火星への道

有人火星探査の実現を夢見て!火星ミッションの情報を提供しています。

いよいよCuriosityの長い旅が報われる時が迫って来ました。

2012-07-24 22:19:03 | MSL

いよいよCuriosityの長い旅が報われる時が迫って来ました。
楽しみですね。
今までの簡単な経過と今後の予定をPressKit(JULY 2012)を参考にまとめてみました。

1.打上
2011年11月27日0時2分JST、打上時の地球と火星の距離は、205百万kmでした。

2.到着予定

2012年8月6日14時31分JST、到着予定時の地球と火星の距離は、248百万kmです。
通信には片道13.8分掛かります。(13分48秒)

3.行程
その間、567百万kmの距離を飛行して来た訳です。
254日と14時間29分=6110時間29分=366,629分
平均時速 約92,800km(平均秒速 約25.8km)となりますね。
火星の平均公転速度は、24.02km/秒となっています。 

「重量変化」(激痩せ~)
・打上時       531,000kg
・地球軌道離脱時   2,940kg
  Cruise Stage (Fueled) 539kg
  EDL System(Aeroshell and fueled descent stage) 2,401kg
・着陸ローバー重量  899kg

4.着陸までの予定
現在、Curiosityは、Approach Phaseです。
正確な着陸を目指すために7月29日、8月4日、5日(UT)の3回軌道調節の機会があります。

5.NASAからの発表予定(場所:JPL(カリフォルニア、パサデナ))
8月2日10時PDT(3日2時JST)、ミッションの科学ゴールおよび能力に関する情報。
8月2日11時PDT(3日3時JST)、飛行および計画された着陸に関して。

8月4日9:30PDT(5日1:30JST)、着陸前最新版状況報告。
8月5日9:30PDT(6日1:30JST)、着陸前最新版状況報告。

8月5日22:31PDT(6日14:31JST)、着陸予定。
    着陸後約1時間以内に、着陸の報告会実施予定。
    (ただし、Curiosityの情報がすぐに確認できない場合は、3時間くらいに延びる可能性がある。)
    EDLの最中は、Curiosityからの信号を火星軌道上で待機しているMars OdysseyとMars Reconnaissance Orbiterと Mars Express
    が地球へ転送してくれる体勢となっています。ただし、すぐに転送できるのはMars Odysseyのみで、他の2軌道船は、Curiosityからの信号
    を記録して、転送するのに数時間掛かるとのことです。
    従いまして、現在、Mars Odysseyが不調である為、場合によってはCuriosityの着陸の確認に手間取る可能性が懸念されています。

    NASA TV とhttp://www.ustream.tv/nasajplで実況される予定です。
    Internetでも最新情報をチェックできます。 http://www.nasa.gov/msl 、http://marsprogram.jpl.nasa.gov/msl 

6.着陸後の予定
「活動期間」
1火星年(687日:98週)の活動予定で約20km走行します。
669Sol(Martian days,24時間39分35.244秒)

まずは、10Sol程度のヘルスチェックを実施。その後、2013年4月に合による20Sol程度の休止(合:2013年4月19日)以外は、働き続けます。

「commissioning phase」(最初の数週間)
ファーストドライブは、1週間後以降となる予定です。
ロボットアームやサンプル採取システムはその後、稼動確認する予定です。

Sol0
ヘルスチェックの開始。
・ローバーが傾斜しているか等確認します。
Curiosityの設備等を地上勤務体勢に設定する。
・Hazcams等の保護カバーを取り外します。
・カメラマストとハイゲインアンテナを立てます。
HazcamsでCuriosityの到着時の前後の写真を撮ります。
以上は、事前にプログラムされており、自動で実施されてデーターは、火星軌道船を通して地球へ送られて来ます。

Sol1
いくつかの機器による測定が始まる。
例えば、大気の組成分析とか(これは、コマンドによるものではなく、事前のプログラムによる動作です。)
ハイゲインアンテナのテストは最優先事項となっています。(地球からCuriosityへ直接コマンドを送るためのものです。)
MAHLIによって最初の画像を取得する。(ロボットアームが固定されたままなので、何が撮影されるかはお楽しみ!)
REMSRADも測定開始。
REMSによる気象情報とMAHLIの最初の画像は、Sol2には、地球で見られるだろうとのこと。

Sol2
MastcamChemCamNavcamを起動します。(得られた最初の画像は、1-2日後に見られるようです。楽しみ~)
Navcamで空を撮影。太陽の方向を確認。→地球の方向を確認。

「活動開始」
commissioning phase終了後は、どの岩や土を調査するか?どこに止まってどのような調査をするか?等ローバーの運転等に関して科学的優先事項に従い決定されます。
また、軌道上から得られている情報から調査すべき場所の候補がありますが、着陸地点から数週間の場所であるかも知れません。
しかしながら、移動の問題があり、最優先の場所を早めに調査することは不可能です。
最も興味深い場所を調査できるのが1年後となる可能性もあります。

7.地球の支援体勢
最初の3ケ月は、Solに合わせて地球上の担当者は、活動するとのことです。
その後は、地球時間での運用となり、各担当者も自分の所属に戻り、テレビ会議にて指示等行う形を取ります。

完璧な着陸の成功を信じて祈っています。 

コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする