『日本に民主主義は育たない』(石川直源 著)
タイトルに惹かれて読みました。
1998年5月の初版発行ですが、本書が指摘して内容は本質的に今も通用することです。
つまり本書が出てからこの18年間、日本社会は民主主義の面では本当の進歩を遂げていないということのように感じます。
著者は、わが国は「実質的に官僚政治国家」である、としています。「官主主義」であり民主主義ではないと・・。三権分立も実質的に独占しているのは行政(官僚)である。戦後、田中角栄政権時代に出掛かった民主主義の芽は完全に葬られ、三権癒着が実体。
よく見抜かれていました。私が同じように、この国が官僚政治だと考えるようになったのは、民主党の政権交代以降です。たった一つの米軍基地を移設しようとしただけで日本国の総理大臣の首が飛ぶ現実を見せつけられたからです。逆に言えば総理大臣が基地一つ動かせない。それというのも実権は首相が持たず、部下である官僚たちが握り別の方向に舵(かじ)を切っていたからなのです。
裁判官が内閣によって任命されている限り、司法の独立性も期待はできませんね。
それでも著者は「日本人の和の精神が民主主義を育てる」との希望を。
そうなってほしいと私も願います。しかし現実は余りにも・・・。
日本に民主主義は育たない―日本近代史にその萌芽を追う | |
石川直源 著 | |
講談社出版サービスセンター |
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