火星への道

有人火星探査の実現を夢見て!火星ミッションの情報を提供しています。

2火星年の気候変化

2016-05-14 11:44:14 | MSL

Curiosityが火星に着陸してから2火星年が経過しました。
そして、5月11日(Sol1337)から新たに3火星年目に入りましたね。
火星に着陸してから地球時間で1375日となります。(3年5ケ月6日)
5月11日のWhat'sNewに、その間の気温・気圧・大気中の湿度、メタンの測定結果が発表されています。
最初の動画を見ると、如何に火星と地球が似ているかが分かりますね。
1年の長さは違いますが、同じように四季があります。
気温や気圧も数値は、異なってますが、同じような四季の変動を確認できました。 
Curiosityの調査によって、過去には、Galeクレーター内が生命の存在を可能にする水の豊富な環境であったことが分かっています。
現在では、すっかり乾燥した環境となってはいますが、それでも大きな季節変動で、火星は生きていると感じます。 

2火星年同じ場所のデーターが得られたことは、大きな成果ですね。
*バイキング1号には、まだ及びませんが・・・バイキングは、Sol2436(3.6火星年)の実績があります。(すごい!)
下図
が数十億年前の気候を推理するための貴重なデーターです。 

最初のグラフは、気温変化です。
気温は、ロサンゼルスと比較したグラフとなっています。
火星では、気温がかなり低くて、1日の気温変化幅も大きいことが分かります。 
「気温差」ロサンゼルス・・・約10数℃、 Galeクレーター・・・約80℃

真ん中のグラフは、大気中の湿度と相対湿度です。
湿度は、地球の1000分の1から1万分の1程度とかなり低いですね。
相対湿度は、最高70%の時がありました。
これは、地面に霜が降りる可能性のある値でしたが、Curiosityは霜を観測してません。
他の探査ローバーは霜を観測していますが・・・ 

季節による大気圧変化は、極冠でのCO2の凍結⇔昇華による影響で引き起こされています。
今までの探査でも確認されていました。

その他、季節変動として、大気が冬はきれいで、春と夏はホコリっぽく、秋は風が強いということです。
また、視界が夏は30kmと低く、冬は130kmと高いということです。

それにしても、風向・風速のデーターがないのは、少し寂しい・・・ 

下図は、メタンの測定結果です。
メタンは、生きている生命の確認に重要な因子です。
Curiosityは最初の秋にメタンの高濃度の存在を確認しましたが、2火星年目には観測されませんでした。
今後もメタンの測定を継続して、バックグラウンドのメタンの季節変動を監視していきます。


 

以上のことから、長期の測定も大切ですが、いくつかのタイプの観測を組み合わせることの大切さを確認したとのことです。

今後も、現在のGaleクレーター内の環境調査を継続しながら、Curiosityは、環境条件の古代からの変化を調査するためにSharp山麓の地質的調査を継続するとのことです。

*もっと登って欲しいですね~、高いところからのGaleクレーターの風景を見たいものです。

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Sol1320 10回目のドリル

2016-05-04 01:14:04 | MSL

Curiosityのサイトでは、アップされていませんが、惑星協会のEmillyさんの4月25日のブログで10回目のドリルをしたことが報告されています。

それによりますと、Sol1320(4月23日)にLubangoで10回目のドリルをしてサンプル採取したとのことです。
Lubangoは、the Naukluft Plateauの西の端でthe Stimson sandstone unitの亀裂の周囲の明るい色調の球状の場所です。

ドリル作業は、以下の通りに超速で行われたとEmillyさんも驚いてます。
Sol1316 サンプル採取を決定、ローバーを移動させ、準備開始
Sol1317 目的のサンプル箇所へ最接近
Sol1318 サンプル箇所をブラッシング
Sol1318-1319 MAHLIで撮影、APXSで分析
Sol1319 サンプル箇所がドリル可能かを確認
     通常行うミニドリルを省略して
Sol1320 フルドリル実施

目的のサンプル箇所は、いままでに経験したことのあるサンプル箇所と相似していたので、自信を持ってミニドリルを省略したとのことです。

 

下図が今までドリルした10カ所です。

引き続き、11回目のドリルが実施されるそうです。
忙しいぞ!
中々山登りが進みませんね。
でも、大切なことなのでしっかりやってもらいましょう!

