EDLが迫っていますので、おさらいをしておきたいと思います。
CuriosityのEDL(Entry, Descent, and Landing)は、コンピューターによる自動制御によって行われます。
下記の時間は、実際に行われる場合ある程度の幅を取っていますので、あくまでも目安としてください。)
MSL Landing PressKitによりますとEntryの10分前にCruiseStageの切り離しによってEntryStageに入ります。
Entryから着陸まで約7分といわれています。そして、着陸の時間は、8月6日14時31分JSTですので、14時14分JSTにEntryStageに入る予定となります。
この時点でMEDLIが作動開始。(MEDLI:Curiosityが火星大気圏突入後に受ける熱と圧力を測定します。)
(以下、時間はJSTにて。)
14時15分にスラスターを噴かしてCuriosityの回転を止めます。
Entryの前にheat shield面を進行方向へ向け、CruseStageでのバランスをとっていた錘を2個(各75kg)捨てます。
14時24分 Entry、Galeクレーター内の目的地を正確に目指すために、姿勢と速度を調節して火星大気へ突入します。
突入速度は、5.9km/秒となっています。東京-大阪間を1分チョットで移動するスピードです。
*因みに、地球大気圏への主要な突入速度は、下記の通りです。
はやぶさが12km/秒、アポロ宇宙船が11km/秒、スペースシャトルが7.4~7.6km/秒でした。
大気密度が決定的に違うのと突入角度も違いますので参考とはならないでしょうね。
突入後、バックシェルのエンジンを噴かしたりしてS字運動をしつつ目標を目指します。(どうもサーフィンの要領ではないかと・・・)
Entryから75秒後、heat shield面の温度が最高温度(2,100℃)となります。
(14時25分15秒)
パラシュート展開数秒前にback shell から重心変更のため錘を6個(各25kg)捨てます。
Entryから254秒後、パラシュートを展開します。
(14時28分14秒)
Entryから278秒後、heat shield分離。レーダにより高度と速度の測定開始。
(14時28分38秒)
MARDIが撮影開始。(MARDI:着陸のための降下中にCuriosityの着陸地点を詳細に撮影します。)
ヒートシールド分離時点でリニアモーターカー程度の速度となっています。
Entryから364秒後、back shell(パラシュート)分離。
(14時30分4秒)
back shell分離時で新幹線程度の速度程度となっています。
8基の逆推進ロケット噴射開始。
ローバー吊り下げ前に4基の逆推進ロケット停止。
Entryから400秒後、ローバーをワイヤーにて吊り下げ開始。
(14時30分40秒)
Entryから416秒後、タッチダウン。スカイクレーン離脱(150m以上遠くへ飛び去る)
(14時30分56秒)
タッチダウン時点では、時速2.7kmとソフトランディングです。
Galeクレーター現地時間で南半球の冬の終わり(Ls=150.6:地球の日付換算で8月23日頃)の15時頃となります。
下記は、MSL Landing PressKitのP.29に載っているタイムラインです。
大きい画像は、こちら