今戸焼の主力製品のひとつは植木鉢でした。植える植物の種類や用途によってさまざまな形状のものがあり、素焼きのもの、燻した瓦質のもの、ろくろによる爪挽きのもの、機械ろくろにシッタ、石膏型で成形するもの、板作りで作る四角いものなどさまざまです。画像は「縁日鉢」と呼ばれるもので、焙烙を少しだけ深くしたような、ごく平べったい形です。新年向けの植物、福寿草、などを植えて縁日の露店で売られたといいます。
これは機械ろくろによる成形でしょうか?撮影の光線のため、白っぽく見えますが、実物の土色はもっと赤みを帯びています。
縁日といえば、入谷の朝顔市、浅草観音様の四万六千日のほおずき市の植木鉢も今戸焼で作られていたようですが、時代の波で、プラスチック製のものに変わってしまいました。
菊の栽培用の鉢は、黒くいぶした瓦質のもの、蘭の栽培用のものは、根の通期性をよくするため、たくさんの空気穴をあけたものが作られたそうです。
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