いつぞやのこと、メル友さんからオーディオ愛好家の誰もが直面するような内容のメールが届いたので紹介させてもらおう。
ご自宅でJBLの3ウェイ・マルチシステムを筆頭に3系統のシステムを楽しまれ、非常にご熱心な「ジャズ愛好家」さんだが、先日、他家を訪問され、そのシステムを拝聴されたとのこと。
訪問先のシステムは低音域に「励磁型ユニット」を使用されるなど、たいへん凝っておられていてそれはそれは「素晴らしい音」だったそうで、その方が帰り際にこう洩らされたという。
「お互い悪口はやめましょうね。巡り巡って自分に還ってきますから」。
そこでメル友さんも「ルールですよね」と応じられたそう。
音質に対する所感よりも、この部分が自分にはたいへん印象深かった。
そこで、次のように返信させてもらった。
「たしかに、よほど親しくならない限りご本人の面前で音質についてのマイナス意見は言わない方がいいようですね。確実にぎくしゃくした関係になりますから(笑)。
しかし、逆に意見を言ってあげることがご本人のためにもなることがありますし、意見と悪口の境界線は本当に難しい気がしています。
悪口を意見として前向きに受け止めるのか、それとも後ろ向きに受け取めるのか、これはほんとうに大きな分かれ目ですね。」
以上のとおりだが、他人のシステムに対する意見や感想は 相互の信頼関係やモノの言い回しなどとても複雑な要素が絡んでくるので、一般的には「モノ言えば唇寒し」で黙っておくのが一番無難だろう(笑)。
これに関連して、ふと思い浮かんだことがある。
ときどき、昔のブログの「加除修正」をやっているが、映画監督「黒沢明」の晩年の作品が総じて「つまらない作品」になっていると書いた記事を見つけた。
すっかりこの記事の存在を忘れていたのだが、その(作品が)「つまらない原因」といえばこうなのだ。
黒沢監督全盛期の「生きる」「七人の侍」などの名作は、黒沢 明と橋本 忍の共同執筆で脚本を書き、何も書かない第三者的な存在の「小国の旦那」が審判役となって、いい、悪いの判定をしてどちらかに軍配を上げていたそうだ。
映画の出来具合は脚本の仕上がり如何でおおかた勝負が決まるが、晩年の黒沢監督は一人で脚本を書き他人の意見に耳を傾けなかったので、これが(晩年の作品が)つまらなくなった原因の一つだそう。
<プレイヤーは審判役を兼ねてはいけない>と「橋本 忍」氏が言っている。
黒澤監督ほどの熟達の映画人でさえ「独善的な脚本」を書いてしまう怖さがあるのだから、ましてや凡人では推して知るべし。
オーディオだって自己満足のままで何ら差し支えはないが、一段とハードルを上げた音にしようと思えば、別に審判役が要る気がしてならない。
しかも、その意見が多種多様になればなるほど磨かれて「いい音」になっていくような気がする。
と、いうわけで我が家の場合は常に向上意識に燃えている積りなのでオーディオに対する「ご意見」は大歓迎だ。
そして、いつも遠慮なく欠点をズバズバ指摘してくる「Y」さんはとても憎たらしい存在だが確実に音が良くなっていくのだからありがたい存在だ(笑)。
最後に、高校時代の同窓生「T」君が撮った秋の風物詩「紅葉」の彩を添えて終わりとしよう。

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すっかりこの記事の存在を忘れていたのだが、その(作品が)「つまらない原因」といえばこうなのだ。
黒沢監督全盛期の「生きる」「七人の侍」などの名作は、黒沢 明と橋本 忍の共同執筆で脚本を書き、何も書かない第三者的な存在の「小国の旦那」が審判役となって、いい、悪いの判定をしてどちらかに軍配を上げていたそうだ。
映画の出来具合は脚本の仕上がり如何でおおかた勝負が決まるが、晩年の黒沢監督は一人で脚本を書き他人の意見に耳を傾けなかったので、これが(晩年の作品が)つまらなくなった原因の一つだそう。
<プレイヤーは審判役を兼ねてはいけない>と「橋本 忍」氏が言っている。
黒澤監督ほどの熟達の映画人でさえ「独善的な脚本」を書いてしまう怖さがあるのだから、ましてや凡人では推して知るべし。
オーディオだって自己満足のままで何ら差し支えはないが、一段とハードルを上げた音にしようと思えば、別に審判役が要る気がしてならない。
しかも、その意見が多種多様になればなるほど磨かれて「いい音」になっていくような気がする。
と、いうわけで我が家の場合は常に向上意識に燃えている積りなのでオーディオに対する「ご意見」は大歓迎だ。
そして、いつも遠慮なく欠点をズバズバ指摘してくる「Y」さんはとても憎たらしい存在だが確実に音が良くなっていくのだからありがたい存在だ(笑)。
最後に、高校時代の同窓生「T」君が撮った秋の風物詩「紅葉」の彩を添えて終わりとしよう。

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