「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオは「やってみなくちゃ分からん」

2023年05月04日 | オーディオ談義

普段は(自宅に)スピーカーがいくつあるかなんて考えたこともないが、いざこうやって書き出してみると8系統あった・・。ちょっと異常かもね(笑)。
 

ウェストミンスター(改)、それぞれ別の箱に入ったAXIOM80「オリジナル」と「復刻版」、「PLー100」(モニターオーディオ)、「D123+ツィーター」(JBL)、「TRIAXIOM」(グッドマン)、「スーパー10」(ワーフェデール)、「ニューゴールデン8」(リチャードアレン)

そんなにあってどうすんの?

それほど広くもない部屋(5m×6m)に、これらがひしめきあっていると音響効果の上でけっしていい結果を得られないことは百も承知だが、その一方それぞれに捨て難く魅力的な部分があって、どうしても未練が断ち切れない。

仏教ではこれを「煩悩」(ぼんのう)というのかな。

ただし、その一方で相互に「比較」し合う結果、お互いの長所や欠点が浮き彫りになってくるメリットもある。

で、今回もその実例を挙げてみよう。いつものように「我田引水」ですけどね(笑)

きっかけは先日のオークションに出品されていた電圧増幅管の「MHL4」だった。



信じられないほどの高額の落札価格に唖然としたが、つられて我が家にも「MHL4」があったよなあと探してみた。



「ST管」だけど同じ「OSRAM=GEC」である。そして、まるで子供が格好のおもちゃを見つけた時みたいに、つい使ってみたくなった(笑)。

幸い「71Aシングル」アンプにこれが使える。



これまでは「AC/HL」(英国エジソン・マツダ:増幅度ミュー=30前後)を挿していたが、さっそく「MHL4」に入れ替えたのがこの画像(左端がそれ)。

そもそも、このアンプの改造主によると「電源トランスが少々弱いので前段管の性能がフルスペックで生かせません」とのことで、それならできるだけ増幅度の高い「AC/HL」を、との発想だった。

それにひきかえ「MHL4」は増幅度20前後なので、当初から「?」と半信半疑だったが、オーディオは取り巻く環境の変数が多いので「やってみなくちゃわからん」の経験則が少なからず背中を押した。

ちなみに、御覧のとおり出力管の「71A」は、泣く子も黙るレイセオン(アメリカ)の赤ラベル「ボックスプレート」タイプである。

さあ、道具立ては揃ったのでスピーカーはどれにしようか・・。

8系統の中で一番影が薄い「リチャードアレン」を久しぶりに登板させてみた。



なぜ影が薄いか・・、我が家では唯一の「フェライトマグネット」の持ち主であり、その先入観もあるせいか高音域の伸びが今一つの感があってレギュラーの位置にはちょっと・・。

とはいえ、このほど購入した「新プリアンプ」と「癖のない71Aアンプ」の組み合わせで従来の印象が変わるかもしれないという淡い期待を抱いたことは否めない。



このプリアンプの真空管は「E80CC」(フィリップス:金足)で整流管は「EZ81」(英国:エジソン・マツダ)である。

特筆すべきは、(ダイオード整流ではなく)整流管を使った「プリアンプ」ということで、加えてアンプのお値段の1/3を占めるドイツ製の高級コンデンサーと相俟って、驚くほど高音域が柔らかくなって自然な佇まいになる、それはもう見事なほど!

そして、肝心の結果となると期待を大きく上回るものだった。

「リチャードアレン」から信じられないほど「瑞々しい」音が出てくれたのである。あの高音不足は何だったのかと思わず唖然としたほど。

参ったなあ・・と、うれしい悲鳴と同時に己のうかつさに思わず頭を小突いた。早く使えばよかったのに!

「先入観は罪、固定観念は悪だ」という格言がひときわ身に沁みる~(笑)。

さらに、さすがに同軸2ウェイだけあって「音像定位」は非の打ちどころがなく、各楽器の位置と奥行き感の差が手に取るようにわかる。家庭で音楽を聴くのならもうこれで十分だね・・。

ただし、「口径20cm」の限界があって、低音不足は否めないので、少しばかり「ウェストミンスター」(改)で補強(100ヘルツ以下)した。

「アンプ次第でスピーカーは生き返る」を実感しつつ、見事な「音像定位」を堪能していると、自然に疑惑の眼(まなこ)が「ウェストミンスター」(改)へと向かった。



新装なった「71Aシングル」で「175ドライバー」を駆動すれば「075ツィーター」はもう不要じゃないかな・・。

実は、使うSPユニット(素性がいいものに限る!)が少なければ少ないほど(「オーディオ的な響き」から)「音楽的な響き」に移行するというポリシーの持ち主である。

もちろん「諸説」あろうし「異論」もあろうが、自分はそう・・。

というわけで、ぐだぐだと「へ理屈」をこねながら、まるで「行き当たりばったり」の「ご都合主義」の見本のようだなと「一抹の含羞(がんしゅう)」を覚えつつ(笑)、「075ツィーター」を外してみたところ、これがバッチリ~。

そして外した「075」は「D123」(JBL:口径30cm)の箱の上に移動。シンバルの澄んだ響きを聴きたいときはこのシステムの出番だね~。

結局、「やってみなくちゃ分からん」のもと、あまり乗り気ではなかった「MHL4」真空管の起用だったが、ほんの「針の一穴」から広がって瞬(またた)く間に一陣の強風が吹き荒れた感がある我が家のオーディオ・・。

この連休中、大いに楽しめそうですぞ(笑)。



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