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何とか当面の最終目標へ行けそうです。

2016-04-28 22:44:44 | MSL

4月27日のWhat'sNewにCuriosityの近況が紹介されています。
2012年8月6日にGaleクレーターに着陸後、8月22日に初めて6mほど走行しましたね。
8月23日の当ブログ「足慣らし」でも伝えています。
それから、約44ケ月!その中でも最も険しくて、通過が困難な範囲を横断し終わりました。
*やった~
ローバーの車輪は、一時損傷が進んだため、いつまで保つか?懸念されていました。
でも、下図の通り当面の最終目標地まで大丈夫な見込みとなりました。
これは、チーム一丸となって、走行の仕方を工夫したり、なるべく良いルートを走行することを心がけた結果です。

車輪は、直径50cm×幅40cmで基盤部分の厚さは、10セント硬貨の約半分ということです。
良くこういう言い方をしますが、身近に持っている人ならすぐにイメージが浮かぶので良いのでしょう。
数字ですと、10セント硬貨の厚みは1.35mmですので、 0.675mmということです。
表面のギザギザは、 grousersと言うそうです。厚みは、0.75mmです。
車輪は、基盤部分がかなり痛んでも大丈夫とのことです。
Curiosityを出来るだけ長く活動させるため地球上で車輪の耐用性について調査しています。
その結果、1つの車輪でgrousersが3カ所壊れた場合、その車輪の耐用走行距離の約60%に達していることを示すとのことです。
現時点で12.7km走行してきた実績から、今後の調査でも支障は出ないと判断してますね。

下図は、Sol1283(2016年3月16日) にNaukluft PlateauからCuriosityが縁の方を見たパノラマ画像です。

A地点、B地点、C地点は、Galeクレーターの縁のピークです。
A地点:ローバーから29.1km離れた位置です。
B地点:ローバーから28.4km離れた位置です。
C地点:ローバーから45.5km 離れた位置です。

下図をクリックするとNaukluft PlateauからSharp山の方を見たパノラマ画像が見れます。

まだまだ先が長いけど、頑張って!

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マジ!火星ウォーカー

2016-04-02 00:14:50 | MSL

2015年1月22日の当ブログ「現場で話し合おうじゃないか!」で紹介したNASAとMicrosoftが開発したOnSightの新しい情報です。
3月30日のWhat'sNewによりますと、Curiosityの探査チームですでに以下のように活用されています。
・ローバーの運転チームは、ローバーの操作をする時に利用しています。
・科学チームは、調査対象を見つけるためや対象に近づく方法などのために利用しています。

今年の夏、"Destination: Mars"展示会がNASAの Kennedy Space Center Visitor Complex で開催されます。
参加者は、OnSightを使用した対話方式の火星バーチャルツアーによる火星ウォーカー体験ができるということです。
Curiosityのミッション担当者と同じ体験が出来ます。
また、あのムーンウォーカーのBuzz Aldrinさんも一緒に参加します。
*これは、一考の価値ありですね!

JPLは、この技術から国際宇宙ステーション(ISS)の宇宙飛行士や宇宙船の設計・組み立てを担当するエンジニアを支援する複合現実アプリケーションを開発しています。
先日、1年間のISS滞在から帰還した宇宙飛行士Scott Kellyさんは、2016年2月にミッションコントロールとISSとで最初のSkype通話をした時に、これらのアプリケーションを使用しました。 

