懐かしい佇まいの町の洋菓子屋さん。志茂スズラン通りの「ミスズ洋菓子店」さん。
いつからやっているのかということは記憶にないんですが、私の意識に入ってから久しいお店です。
洋菓子というと、カリスマパティシエのお店とか、ヨーロッパの名店の日本での出店、セレブ御用達のお店とか、大手のどこの駅前にもあるお店もあり、話題としては高級感を売りにしているお店が多いのではないでしょうか?
もちろん「おいしさ」が何よりのポイントではありますが、私にとっての「おいしさ」の要素の中に「懐かしさ」「心やすさ」があります。
私が生まれたのは昭和30年代後半。しかし記憶に残っているのは昭和40年代前半からです。食べ物についての思い出では、家庭の事情にもよるかもしれませんが、私の身の周りでケーキを食べられるのは、一年を通して数えられるくらいの頻度だった思います。たまに親戚が訪ねてくると思わぬおみやげがケーキだったということもありましたが、、。
手みやげというと、思い出されるのは、果物屋さんがまだ「水菓子屋」とも呼ばれていて、親戚のお姉さんがきれいな包装紙で包んでリボンをかけてあるひと房のバナナを持ってきたこと。それがとても嬉しかったし、今から考えるとバナナって高級品だったんだな~、、と感慨深いです。ましてやケーキといえば、、、。
買いものにいつも同行しているわが家の犬が、ケーキを買っている最中からルンルンになって尻尾を振るわ、飛び跳ねるわで、家に帰って箱を開けたらぐずぐずになってしまったけれどわが家で40年以上使っている菓子皿に乗せてみました。このお店では「プリンアラモード」なる懐かしいデザートもあります。メロンも高級品でしたね。
子供の頃のときめきをもう一度、、。そんな幸せを売ってくれるお店だと思います。