右は「ひょうそく」とか「たんころ」とか呼ばれているもの。植物油を注ぎ入れ、中心のへそのようなところにイグサなどを灯芯として立て、火をつけて使ったといいます。透明釉あるいは黄瀬戸や飴釉のような感じの釉薬をかけ焼いたもの。
左は「灯明受け皿」と呼ばれるもの。透明釉をかけて焼いたもの。
左の土色はいかにも「江戸在地系」と呼ばれる東京の土のようですが、右は幾分白っぽい。しかし東京の土でも採取地によって土色の幅はあったようでもあり或いは、まったく他所の焼きものなのか、自信はありませんが、こういうものも今戸焼にあったというイメージは持てると思います。
ちなみに、今戸焼の製品は必ず、江戸東京の土で作られたか、というとそうでもなく、多治見などから取り寄せた土を使う作例もあるので、複雑です。ただ、日常雑器の類は地元の土のものが多いのではないでしょうか?
これらの灯火器は、障子紙を張った行灯の中で、風を防いで使ったのではないでしょうか?植物性の油の鈍い光で闇夜を照らした時代。現代の照明に慣れた私たちからは、薄暗い室内だったことでしょう。
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