火星に降り立ったBuzz Aldrinさん

下図は、CuriosityのドライバーのErisa Hinesさんです。 

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砂丘の調査結果も楽しみだが、山登りも早く~

2016-02-10 22:44:05 | MSL

2月5日のEmillyさんのブログは、HiRISEがCuriosityのいる場所を撮影した画像及び画像処理について詳しく紹介しています。
私には、技術的な話が十分理解できませんが、出来上がった画像は、大変興味深いです。
HiRISEの技術スタッフは、MROは「 Mars Reconnaissance Orbiter」ではなく"Mars Rover Observer" の略だと冗談を言ってるそうです。
それだけ詳細にCuriosityを追っかけてくれているわけですね。
Emillyさんは、この記事がみんなに役だつと良いと言ってます。

と言うわけで、私も気に入った画像を下記にメモしておきます。 

下図は、Sol1094(2015年9月4日)のCuriosityがBagnold砂丘に行くためにStimson Unitの尾根を横切って南に移動しているところです。

NASA / JPL / UA / Emily Lakdawalla

下図は、Sol1094の拡大画像です。

NASA / JPL / UA / Emily Lakdawalla

下図は、Curiosityの活動場所のHiRISEによるカラー画像です。
淡黄色の線が今まで移動してきたルートで、オレンジ色は、これから移動するだろうルートです。
どんどん山登りをして、更なる調査をしてくれることを期待しましょう! 

NASA / JPL / MSSS / UA / Emily Lakdawalla

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Sol1228:砂のサンプリング

2016-01-23 22:28:14 | MSL

1月21日のWhat'sNew"Namib Dune"から砂のサンプルを採取したことが報告されています。
初めに掬った日は、1月14日です。記念すべき初めの掬った痕は、Curiosityの車輪で擦って消されたようです。
上図には、2番目(1月19日)と3番目に掬った痕が2箇所見えています。周りの轍は、車輪で擦った痕です。
掬ったサンプルは、ふるいに掛けて150μmから1mmの間の大きさのものを集めました。

下図は、採取したサンプルを処理するCHIMRA(the Collection and Handling for In-Situ Martian Rock Analysis) です。 

下図は、CHIMRAの在る位置と内部構造です。

*分析結果が楽しみですね。

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砂丘の砂の分析開始です。

2016-01-15 11:48:15 | MSL

Emillyさんのブログで1月8日にCuriosityの活動(Sol1166~1217(1月8日)のまとめ)が更新されていました。
ちょうど良いタイミングなので、Emillyさんのブログ情報とCuriosityの情報を併せて、最新情報とします。

いよいよ火星のバルハン(移動する三日月型の砂丘)の調査の準備が整いましたね。
MissionUpdateによりますと、本日(1月15日)には、すでにサンプリングが実施されてSAMでの分析が始まっていると思われます。

下図が、Curiosityの移動状況です。
NASA / JPL / UA / Phil Stooke

下図は、sol1214(1月5日)での位置です。

NASA / JPL / UA / Phil Stooke

Curiosityは、上記の位置でサンプリングを予定していましたが、変更されました。
もと来た道を少し戻って、下図のsol1221(1月12日)での位置あたりでサンプリングしたようです。

This map is periodically updated by the mission team as Curiosity drives on its way to the base of Mount Sharp

Emillyさんのブログからの写真をいくつか紹介します。
 

NASA / JPL / MSSS / Emily Lakdawalla

Emillyさんのブログには、他の画像もあり、より詳しく書かれてますのでぜひご覧ください。

*砂の分析結果が楽しみですね~

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砂丘は、生きている!

2016-01-06 11:56:12 | MSL

1月4日のWhat'sNewは、Sol1196(12月18日 JST)に"Namib Dune"に到着した時の写真を紹介してます。
上図は、Sharp山の北西側面の"Bagnold Dunes" の中にある"Namib Dune"のパノラマ画像です。
MastCamにてSol1197(12月19日 JST)に撮影されました。
砂丘底部の一番近いところまで7mの距離です。
こちらを向いている面が風下だそうで、高さ約5m、傾斜が約28°です。

