毎日新聞 2011年4月30日 地方版
◇千歳アイヌ文化保存会前会長
千歳アイヌ文化伝承保存会の前会長の中本ムツ子さんが28日、亡くなった。50歳を過ぎてからアイヌ文化に目覚め、道内外でアイヌ文化の伝承や啓発にあたってきた。突然の悲報に関係者からは惜しむ声が上がった。
中本さんは千歳市出身。幼いころに差別を受け、長い間アイヌ文化とは距離を置いて生活してきた。結婚後は札幌市で暮らしていたが、50歳を過ぎてから故郷へ戻り、アイヌの人々と交流を深める中で、アイヌ文化に誇りを持つようになったという。
1989年に地元に同保存会を設立。「言霊」の力を信じ、特に言葉の伝承に力を注いだ。アイヌ語学習用の絵本を出版し、アイヌ民族の口承文学を記録した知里幸恵著「アイヌ神謡集」のCDの制作にも携わった。
今月上旬までは精力的に活動を続け、アイヌ語教室も開いていたが、風邪をこじらせて札幌市内の病院に入院した。ひつぎの中の中本さんはアイヌの衣装を身にまとい、穏やかな表情だったという。
道アイヌ協会千歳支部の中村吉雄支部長は「頼まれれば絶対に嫌な顔ひとつしないで、文化伝承に走り回っていた。会員の面倒見も良く、見習うことが多かった」と惜しんだ。【円谷美晶】
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20110430ddlk01040170000c.html
◇千歳アイヌ文化保存会前会長
千歳アイヌ文化伝承保存会の前会長の中本ムツ子さんが28日、亡くなった。50歳を過ぎてからアイヌ文化に目覚め、道内外でアイヌ文化の伝承や啓発にあたってきた。突然の悲報に関係者からは惜しむ声が上がった。
中本さんは千歳市出身。幼いころに差別を受け、長い間アイヌ文化とは距離を置いて生活してきた。結婚後は札幌市で暮らしていたが、50歳を過ぎてから故郷へ戻り、アイヌの人々と交流を深める中で、アイヌ文化に誇りを持つようになったという。
1989年に地元に同保存会を設立。「言霊」の力を信じ、特に言葉の伝承に力を注いだ。アイヌ語学習用の絵本を出版し、アイヌ民族の口承文学を記録した知里幸恵著「アイヌ神謡集」のCDの制作にも携わった。
今月上旬までは精力的に活動を続け、アイヌ語教室も開いていたが、風邪をこじらせて札幌市内の病院に入院した。ひつぎの中の中本さんはアイヌの衣装を身にまとい、穏やかな表情だったという。
道アイヌ協会千歳支部の中村吉雄支部長は「頼まれれば絶対に嫌な顔ひとつしないで、文化伝承に走り回っていた。会員の面倒見も良く、見習うことが多かった」と惜しんだ。【円谷美晶】
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20110430ddlk01040170000c.html