「原発もTPPにも賛成はできない。でも安倍首相と自民党は嫌いになれない」という人、けっこう身近にいませんか?
政権交代は起きない今選挙
今度の参院選挙は、ぜったいに政権交代は起きません。そこは2009年、2012年の衆院選とは大きく違うところです。ですから安倍首相が率いる自公政権が、仮に大敗しても安倍首相が変わることも政権与党(自公)が下野することもありません。衆院の優位性は変わらないからです。参院選挙の結果が大いにねじれて、参院内での与野党逆転があっても、安倍自民党政権はそのままです。
ねじれは民意の反映
しかし参院が、原発やTPPなどの政策を慎重に審議してブレーキをかける役割は担っています。それが2院制における参議院の存在意義であるからです。「ねじれ自体は民意の反映であり、参院選挙が政権に対する評価を問う中間選挙の性格を強めた以上、不可避的にねじれは起きる。他国でも珍しいことではない」という大山礼子先生の見解に同感です。
野党伸ばし危険な政策にブレーキを!
ですから「原発TPPは嫌い、でも安倍自民はスキ」と言う人は、2院制の長所を生かすためにも今度の参議院選挙では、原発・TPPに反対の野党に投票することが賢明だと思います。野党が強くなることによって安倍自民政権にとっても薬になるからです。有権者は「ねじれ国会」解消のマスコミの大合唱には乗らないことですね。
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日本の国会――審議する立法府へ (岩波新書) |
大山礼子 著 | |
岩波書店 |