確認したところ、Curiosityは、sol1215(2016年1月6日)時点でも"Namib Dune"で仕事をしていますね。 

下図は、Sol1196にNavCamにて撮影されました。

下図は、MastCamにてSol1200に撮影されたものです。

"Namib Dune"での調査の目的は、地球より重力が少なく、大気が薄い火星環境で、砂丘が風によってどのように動くのかと砂の粒子の調査を行うことです。

下図は、Sol1196でのCuriosityの位置です。 

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シリカがなぜ多量に存在するのか?_②

2015-12-30 00:44:48 | MSL

12月17日のWhat'sNewでMarias Pass、Bridger BasinからBagnold Duneに至る場所でシリカが豊富に存在することの謎の続報です。
下図は、'Big Sky'と'Greenhorn'の場所を示しています。
http://mars.jpl.nasa.gov/msl/multimedia/images/?ImageID=7602&NewsInfo=59C884BFF2B8E0EFC1D80AB94F94BA55AC4A8F96030078D8CA4950FCACDEDC97C48CD4D9F6DEC65FC64091E7D7F98B0ECFC6C80AD8461DE1DB08CBC40A7BCC2F07CFFB48D902CDD3D00D0FC0D1D021C2A9CBA9FAC5EDD1C9D0CA87DF0E1B4F10C344C88B475F2868D52696D0CF43FCD561AE45005D9258AA

丸の色でシリカの含有量を表示しています。

下図は、'Buckskin'のドリル穴の画像とCheMinによる分析結果を示します。
http://mars.jpl.nasa.gov/msl/multimedia/images/?ImageID=7604&NewsInfo=59C884BFF2B8E0EFC1D80AB94F94BA55AC4A8F96030078D8CA4950FCACDEDC97C48CD4D9F6DEC65FC64091E7D7F98B0ECFC6C80AD8461DE1DB08CBC40A7BCC2F07CFFB48D902CDD3D00D0FC0D1D021C2A9CBA9FAC5EDD1C9D0CA87DF0E1B4F10C344C88B475F2868D52696D0CF43FCD561AE45005D9258AA

「T」は、tridymite(鱗珪石:SiO2)です。火星で確認されたのは、初めてのことです。 
Wikipediaによりますと「火山岩の空隙中に産する。」との事です。 

7月30日(Sol1160か?)にMAHLI(Mars Hand Lens Imager)で撮影されました。

下図は、"Big Sky" と "Greenhorn"のドリル穴の画像とCheMinによる分析結果を示しています。
http://mars.jpl.nasa.gov/msl/multimedia/images/?ImageID=7605&NewsInfo=59C884BFF2B8E0EFC1D80AB94F94BA55AC4A8F96030078D8CA4950FCACDEDC97C48CD4D9F6DEC65FC64091E7D7F98B0ECFC6C80AD8461DE1DB08CBC40A7BCC2F07CFFB48D902CDD3D00D0FC0D1D021C2A9CBA9FAC5EDD1C9D0CA87DF0E1B4F10C344C88B475F2868D52696D0CF43FCD561AE45005D9258AA

非結晶オパールの形でシリカ((鱗珪石:SiO2)が豊富に存在することが確認されました。 
赤い山形の線に示されるとおり、"Big Sky" に比べて "Greenhorn" の幅広いこぶの背景がオパールの存在を示しています。

下図は、'Buckskin' と 'Greenhorn'に非結晶オパールが豊富にあることが確認された事を示しています。 
http://mars.jpl.nasa.gov/msl/multimedia/images/?ImageID=7607&NewsInfo=59C884BFF2B8E0EFC1D80AB94F94BA55AC4A8F96030078D8CA4950FCACDEDC97C48CD4D9F6DEC65FC64091E7D7F98B0ECFC6C80AD8461DE1DB08CBC40A7BCC2F07CFFB48D902CDD3D00D0FC0D1D021C2A9CBA9FAC5EDD1C9D0CA87DF0E1B4F10C344C88B475F2868D52696D0CF43FCD561AE45005D9258AA

