生命か、生計か?究極の選択
NHKのEテレ「100分de名著 デフォー ペストの記憶」第2回講義のテーマです。「生命か、生計か?究極の選択」。
NHKのEテレ「100分de名著 デフォー ペストの記憶」第2回講義のテーマです。「生命か、生計か?究極の選択」。
「生計」は仕事、生活、労働、経済、ここではすべて同義語ですね。
生命と生計とは対立物ではないでしょう。仕事、生活、労働、経済は生命の源でもあります。テキストでは人間社会の本質に通じるテーマとして、貧富の差、階級格差の問題としてもとらえています。
ペストの襲来でロンドンから逃げ出せるのは、お金持ちの人たちだけ。残った人たちの中でもそれなりに経済力がある者は、一定期間は家にとどまり外出自粛生活ができました。しかし貯えのない人たちは生きていくために働かなければなりません。
「生きていくために働く」このフレーズが問いであり答えに近いのではないでしょうか。
誰もが択一のチョイスは可能ではないし、誰もが一方を選択することでリスクを回避できるものでもないですね。ここは感染症相手のむずかしいところ。
今、小林よしのりの新書『コロナ論』でも帯に「生命至上主義か?経世済民か?」とこの問題を投げかけています。「あえて言う。経済の方が命よりも重いのだ!」とは、よしりん(小林よしのり)の説。労働(経済)をどうとらえるのか、労働の中にも幸福が生まれる(カミュ)とも。
よしりんの『コロナ論』はさて置いて、デフォーの『ペストの記憶』に戻ります。
ペストによって「災害ユートピア」の現象も出てきた。それはキリスト教の宗派間対立が一時的に解消されたことや慈善家の救済活動が生まれたことなど。
現代の私たちのコロナ禍でも「ニューノーマル」「新しい日常」という言い方を耳にしますね。これは私たちも変わらなければならない、というメッセージ、だとテキストの弁(武田将明氏=東大准教授)。
パンデミックのもとでは正解や出口が見えない。ならばどうすればいいか、逡巡しながらやっていくしかない(武田将明氏)という苦しい状況の中で、番組出演者の伊集院光氏がまとめた。「まずは自分の中でベターを選ぶ。それがベストとは思い込まない。今の自分の考えの中で手を抜かずに選択をする!」
(つづく)
『愛の休日』ミッシェル・ポルナレフ♪
コロナ禍で毎日が愛の休日では困りますが・・
Holidays
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