(北海道新聞 05/27 15:00)
【登別】教科書出版の教育出版(東京)が、来年度から使われる中学1年の国語の教科書に、登別出身で「アイヌ神謡集」の著者知里幸恵(1903~22年)の伝記を、11年ぶりに復活させる。地元からは「幸恵の生涯を全国に発信できる」と喜びの声が上がっている。
掲載するのは、幸恵の伝記を執筆した作家の藤本英夫さん(故人)が、教科書用に書き下ろした「銀のしずく降る降る」。同社によると、1981年度版~92年度版、97年度版~2001年度版に掲載されたが、02年度版以降はゆとり教育による教科書のページ数削減などのため、掲載されていなかった。
08年の学習指導要領改定で、国語では伝統的な言語文化の重視が掲げられ、同社は「アイヌ民族の文化を言葉を通して後世に伝えた幸恵の功績を、全国の生徒に知ってもらう意義は大きい」と再掲載を決めた。また、5年ほど前から道内の教師から「幸恵を取り上げてほしい」との声が寄せられていたという。
内容は前回掲載時と変わらず、B5判で10ページ。尋常小学校時代、成績優秀で低学年の勉強の相談相手になっていたことや、言語学者金田一京助との出会いと交流などを分かりやすく紹介している。
歴史の副読本などで取り上げられることは従来もあったが、国語で幸恵の生涯を詳しく解説しているのは同社の教科書だけのため、「知里幸恵 銀のしずく記念館」(登別本町)の横山むつみ館長は「若い世代の人たちに幸恵さんのことが浸透していくきっかけになる。再掲載は大変うれしい」と話している。(井上雄一)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki/295318.html
【登別】教科書出版の教育出版(東京)が、来年度から使われる中学1年の国語の教科書に、登別出身で「アイヌ神謡集」の著者知里幸恵(1903~22年)の伝記を、11年ぶりに復活させる。地元からは「幸恵の生涯を全国に発信できる」と喜びの声が上がっている。
掲載するのは、幸恵の伝記を執筆した作家の藤本英夫さん(故人)が、教科書用に書き下ろした「銀のしずく降る降る」。同社によると、1981年度版~92年度版、97年度版~2001年度版に掲載されたが、02年度版以降はゆとり教育による教科書のページ数削減などのため、掲載されていなかった。
08年の学習指導要領改定で、国語では伝統的な言語文化の重視が掲げられ、同社は「アイヌ民族の文化を言葉を通して後世に伝えた幸恵の功績を、全国の生徒に知ってもらう意義は大きい」と再掲載を決めた。また、5年ほど前から道内の教師から「幸恵を取り上げてほしい」との声が寄せられていたという。
内容は前回掲載時と変わらず、B5判で10ページ。尋常小学校時代、成績優秀で低学年の勉強の相談相手になっていたことや、言語学者金田一京助との出会いと交流などを分かりやすく紹介している。
歴史の副読本などで取り上げられることは従来もあったが、国語で幸恵の生涯を詳しく解説しているのは同社の教科書だけのため、「知里幸恵 銀のしずく記念館」(登別本町)の横山むつみ館長は「若い世代の人たちに幸恵さんのことが浸透していくきっかけになる。再掲載は大変うれしい」と話している。(井上雄一)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki/295318.html