下図は、Galeクレーター内でAPXSによって測定された岩のチタンとケイ素の含有量の相関を示しています。
http://mars.jpl.nasa.gov/msl/multimedia/images/?ImageID=7608&NewsInfo=59C884BFF2B8E0EFC1D80AB94F94BA55AC4A8F96030078D8CA4950FCACDEDC97C48CD4D9F6DEC65FC64091E7D7F98B0ECFC6C80AD8461DE1DB08CBC40A7BCC2F07CFFB48D902CDD3D00D0FC0D1D021C2A9CBA9FAC5EDD1C9D0CA87DF0E1B4F10C344C88B475F2868D52696D0CF43FCD561AE45005D9258AA

この相関関係は、チタン及びケイ素の両方が、酸性風化の残渣として残ることを示唆しています。
灰色の丸は、3火星ローバーがそれぞれの場所で、APXSで分析した結果です。 

下図は、"Big Sky" と "Greenhorn"のAPXSによる分析結果(含有元素)の比較です。
http://mars.jpl.nasa.gov/msl/multimedia/images/?ImageID=7609&NewsInfo=59C884BFF2B8E0EFC1D80AB94F94BA55AC4A8F96030078D8CA4950FCACDEDC97C48CD4D9F6DEC65FC64091E7D7F98B0ECFC6C80AD8461DE1DB08CBC40A7BCC2F07CFFB48D902CDD3D00D0FC0D1D021C2A9CBA9FAC5EDD1C9D0CA87DF0E1B4F10C344C88B475F2868D52696D0CF43FCD561AE45005D9258AA

"Greenhorn"は、変性された破砕帯内に位置し、シリカの高濃度(重量で約60%)を含有しています。
"Big Sky" は、"Greenhorn"との比較のため変性されていない場所です。
右のグラフは、"Big Sky" にシリカとカルシウム-硫酸を足した時にどのように見えるかを示しています。
酸性風化によっていくつかの元素が失われるが、ケイ素は残ることで濃縮が起こっている可能性があるとの事です。 

下図は、Galeクレーター(緑、青、赤線)、Gusevクレーター(黒線)で、それぞれCuriosityとSpiritがAPXSで測定した結果です。
この測定場所の組み合わせは、「変性した場所/変性してない場所」 となっています。
Curiosityが見つけたシリカ濃縮の例と、Spiritによって見つかった高シリカ結節性堆積の起源も未解決のままです。
「酸性風化によるシリカの濃縮」や「アルカリ性または中性の水による溶存シリカが原因のシリカの増加」のいずれも原因であり得ると言うことです。

*謎の答えは、絞られた感じですが、まだ結論には至っていないということですね。
でも、楽しみが続くことになります。

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シリカがなぜ多量に存在するのか?_①

2015-12-26 00:04:48 | MSL

12月17日のWhat'sNewでMarias Pass、Bridger BasinからBagnold Duneに至る場所でシリカが豊富に存在することの謎に迫っています。
Sol1196(12月18日)のCuriosityの位置は、下図のとおりです。

下図は、特にシリカが豊富だったBuckskinとBig Sky、Greenhornの場所です。

下図は、Sol992(2015年5月22日)にMastCamでMarias Passの砂岩と泥岩の接触している箇所を撮影したものです。

下図は、Sol992にNavCamでシリカに富んだ調査対象「Elk」を撮影したものです。
「Elk」には、ChemCamの分析結果で約80%のシリカが検出されました。

下図は、画像の差渡しが約7cmで、「Elk」のChemCamでの分析痕を示しています。 

下図は、Sol1083(8月23日)にMarias Pass と Bridger Basinの間でNavCamによって撮影されました。
Stimson formation 砂岩での変色破砕帯の画像です。


下図は、Sol992にNavCamで作成したMarias Passのパノラマ画像です。

下図は、Sol1092(9月2日)にMastCam_右で撮影されたものです。
暗いトーンの岩盤に対してハッキリとした水平の境界が確認できます。

 
以上が、 Marias Pass と Bridger Basinの間のシリカの豊富な場所を示したものです。

次回は、分析結果について報告します。

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来たぞ砂山 向こうは佐渡か?

