写真の人形は江戸後期の出来の今戸焼の土人形だと思います。「行水する婦人像」で同じ型の人形が本郷の東京大学構内からも出土しています。
現在の眼からすると、おおらかで罪のないほほえましい人形だと思いますが、作られた当時としてはかなりお色気の強い人形だったのではと思います。錦絵に中には「和印」と呼ばれるかなりきわどいものがありますが、そうしたものに比べれば、毒気も少ないでしょう。
このような行水をする姿の人形は他にも出土例があります。
今戸人形の発生の源となった京都の伏見人形には「笑い物」というジャンルの人形類があり、「お客大明神」とか「火吹き竹」といった陽物を形にしたものがあれば、「松茸おかめ」など暗示したもの、「子抱きのおかめ」のように直截的に陰部を露わにした人形まであります。
東京の近世遺跡から出土した人形の中にも
「子抱きのおかめ」の今戸版がありましたし、「火吹き竹」と同巧のものが見られます。
記録されている尾張屋・金澤春吉翁の懐述の中には「金松」と呼ばれる花柳界の客寄せの縁起ものの人形を作っていた、とありますが、名前からすると伏見の「お客大明神」のようなものだったのかどうか、、、?まだそれらしきものを見たことがありません。尾張屋さんの作でこの手のものは、「猫抱きおかめ」の猫と松茸を入れ替えた人形があります。
先日、金澤家を訪ねて、「金松」について伺ったのですが、それらしき人形は見たことがないというお話でしたが、つい先ごろ、江戸東京博物館に寄贈されたという人形の中には、一体「笑い物」と思しき人形があったということでした。現物を直接拝見したわけではないのですが、春吉翁の作として知られている「おかめ女郎」(これは笑い物ではありません。)とよく似た構図で、それよりもひとまわり大型で、底を裏返して見ると、それらしき彩色がしてあった、とうことです。何れ新資料として公開されるかも知れません。しかし、底の部分は公開はされないのではないでしょうか?
東京大学の構内から出土した「子抱きのおかめ」は以前、人に勧められて再現を試みたことがありましたが、出土品なので、彩色は残っておらず、問題の部分の配色はどうなっていたのだろうかと戸惑いました。
おそらく、春吉翁作の件の人形がその謎を解く鍵を握っているのではないかと思います。
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