つい先日、オークションにワーフェデール(英国)の口径38センチ(15インチ)のユニットが1本出品されていた。
お値段は「13,800円」と超安いうえに、音がメチャいいとされている「赤帯マグネット」付き!
我が家のウェストミンスターに使えそうなユニットなので落札したいところだが、なんといってもあと1本欲しいところ。
そこでヨーロッパのSPユニットに関して独自の輸入ルートをお持ちのTさん(東海地方)に伺ってみた。
「実はお伺いしたいことがあります。現在オークションにワーフェデールの口径38センチのユニットが1本出品されてます。落札したいのですが、ステレオ用としてあと1本欲しいところです。
そこで、T様のルートから同じ口径38センチが手に入る可能性はありますでしょうか。まことに勝手のいいご相談ですが、いかがなものでしょうか。」
すると、ご親切にも次のような返信があった。
「お元気ですか。当地は、例年にない温かな冬で、少々戸惑いを覚えています。
15インチはどちらかというとアメリカ人好みのようで、イギリス国内では、Wharfedaleに限らず、15インチのユニットそのものが、あまり見受けられないように思います。
ご期待にそえず申し訳ありませんが、これに懲りず、また何かありましたら、いつでもご照会なり、ご相談なりしてください。 では、失礼いたします。」
というわけで、手に入れるのが難しいとなればオークションの出品物を諦めざるを得ない。1本だけではどうしようもない~。
さて、ここで何が言いたいのかといえば、イギリスでは15インチ(38センチ)のユニットがあまり見受けられないということ。
たしかにグッドマンやワーフェデールなどの有名どころにしても、15インチがあることはあるがめったに見かけない。
後日、この件を「北国の真空管博士」にご注進したところ次のようなコメントがあった。
「そうなんです。イギリスは口径30センチのユニットが圧倒的に多いです。音のスピード感と繊細な表現力と適度な量感をマッチングさせるとなると口径30センチのユニットがベストと考えているのでしょう。
私もそう思います。したがって、あなたのユニットの選択は間違っていないと思いますよ。口径38センチのユニットを思いどおりに動かすのはたいへんです。タンノイの昔のユニットがなぜいいかというと、コーン紙の重さが軽いのも一因でしょう。」
この言葉にたいへん意を強くしたのは言うまでもない(笑)。
口径38センチのユニットはそれなりの魅力もあるのだが、どうしても空気を押し出す量と抵抗、そしてコーン紙の重さを考え合わせると、音声信号に対する追従性に問題が出てくる。
それがイヤで我が家のユニットはウェストミンスター内蔵のユニットまで含めてウーファー系はすべて「口径30センチ」に留めている。
もちろん我が家で使用している小出力の「3極管シングル」アンプとの絡みもあるので一概には言えないが、これまで使ってきた口径38センチのユニットはすべてオークションに放出してしまった。
そういえば、タンノイの創始者「G.R.ファウンテン」氏が愛用していたのは「オートグラフ」ではなく、口径25センチの「イートン」だったことはよく知られている。
これがイギリス人の良識あるオーディオ観といっていいだろう。
自分もタンノイは「ⅢLZ・イン・オリジナル・キャビネット」「インパルス15」「ウェストミンスター」と使ってきたものの、一番バランスが良かったのは最初に使った「ⅢLZ」だった。今となっては手放さなきゃよかった(笑)。
まあ、「口径38センチ」のユニットが好きという方もいるので、こればかりは好き好きだが肝心の「お耳のセンス」の方は「?」だと内心秘かに思っている。
もちろん、いろいろと差し障りがあるのでこれは「ここだけの話」ですよ(笑)。
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