2015-12-12 00:14:36 | MSL

12月11日のWhat'sNewでCuriosityはいよいよ砂丘に達したことが報告されています。
すごい眺めですね!

・これからCuriosityは、砂丘を調査するために車輪を分析装置として使用します。
・砂をすくってふるいに掛けて、内蔵の分析装置で調査する計画です。

軌道からの観測で個々の砂丘の縁が1地球年で約1メートル動くことが分かっています。 



Sol1177での位置は、下図のとおりです。
 
下図は、砂丘内にCuriosityが進入して表面の砂の層の下にある物質を露出させたところです。
Sol1181(12月2日)にMastCamで撮影されました。

下図は、Sol1181での位置です。

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いよいよ始まる、砂遊び!

2015-11-19 14:04:12 | MSL

11月16日のWhat'sNewによりますと、Curiosityは、行く手に横たわっている砂丘を調査する準備をしているとの事です。
この調査で、最近の火星環境がより良く分かることが期待できます。

下図がCuriosityの最近の位置で、黒い帯状のBagnold砂丘が調査対象です。


下図がそのBagnold砂丘の方向を撮影したものです。
MastCam(右)でSol1115(9月25日)に撮影されました。(南南西を向いてます。)

下図は、南南東を向いて撮影した画像です。
やはり手前にBagnold砂丘が見えます。

下図は、Bagnold砂丘の中の調査対象の「砂丘1」のサイトです。
画像は、MRO(マーズ・リコネッサンス・オービター)のHiRISEで撮影されたものです。 

Bagnold砂丘は、下図のとおり、現在も変化し続けていることが確認されています。 (調査対象「砂丘2」)
画像もMRO(マーズ・リコネッサンス・オービター)のHiRISEで撮影されたものです。 
2010年8月4日と2014年12月13日の画像を組み合わせています。約4年間の砂丘の変化がわかります。


Bagnold砂丘の調査は、以下の点で重要なものとなります。
・低重力、低大気圧の惑星での砂丘の初めての調査。
・活動している砂丘の初めての調査。
・砂丘の波紋の大きさが地球上のものより大きい現象の調査。
・砂丘を構成している鉱物組成が均一ではないことについて調査。
(MROの分光計CRISM(Compact Reconnaissance Imaging Spectrometer for Mars)による観測データーによって確認されている) 
・風による砂粒子の分粒が起きているかどうかの調査。 

とにかく、見たり触ったり踏んづけたりして徹底的な調査を期待してます。 
ただ、Curiosity自身が埋まってしまうことは、ないでしょうね?
気をつけて! 

Curiosityの着陸地点が決まった時、周辺の地形を細かく確認するために、1辺が約1.5kmの正方形に分割しました。
当ブログ2012年8月10日「着陸地点の分譲開始」をご覧ください。
今月から8つ目の四角に入ったとの事です。
下図の矢印の位置がSol1163(11月15日)のCuriosityの位置です。
*私は、8つ目の四角の意味があまり良く分かりません。 (だからなんなの・・・)

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Sol926 "Garden city"での成果

2015-11-16 14:24:11 | MSL

11月11日、久々にWhat'sNewが更新されました。
メリーランドで開催されたアメリカ天文学会の年次総会の惑星科学部門でDiana Blaneyさんが"Garden City"で得られた成果を発表したそうです。
Diana Blaneyさん: a Curiosity science team member at NASA's Jet Propulsion Laboratory, Pasadena, California.

