yamanba's blog

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アイランドシティ・こども病院の現況

2014-03-16 15:50:11 | 人工島

昨年6月の現地調査から早9ヶ月、久々こども病院の現場へ向かった。既に躯体は上がっており、工事は設備・内装に移行しているところで、11月開院に向け急ピッチに工事が進められているようだった。敷地内には、(いつの間にか)市民からの募金で建設することになった家族滞在施設(ふくおかハウス)も建つ予定だ。

 

相変わらず現場周辺はコンテナ車の往来が多く、人の姿は殆どない。しかし、これから周辺の環境は大きく変わる。福岡市が交付金(税金)をばら撒いた結果、完売した「アイランドシティ港湾関連用地(2.8ha区画)」には、東洋水産など大手企業の倉庫が建ち並ぶ。そのすぐそばには、温泉施設「ふくおかアイランドシティ楽の湯(仮称)」ができる。地上4階建の巨大施設で年間50万人の来場者を目指すらしい。そこに福岡市が速攻で決めた福岡市新青果市場拠点体育館が隣接する。更に、軟弱な地盤で液状化が懸念されるところに九州一高いタワーマンションまでお目見えする。こども病院の目の前では、大型コンテナ船が接岸できる国際コンテナターミナルを整備している。このような環境の中に、重篤なこどもを受け入れる病院ができているのだから、尋常ではない。大震災後、海からわずか数百㍍のところに、こども病院をつくっているまちなど、どこにもない。

 

今後、ありとあらゆるものが無秩序に人工島を埋め尽くす。まさに破綻を象徴するかのような「まち」が、ここに出現する。想像するだけでも憂欝になるが、これも素人市長がなせる技なのか。先週、福岡市議会に提出された人工島予算案否決請願の取り扱いはどうなるのか。心配は尽きない。

 

 

 

新こども病院現場

 

 

 

 

 

中央保育園と違い、オープンな現場

 

 

 

 

 

 海はすぐそこ 

 

 

 

 

 

異様な景観

 

 

 

 

 

 完売した港湾関連用地。ここに「アスクル」と「東洋水産」の倉庫が建つ 

 

 

 

 

 

竣工間近な、博多港最大級の賃貸型物流施設「ロジポートアイランドシティ博多」 

 

 

 

 

 

ここに青果市場ができる

  

 

 

 

 

杭打ち(青果市場現場)

 

 

 

 

 

広大な第4工区 博多湾が消えてゆく     

 

 

 

 


福岡市人工島予算案の否決請願

2014-03-15 15:09:28 | 人工島

福岡市人工島(アイランドシティ)では、昨年末、港湾関連用地「2.8ha区画」の売買契約が相次いだ。これは、福岡市が売れない土地を売る為、立地交付金を10億円から30億円に引き上げたことの効果が、ここにきて表面化したもの。分譲開始から4年、多額の税金を投入し、この区画は完売した。その額は数百億円にも及ぶ。

 

福岡市の人工島事業は破綻している。にも拘わらず、それを救済するために血税が惜しみなく使われている。この愚策に対し、市民団体「博多湾会議」は、3月5日、福岡市高島市長が福岡市議会定例会に提出した「平成26年度福岡市一般会計予算案」のうち、70億円余の人工島関連予算案の否決を求める請願を福岡市議会に提出した。11日には、福岡市議会第三委員会で口頭陳情を行い、こども病院移転疑惑(こども病院裁判)についても言及した。

 

 

(転載はじめ)

 

福岡市議会議長                             平成26年3月5日

  森 英鷹様

                                        博多湾会議

                                        共同代表 脇 義重   

       

     2014年度予算案中70億円余の人工島関連予算案の否決を求める請願

 

 【請願趣旨】

市長が市議会に提出した2014年度予算案のうち、70億円余の人工島関連予算案を否決してください。


【請願理由】

福岡市は、今なお博多湾を埋め立てて人工島を造成中です。この事業は計画段階から多くの問題点が指摘されてきました。401haの水面が消滅し、人工島が遮蔽物となって内湾の潮流を減速させました。自然環境は激変し、水鳥の種数と生息数は激減しました。また、港湾整備も過剰投資になると指摘されてきました。市民生活に与えた影響も大きく、「自然とともに暮らす街、福岡」のイメージが損なわれていきました。北九州市は三セク債を活用して埋立事業を精算することにしています

