「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

魔笛視聴コーナー~DVDの部~♯11

2007年05月22日 | 魔笛視聴コーナー~DVDの部~

DVD番号        DLVC1182
収録年          2000年

評価(A+、A-、B+、B-、Cの5段階評価)

総   合    B-   全て亘って今ひとつで、DVDによる販売資格を有していない

指揮者      B-   ドミニク・トロタン

管弦楽団     B-  フランス歌劇青年管弦楽団

合唱        B-  サン・セレ・フェスティバル合唱団

ザラストロ     B-  マルコス・プジョル

夜の女王     A-  アリーヌ・クタン

タミーノ      B-   アンヘル・パソス

パミーナ      A-  イザベル・ブルナール

パパゲーノ    B+   アルノー・マルゾラーティ

演出・舞台装置  
B-

音    質    B-

上映時間    149分

2000年のフランス・サン・セレ音楽祭でライブ収録されたもので非常に小規模なオーケストラに加えて狭い舞台と簡素な装いによる魔笛だった。

ところで、気になるのが何故2000年に収録したものが6年も経って2006年の12月にDVD化されて発売になったのかということで、今ひとつよく分からないが、商魂たくましくモーツァルト生誕250年に便乗したのかと勘ぐりたくなるほどこの盤は出来が良くなかった。

音質は何しろホールみたいな狭い会場に何もかもがひとかたまりになっているため、こもった響きでオーケストラの技量ともどもとても聴けるものではない。

歌手陣は玉石混交で、男性陣がお粗末だった。
ザラストロ役はバスではなくバリトンに近いうえに声量不足でどうしようもない。
タミーノ役は演技、歌唱ともにこのオペラの主役を張るには力量不足。また、現代風のTシャツみたいな衣装は何とかならないものか。観客に親近感を持たせる意図だろうが感心できない。
その反面、夜の女王とパミ-ナ役は役柄にふさわしい歌唱力でなかなかの熱演だった。

この魔笛は、観客席と舞台、オーケストラが手が届く範囲で同じ目線で近接しており、実際に観劇した場合には、オペラの中に溶けこんだような気持ちになって臨場感が味わえるかもしれない。

しかし、中途半端な会場、舞台装置、歌手達といった条件のもとで、あえてDVD化して広く鑑賞の対象になる資格を持った魔笛とは到底思えない。フランス人の芸術感覚を疑いたくなるし、それに価格の方も内容と不相応に高すぎる。

               
                        タミーノ役           パミーナ役



 


 



 

 


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