(日本経済新聞 2010/5/21 13:35)
【ナイロビ=共同】ナイロビで開催中の生物多様性条約の会合で、参加各国は、新たな2020年までの生物多様性保全の国際目標案について議論した。だが、21日までの議論では数値目標などで意見がまとまらず、結論が見通せないまま、今後の協議に委ねられる形となった。
各国は「10年までに多様性の損失速度を顕著に減少させる」との現行目標の達成に失敗。10月の名古屋市での同条約第10回締約国会議(COP10)で新目標を採択して対策強化を図るが、今後の協議も難航が予想される。
会合は条約事務局が既に示した20項目の新目標の素案を基に議論。「陸、淡水、海洋の区域の少なくとも15%が保護される」との事務局案には、数値を強化する意見もあるが、陸域は10%、海域は6%や10%と、事務局案を弱める意見も出た。
「魚の乱獲がなくなり破壊的漁業が根絶される」との事務局案は、達成の評価や実現が困難だとの主張があり「乱獲されているすべての漁業資源が持続可能な形で捕られる」などとの修正案を検討。「森林とその他の自然の生息域の損失と劣化が半減される」との案には、基準の年や森林の定義を明確にすべきだとの指摘が出て未決着だ。
一方で「判明している絶滅危惧種が絶滅するのを防ぐ」との案は多くの国が支持。外来種対策やサンゴの保全強化に関する目標設定には大きな反対はないが、文言の調整が続けられるという。
事務局案は全体の目的の中で「20年までに多様性への圧力を減らす」としたが、「20年までに多様性の損失を食い止める」と、より野心的な内容を求める意見が出た。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819695E0E3E2E2938DE0E3E2E7E0E2E3E29180E2E2E2E2;at=ALL
【ナイロビ=共同】ナイロビで開催中の生物多様性条約の会合で、参加各国は、新たな2020年までの生物多様性保全の国際目標案について議論した。だが、21日までの議論では数値目標などで意見がまとまらず、結論が見通せないまま、今後の協議に委ねられる形となった。
各国は「10年までに多様性の損失速度を顕著に減少させる」との現行目標の達成に失敗。10月の名古屋市での同条約第10回締約国会議(COP10)で新目標を採択して対策強化を図るが、今後の協議も難航が予想される。
会合は条約事務局が既に示した20項目の新目標の素案を基に議論。「陸、淡水、海洋の区域の少なくとも15%が保護される」との事務局案には、数値を強化する意見もあるが、陸域は10%、海域は6%や10%と、事務局案を弱める意見も出た。
「魚の乱獲がなくなり破壊的漁業が根絶される」との事務局案は、達成の評価や実現が困難だとの主張があり「乱獲されているすべての漁業資源が持続可能な形で捕られる」などとの修正案を検討。「森林とその他の自然の生息域の損失と劣化が半減される」との案には、基準の年や森林の定義を明確にすべきだとの指摘が出て未決着だ。
一方で「判明している絶滅危惧種が絶滅するのを防ぐ」との案は多くの国が支持。外来種対策やサンゴの保全強化に関する目標設定には大きな反対はないが、文言の調整が続けられるという。
事務局案は全体の目的の中で「20年までに多様性への圧力を減らす」としたが、「20年までに多様性の損失を食い止める」と、より野心的な内容を求める意見が出た。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819695E0E3E2E2938DE0E3E2E7E0E2E3E29180E2E2E2E2;at=ALL