自然を破壊しながら造成されている人工島は、事業自体も破綻しています。抜本的な見直しを行うことなく続行され、二進も三進も行かない泥沼にはまり込んでおり、造成土地が売れないという致命的な現実は、福岡市政と財政を大きく歪めてきました。人工島事業は造成地分譲に補助金を支給する販売方法が導入され、それでも販売できないと見るや、病院立地には不適で医療サービス低下が瞭然としているにも拘わらず、市立こども病院を移転したり、市内3箇所に案分され地産と市民にサービスを提供している青物市場を統合移転したり、今また吉塚にある体育館の移転計画が進められるなど、福岡市施設の人工島への移転が、事業破綻の穴埋めとして、人工島の立地条件を無視し、説明責任を果たさないまま、市民を置き去りにして強行されています。

人工島は毒蜘蛛セアカゴケグモの繁殖地になっていることが明らかになりました。この人工島に市立こども病院を移転していいのでしょうか。私たちは、平和に安全に、安心して暮らしいける街福岡を求めています。破綻した人工島事業に、これ以上私たちの税金を使ってほしくありません。また、市債発行残高は2兆4325億円で、市民一人当たり165万円となっています。政令指定都市ワースト2のままです。必要と展望のない人工島のために、借金を次世代に残すことはできません。

福岡市がすべきことは、人工島事業の破綻救済に税金を使い続けることではなく、博多湾の豊かな自然とともにあって、人材が不足している福祉、医療、教育、文化に財政の重点をおく、だれもが「住んでよかった」といえる街づくりに専心することではないでしょうか。

 

 

【3月11日 口頭陳情】   

人工島事業は破たんしています。毎年100億円近い税金が使われている。もう税金投入はやめにしよう。「港とともに発展してきた街・福岡」は誇大宣伝です。実際には福岡は、福岡城下町と商人の町博多の双子の町として形成されてきました。

今日、強調したいのは、人工島事業の破綻救済のために税金が使われていることです。44億4500万円で博多港開発の造成地を買い、福岡市がこども病院を移転建築しています。そのために、地行の現在地での建て替え費用見積額を根拠なく1.5倍にしました。このことに関し、上記公金の返還を求めた裁判で、今までに中村、野元、野見山、城後の4人の福岡市職員と設計会社の角澤さん、計5人の証言が行われましたが、どうして1.5倍になったのかその経過は明らかにされませんでした。人工島への移転の露払いのために、現在地建替見積額を1.5倍にしたのではないか、という疑惑の闇は深まるばかりです。小児医療の東部偏在のために、福岡市中西部の小児医療の空洞化が進み、移転を契機として、こども病院が大事にしてきた地域二次医療機関から高度医療に特化した専門医療機関にその性格が変えられようとしています。

破綻した人工島ではなく、誰もが住んでよかったと実感できる福岡市にする政策をたてるべきです。

港湾局長に転出した野見山さんは、澄まし顔で聴いていましたが、内心はいかがだったのでしょうか。

 

(転載終わり)

  

 

 


こども病院裁判

2013-08-26 08:40:58 | 人工島

このところ問題となっている、福岡市の認可保育所「中央保育園」は、多くの保護者や保育士が反対を訴えている最中、突如、着工された。高島市長は、保護者との面談を終えた、その数時間後、「安全対策の目途がたった」と仰天会見を行った。保護者の意見や不安をものの見事に撥ね退け、着工の指示を出したのだ。市民を愚弄するにも程があるが、怒りとともに思い出されたのは、「こども病院」。

こども病院の移転問題では、市民から強行したと言われないようにするため、高島市長の”演出”があった。それが有識者委員会の設置だった。「こども病院移転計画調査委員会」と呼ばれたものだが、検証する過程を市民にオープンにし、委員会からお墨付きをもらったところで移転を決めるというもの。その筋書き通り、こども病院移転は決まってしまった。しかし、ここでとんでもない事実が明らかになった。

