるのですがねぇ。
社会生活は、メンドウな事に収入が必要らしい。
それが、私には特別低い能力のようです」

茂木滋は、ふと思った。
そういえば、昔、会社の仕事の都合で研究者に出会った。
研究者も様々だろうが、その人はコツコツとある研究をしていた。
その人が発見し、作り上げたものは、とても素晴らしいものだった。
だが、それを世に出そうとはしなかった。
理由は・・・興味が無い、ということだった。
生活にも、苦労しているようだが、宝を使うとは考えていないらしい。
他の道を比べないのだ。
この院長も、そうなのかもしれない。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・819」

2016-02-11 19:34:31 | Weblog



カルテ番号 も・6(27)

「そうですな。
小さな不完全な頭で判断するのは、間違いが多い。
自分など、何十回と判断の間違えがあった。
間違いだらけだったかもしれん。
世の中、解らん事だらけだ。
それなのに、自分で勝手に信じたり、信じなかったり・・・
信じるから、裏切りで苦しみ、信じないから不信感で苦しむ。
解らない、と気づけば、苦しまずに済んだのに」

茂木滋は、少し黙って考えてから言った。
「解らん、ということは、ずいぶん気持ちを楽にするものなのですな。
今までは逆に思い込んでおったわい。
解らないから、解ろうと、ずいぶんと無駄なあがきをしていた。
少しの出来事が集まっても、本当は解らない。
それを無理やり信じたり、信じなかったり、勝手に決め付けていた。
そして、いつでも不安と不信で苦しんでいたわけじゃな」

院長は茂木滋の邪魔をしないように、黙って手を当てていた。
ここに来た時の顔つきと違い、かなり明るくなっている。
僅かな時間だが、イキイキとして、若返っている。
人は、不思議な生き物だと思う。
解らない事を認めただけなのに、身体の細胞が活性するのだ。
解るから前に進むのではない。
解らない事を認めるから、前に進めるのだ。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・818」

2016-02-10 19:56:54 | Weblog



カルテ番号 も・6(26)

茂木滋は縁というものは、何かしら決められているものだと思っていた。
運命だか宿命だか知らないが、定められているのだと思った。
「人と人の出会い、特に結婚など縁といいますね。
最初から決められている相手と出会った、というようにいわれますね。
でも、そんな事はないのですよ。
事実、そう思った相手が結婚してみると違い、離婚するなどざらです。
結婚する前までは、宿命の人と出会えた、と勘違いしていたわけです。
その場合は、結婚するタイミングに出会ってしまっただけです。
決して、その相手が宿命ではないのです」

茂木滋は、こういう話が面白かった。
「すると、宿命の相手は別にいるわけですかな?」
院長は少し考えてから言った。
「宿命の相手がいるか、どうか。
それは、人間には解らない事でしょう。
いるのかもしれないし、いないのかもしれない。
どっちにしろ、その判断はできないわけです。
ならば、そんな事に惑わされないほうが大切でしょう」

茂木滋は、今まで運命など信じなかった。
だが、この話を聞くと、なるほど、と思えた。
信じるも信じないも、意味がないのだ。
人間には解らない、判断もできない事柄なのだ。
すると、信じるも信じないも同じ事だと思えた。
同じく、中身が無い事になる。

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