♪CD「悲しくなったときは~福井敬、日本を歌う」
名実ともに日本のテナーのトップ、福井敬氏の3枚目のCD。今回は古今の日本歌曲の名曲を、まさに心を込めて朗々と歌い上げている。
銀座のヤマハに寄ったら、声楽コーナーで“ピックアップ”されていて「おっ、福井さんだ」と手に取ってみると、よく知られた日本歌曲の特集だ。「落葉松」「荒城の月」「まちぼうけ」「かやの木山の」など馴染みの曲があるし、我が男声合唱団で前回の定演で演奏した曲も入っている。
その場では買わなかったものの、やっぱり欲しくて数日後に山野楽器で購入。福井さんと言えば、オペラやカンツォーネの印象が強いが、こういう日本歌曲をどう歌うんだろうという興味があって…。というか、それもあるんだけど、実はこのCDの最後の方の2曲がどうしても聴きたくて買ったのです。それは「死んだ男の残したものは」と「見上げてごらん夜の星を」、いずれも他の曲と比べれば新しい最近の(?)曲だ。この曲を福井さんはどう歌う?
いや、このCDは買って良かった。福井さんの日本歌曲、いいわぁ~!日本の歌のメロディーと歌詞の美しさ、日本語の素晴らしさを余すところなく伝えている。「日本語の歌ってこうじゃないと、こう歌わないと」と改めて気付かされ、納得させられる。
そして「死んだ男の~」と「見上げてごらん~」、いやぁ~泣けます。なんて良いんでしょう。特に「見上げて~」は我が合唱団のオハコでもあるけれど、福井さんのソロはいいですよ。
我々は、歌い人として、これからもきっちりと日本の歌と日本語を大切にして歌っていかなければならないと思います。ぜひ聴いてみてください!
追伸)
福井さんとは、以前新宿区の第九で、そして一昨年のH音のサマーコンサートでご一緒した。ご一緒といっても、向こうが僕を認知するほどのお付き合いは全くない。でもこんな日本のトップアーティストと共演できるなんて、幸せ。
H音の秘めたる実力を垣間見る瞬間であります。(?)