それは、移転問題で最大の焦点となっていた、現地建て替えの見積について。福岡市は、調査委員会で「ゼネコン3社にヒアリングをした結果、PWCアドバイザリー社の見積額の1.5倍が妥当で、現地で建て替えるより人工島に移転したほうが費用は安い」と再三説明をしていた。ところが、福岡地裁で行われた「こども病院住民訴訟」(2011.10.31)で、福岡市はゼネコンにヒヤリングをしていなかったことがわかった。裁判所による嘱託調査で、ゼネコン3社のうち、大成建設と清水建設は、「福岡市からのヒアリングはなかった」と答え、竹中工務店は、「問い合わせを受けたが具体的な数値のコメントはしていない」と答えていた。司法の場において、福岡市の”嘘”が明らかになったのだ。

しかし、福岡市は未だに”嘘”を認めていない。それどころか裁判に備え、新たな業者に見積をさせ、その妥当性を主張しているのだから、どうにも始末に負えない。この往生際の悪さが、次の問題を生んだ。それが今回の「中央保育園」問題ではないか。どちらもこどもの命に関わる問題だけに、これらを見過ごすことは出来ない。中央保育園の移転については、福岡市議会議員の過半数が移転に賛成しているが、17名もの議員が反対、或いは再検証を考えているようで、今後に望みを託したい。一方の「こども病院裁判」は、10月と12月に行われる。こちらも目が離せない。

  


 

 (転載はじめ)

 

福岡市立こども病院の人工島移転撤回を求める市民会議・訴訟原告団

 

                                               事務局  脇 義重

 

「こども病院ビデオを観る会」のお知らせ


 「こども病院裁判」は10月と12月には証人調べが予定されているなど、重要な局面を迎えています。福岡市はゼネコンから聞いて、現在地建替費を増額したと市議会に報告してきました。しかし、ヒアリングする前の7月27日の会議には、1.5倍の積算額が記載された内部資料が配布されていたことが明らかにされました。欺瞞でないでしょうか。

 

こうした行政で、こども病院の人工島への移転が決定された事実を、証人調で明らかにしていくのが、10月2日(水)1時30分開始、12月2日(月)1時開始の裁判です。また、8月26日と9月19日に進行協議が開かれます。

 

その前に、「こども病院ビデオを観る会」を開きます。ドキュメントを観て、経過を確かめ合って、裁判に臨みませんか。

  

と き 2013年9月7日(土)午後1時30分~3時30分 

ところ あすみん「セミナルーム」 青年センター5階


あすみんアクセス

 

 (転載終わり)


 

※参加は自由です。

 

 


福岡市人工島の現況

2013-06-04 08:04:11 | 人工島
福岡市が強行した「新こども病院」の着工から早半年。このところの人工島での不穏な動きが気になり、先日ふたたび現地を訪ねてみた。人工島へと繋がる道は、以前にも増してコンテナ車や大型トラックが行き交っていた。それもそのはず、人工島コンテナターミナルは既に満タン状態で、現在、その拡張工事が行われている最中。それで福岡市は、ここに最先端の国際物流拠点と快適な居住空間を同居させるというから、恐れ入る。おまけに、コンテナターミナルと目と鼻の先の場所、海岸からわずか100mばかりのところに、重篤なこどもを受け入れる病院施設をつくっているのだから、尋常ではない。


尋常ではない証が、今年4月に発覚したヒ素問題。昨年、こども病院の建設地から国の基準を超えるヒ素が検出されていた、にも拘わらず、それを福岡市が隠蔽。処理費用5000万円をかけ、こっそり搬出していたというもの。市議会にも市民にも知らせずにおきながら、悪いことをしたという自覚もないのか、当の高島市長。検出されたヒ素について「これは土壌として食べても人体に影響がないレベルのもの」だと言う始末。何事にも本質が理解できない方のようで、返す言葉も見つからない。その上、金銭感覚は桁違い。福岡市が破綻する前に、司会業にお戻り頂きたいところだが、残念ながらその気配もない。


