カルテ番号 も・6(27)
「そうですな。
小さな不完全な頭で判断するのは、間違いが多い。
自分など、何十回と判断の間違えがあった。
間違いだらけだったかもしれん。
世の中、解らん事だらけだ。
それなのに、自分で勝手に信じたり、信じなかったり・・・
信じるから、裏切りで苦しみ、信じないから不信感で苦しむ。
解らない、と気づけば、苦しまずに済んだのに」
茂木滋は、少し黙って考えてから言った。
「解らん、ということは、ずいぶん気持ちを楽にするものなのですな。
今までは逆に思い込んでおったわい。
解らないから、解ろうと、ずいぶんと無駄なあがきをしていた。
少しの出来事が集まっても、本当は解らない。
それを無理やり信じたり、信じなかったり、勝手に決め付けていた。
そして、いつでも不安と不信で苦しんでいたわけじゃな」
院長は茂木滋の邪魔をしないように、黙って手を当てていた。
ここに来た時の顔つきと違い、かなり明るくなっている。
僅かな時間だが、イキイキとして、若返っている。
人は、不思議な生き物だと思う。
解らない事を認めただけなのに、身体の細胞が活性するのだ。
解るから前に進むのではない。
解らない事を認めるから、前に進めるのだ。
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
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