「小川内の杉」の移植が完了してもうすぐ3ヶ月。その様子が気になり、昨日、五ヶ山へ向かった。佐賀大橋を渡ったところで、水しぶきを浴びた「小川内の杉」が目に飛び込んできた。現場に着くとちょうど散水が終わったところで、あたりはひんやりとしていた。近くで見てみると、一部が黄色くなっているものの、青々とした葉がすくすく伸びていた。5月に見た時より成長していたので、まずはひと安心。これも日々、樹医さんの並々ならぬ努力があってこそだろう。
一方、五ヶ山ダム。堤体はほぼ完成しており、すでにコンクリートプラントやゴンドラなどが撤去されていた。さらに付替林道(倉谷線)の整備も進み、併用までそう時間はかからないような状況だった。これで2018年春の運用開始に向けて、いよいよ試験湛水が始まることになる。思えば今から6~7年前、五ヶ山の山肌が次々と削られている姿を目の当たりにし、愕然とした。それはまるで土砂崩れの惨状を見ているようだった。その時の居た堪れない思いを胸に、ここ数年、五ヶ山に通い続けた。「小川内の杉」の移植は無事成功し、ダムに沈むことだけは免れた。しかし、もうすぐ五ヶ山のほとんどがダムの底に沈む。このことをどれほどの福岡市民が知っているのだろう。
昭和53年の福岡市大渇水を理由に、数十年に一度起きるかどうかもわからないような渇水対策として進められた五ヶ山ダム事業。事業開始から40年という長い歳月をかけて、再来年の春から運用が始まる。もはや水不足は理由にならないが。
撮影日:7月24日
散水中
すくすくと
定点観察
移植用レールなど撤去されてすっきり
県道136号線(脊振方面へ)開通間近
もしもに備えて植えられた「小川内の杉」のこどもたち(写真中央) こちらもすくすく育っている
山を削ったところで土砂崩れ発生(写真中央に小川内の杉)
(写真は撮れなかったが、以前「小川内の杉」があったところでは、道が土砂で埋まって消えていた)
コンクリートプラント撤去
ここがすべてダム湖に ※下の概要図参照(撮影場所記入)
完成したダムサイト(写真中央) 代替林道に架かる2つの橋も完成(写真右)
《関連資料》