ところで、そのこども病院建築現場。現在は基礎工事中で、以前より業者の出入りも多い。中に入って現場の状況を見ることができないので、具体的なところはわからないが、工程は遅れているように見受けられる。おそらく地盤補強工事に時間がかかったのではないだろうか。先月も、すぐ近くの青果市場建設予定地から厚い砂の層が見つかったばかり。浚渫土でできた人工島ならば当然の結果だろうが。
現地では、まだ目立った動きはなかったが、市は近々地盤の改良工事を行うという。しかしながら、2005年「福岡県西方沖を震源とする地震」では、その地盤改良された人工島で液状化が多数発生した。だが、福岡市はこれを認めていない。


見渡す限りの砂地地帯。軟弱な地盤で液状化が懸念される場所に、わざわざ市の重要な施設を一同に集める。このような愚行は、大震災後、福岡市をおいて他にはない。市の財政は破綻寸前でありながら、莫大な税金をかけて市民を危険に晒す。これ程、愚かなことがあるだろうか。







道路を挟んで、左にコンテナターミナル、右にこども病院現場







西側から見る 







現場内の様子







売れない土地







岸壁に立つ  左にこども病院、正面に立花山







砂地が広がるアイランドシティ  看板は"未来に広がるアイランドシティ"!


 


《参考》
人工島土壌汚染 言い訳で見えた福岡市長の正体

平成25年度 港湾局運営方針 福岡市

新こども病院・建築現場の現況

2013-01-24 16:42:03 | 人工島
福岡市が強行した人工島(アイランドシティ)への『新こども病院』建設。着工から1ヵ月少々経ったところで、建築現場を視察した。と言っても、敷地内に入ることが出来ないので、メインゲートからの視察だったが、現況は杭工事。その為、人の出入りも少ない。というより、アイランドシティ自体、人が少ない。代わりに多いのは、コンテナを積んだトラックだ。こども病院のすぐ前には、国内外のコンテナターミナルがある。トラックの往来が多いのは当然なのだが、そこに重篤なこどもの為の病院をつくるというのだから、普通の感覚ではない。(参照1・2)

そう、普通でないのが福岡市。某大に広がる売れない土地を少しでも穴埋めする為、こども病院を人工島へ移転させた。理屈は色々並べているが、理由はこれに尽きる。その証拠に、敷地は35,000㎡ありながら建築面積は8700㎡と、大風呂敷状態。市は最大70床の増床を県に申請していたが、県医療審議会は市の患者数試算根拠が不明確だとして、43床しか認めていない。故に、バカでかい駐車場ができるわけだが、それについても駐車場が沢山あって便利だと言う始末。”嘘も方便”とはこのこと。呆れるばかりの福岡市だが、その張本人である高島市長に辞任説が広がっている。

コンテナターミナルにセアカコケグモの繁殖地、防波堤はなく海からの距離は500m程度。満潮時は海面からわずか1.3m。いくら基礎免震構造をしたところで液状化は免れない。まさに最悪な環境が揃う『新こども病院』。これを決断した高島市長の責任は重大であることは言うまでもないが、もし辞任の噂が本当ならば、この責任を途中で放棄したことになる。福岡市でこどもの命を軽視した”愚かな市長”として、孫の代まで語り継がれるのは間違いないだろう。


《参照》
・(参照1)博多湾港湾計画図
・(参照2)アイランドシティ進捗状況(平成22年のものだが今も殆ど変わらない)
・福岡市立病院機構ホームページ、新病院紹介

《関連記事》
災害など市民の不安を無視し開き直った高島市長 中山市議が追及
人工島の防災面に不安があることは、専門家からも指摘されている。何より、東日本大震災で被害に遭われた宮城県こども病院林院長が、その危険性を指摘されている。

※1.26追記
高島市長辞任報道を否定⇒誰が辞めるものか!高島福岡市長、大憤激!~市政にヤル気万満々





アイランドシティへ向かうコンテナを積んだトラックの列(写真奥にアイランドシティタワー)




クレーンが並ぶ現場




現場北側に、広大な空き地(土地分譲中)




現場西側に、コンテナターミナル(工事中)




突如現れるマンション、行くあてのない橋が見下ろせる




海はすぐそこ、対岸は雁の巣




正面に立花山