ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

政治選択もがん治療も

2021年10月25日 | 研究・書籍
権利の上に眠るな!」

婦人解放運動家の市川房枝女史(1893-1981)の言葉です。
権利があるのにそれを使わなければ何にもならないということ。

今月末は衆院選。
日本、国民の未来にかかわる一番大切な選挙。
しっかりとした人物、
信頼できる政党に、棄権することなく権利の一票を投じたいものです。

さて、人の一生にとっては、がん治療についてもその「選択」は重大なことです。

7月発行『ドキュメント がん治療選択』(金田信一郎/ダイヤモンド社)は現在進行形の闘病の様子を赤裸々に書かれたもので迫力があります。
著者は日経新聞の編集委員も務めたジャーナリスト。1967年生まれ、脂ののった現役だ。
第一章 罹患
第二章 東大病院918号室
第三章 逃亡
第四章 がんセンター5A病棟
第五章 疑惑、
第六章 大転換。。。

章を追っただけでなんとなく内容が連想できると思います。
表紙には「崖っぷちから自分に合う医療を探し当てたジャーナリストの闘病記」とある。
「進行性のがんになって学んだことが一つだけある。それは、医者と病院に任せきりにしないということだ。自分の病気と治療法を理解し、運命は自分で決めていくー。その思いは最後まで持ち続けた方がいい」と。まったく同感です。勇気を与えられました。

「患者は、告知の場面でベルトコンベアに乗ってしまえば、そのまま抗がん剤→手術へと流されていく。」

「これからは、がんとともに生きていく、体の一部であるがんが、意識の中の自分に様々な警告を与えてくれているのかもしれない。」

そして今は「がんに感謝しながら生きる」という境地に達した著者。
政治改革もがん治療も、主体者は国民、患者であるということ。政治家や医師に簡単に委ねない。疑問に思った点は、自身でもとことん調べ比較研究し納得がいく結論を得る。それは当然の「権利」でもあるわけです。
投票も闘病も「権利の上に眠る」ことなく、自らがその運命を切り拓いていくものだと思いました。




 

がん治療選択〜食道癌の私が東大病院から逃げ出した理由〜
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