下図が"Garden City"の画像で、背後に見えるのがSharp山ですね。
4月8日の当ブログ「“Garden City”の鉱脈に惹かれて」で紹介した湖底の堆積物が岩になった後に湿潤な環境下で形成されたものです。
"Garden City"では、足場が悪いためドリルを使えなかったので、主としてChemCamで分析をしています。
鉱脈の分析の結果、単一の物質ではなくいくつかの物質が見つかりました。
ある部分は硫酸カルシウムで、他の部分では硫酸マグネシウムが確認されています。
更に他の鉱脈では、フッ素が豊富であったり、鉄がいろいろな濃度で見つかりました。 

CuriosityがSol923にSharp山の麓Pahrump Hillsでの調査を終えて、山を登り始めてすぐSol926(3月15日)に"Garden City"を見つけました。
そして、この鉱脈を調査したわけです。 
約8ケ月前の出来事ですね。

下図は、その鉱脈をアップしたMastCamによる画像です。(差し渡し約60cmです。)
1)薄くて暗色調の破壊充填材; 2)大きく破損した中の厚く暗い色調の鉱脈材料;3)最後に堆積された明るいトーンの鉱脈材料
http://mars.jpl.nasa.gov/msl/multimedia/images/?ImageID=7529

下図は、上記「1)薄くて暗色調の破壊充填材」のRMI(Remote Micro-Imager)での画像です。
青いバーがカリウム、赤いバーが鉄の含量を表しています。
左がSol946(4月4日)、右がSol936(3月25日)に撮影されました。
http://mars.jpl.nasa.gov/msl/multimedia/images/?ImageID=7530

下図が"Garden City"の位置です。

下図がCuriosityの最近の位置です。
本日(11月16日)は、Sol1165ですが、発表されているのは、Sol1160までなんです。 

 

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約5億年間、湖は存在していた!!でも・・・

2015-10-10 21:14:14 | MSL

10月8日のWhat'sNewによりますと、ゲールクレーターで湖の存在がより確実になったとの事です。
10月9日発行の「 the new Science article 」で論文が発表されています。
2014年12月10日に当ブログ「Galeクレーターは湖だった!」のまとめの論文ですね。
下図は、Sol569(2014年3月13日)に"kimberley"からMastCam_Leftで撮影されたものです。 

Curiosityの調査結果から導き出された結論は、約38億年前から33億年前、この地域に湖が存在していて、地球でもよく見られる乾燥期と湿潤期の繰り返しによる土砂の堆積で、ここに見られるゲールクレーターの下層部分が形成されたと言うことです。
Curiosityは、現在、ゲールクレーター最下層から75mまでの堆積地層を調査してきました。
そして、それに付け加えて軌道上のMRO(マーズリコネッサンスオービター)からの情報を合わせると、水輸送堆積は、約150~200mの厚さがあると考えられます。
さらに、水との相互作用を示す地層は、800mほどの高さまであると考えられます。
その上の地層は、水和地層ではなく、Curiosityの観測などによって、水輸送堆積の後に風によって形成された堆積地層だと予想されています。 

そして、古代の気候の最新モデルとの矛盾が解決されないで横たわっている訳です。

Grotzingerさんが言ってます。 "Something is missing somewhere."「何かが、どこか欠落しています。」

*面白い!単純じゃないんだ!そう、我々が行かなくては、解決できない。

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風成砂岩とは!the Stimson unit

2015-09-13 00:14:55 | MSL

9月11日のWhat'sNewによりますと、Curiosityは、風で形成されたと考えられる砂岩の大規模な斜交層理の場所をドリルする計画です。
ここは、「the Stimson unit」と呼ばれ、湖の中で形成された泥岩の上にある地層です。
いよいよ、新しい地層を分析することになりますね。
上図は、Sol1087(8月28日JST)にMastCamにて撮影された画像のモザイクです。 

*斜交層理(斜交葉理、クロスラミナ、cross-bedding)_Wikipedia
   水流や風の速さ、向きが変化する環境で堆積が起こったときにできる、層理面と斜交した細かな縞模様である。
   当時の水流などの方向が推定できる。

このような斜交層理は、アメリカの南西部の風成砂岩では一般的だそうです。
下図は、ユタ州の例です。

Sol1087での位置

Sol1100(9月10日JST)での位置
ますます、険しくなってきますが、Curiosityに頑張ってもらいましょう! 

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