今回からこのブログに新たな「カテゴリー」を創設しました。
名付けて「傾国のスピーカー」シリーズです。命名の由来については末尾で明らかにします。
今後「AXIOM80」関連の記事が多くなると思いますが、すべてこの「カテゴリー」にぶちこむ予定です(笑)。
さて、去る2月16日のブログ「振るいつきたくなるような美音とは」の最後に次のような拙文を記載していたのをご記憶だろうか。
「最後に、全国の「AXIOM80」のファンの皆様、この空前絶後のユニットについて、これを機会に使い方のノウハウなど(このブログが)ぜひ意見を寄せ合う場になるといいですね。
これよりももっと巧い使い方をして、「魅力的なサウンド」を出している方がきっといらっしゃるはずだし、「雄大なスケール感」は無い物ねだりにしても「リアリティ、透明感、色気」においては「世界有数の音」と言っても過言ではないでしょうからさらに極めていく価値が大いにありです。
メールのあて先は「自己紹介欄」にありますので、気が向いた方はどうかお気軽にどうぞ~。」
これまでにこういう呼びかけを再三にわたって実施してきたが反応となると皆無といっていいほどだったので、今回も内心あまり期待していなかったところ、とてつもなく大きな魚が網にかかったんですよねえ。おっと、魚扱いにしてごめんなさいね(笑)。
別府から「豊予(ほうよ)海峡」を隔ててお隣の「四国」の方からメールをいただいたもので仮に「S」さんとしておこう。ご本人のご了解のもと、メールを紹介させていただきます。
「今回のaxiom80 の記事 行間から悲鳴のようなものが聞こえ 同じaxiom80の同好(病)者の一人としていたたまれず 相哀れむ気持ちで 初めて慣れないパソコンでメールなるものを
axiom80は 「デザインの現場」(1995年4月)掲載の「荒木 博志」氏作のスピーカー(一つ目小僧みたいなヒト型)で初めてその姿を知りました
(このスピーカーは俳優の佐野史郎さん所有 北原照久さんも別のユニットで似たようなものを作ってもらったとか)
まさに音を出すためのキカイといった武骨なカタチ 一目ぼれです
25年ほど前 当時はインターネットが普及していなかったので雑誌の広告を頼りに電話で購入 「ちょうど今いいのがありますよ」と
送られてきたものは2個とも銀色のバックプレートに旧ロゴ 一個は木製の桶のケース入りの最初期版
恐る恐る結線してテバルディのオペラアリアを 魂を奪われました
裸で鳴らしただけなのに自分が理想とした声が前触れなく出てきました
お察しの通りこの瞬間が自分の原点であり悲劇(喜劇)の始まりです 肝心のエンクロージャーは長岡氏の本を参考に憑りつかれたように設計しました
ARUを付けるのが常識でしたが直感からバックロードしかないと
フロントにはショートホーン 作った後に出版されたステレオサウンド別冊のコーネッタに感じが似ていてびっくりしました
出来上がったのが写真のスピーカー 片側だけで80キロ以上 若かったので作れましたが 同じものはもう二度と作りたくありません
現時点での結論(現状)ですが
ユニットはバッフルにネジ止めせずフェルトがバッフル裏に接するだけ
そのため マグネットを固定する重量のある支えを制作し エンクロージャー内の棚に免震ゲルをはさんで固定しています
海外の画像にマグネットを固定する金具と一緒に写ったaxiom80を見たことがあります おそらく吊るか支えたのではないかと
裸で鳴らすのが素直ですがaxiom80はちゃんと低音も出してくれているので 出ないと諦めて低域をカットするのは疑問です
コイルやコンデンサーを介さずストレートに繋ぐべきかと
バックロードの開口部に首をつっこんでみると ちゃんと低音を出してくれています
その低音は「いかにも」ではなく 人によってはボリュームの足りないものかも知れませんが まぎれもなくaxiom80の品位ある低音です
axiom80の繊細さにはリボンツイーターが合うように思います
パイオニアの「 PTR-7」をウエスタンのオイルコンデンサ 2μ と板抵抗併用のネットワークで300Bシングルで控えめに高域を少し足すほうが音がすっきりするようです
axiom80への結線は太いケーブルよりは細いもの(Westernの16GA)が合いました
アンプは300Bシングルで聞いていましたが音がややぼやけるようで
マランツ8を3結にしたら静寂感と繊細さが出てきました
30Wが18Wになりますが十分すぎます
CDはあまり聞いてなかったのですがDenon のDCDS-1にマランツのライントランスLT-1をつないでT型アッテネータで57db落としてMarantz♯7のマイク入力へ
上げて下げてまた上げてと笑われそうな使い方ですが不思議とこれが一番アナログに近くなりました
今後も何かと変更すると思いますが現時点での使い方です
axiom80はどこかを変えてもすぐ反応するので 深みにはまると終わりがないのはよくご存じかと思います いろいろ勉強させられ そして散財させられる
「傾国のスピーカー」です