「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

情けは人のためならず

2023年05月18日 | オーディオ談義

人生が思い通りにいかないのは誰しも同じだが、当初は禍(わざわい)だと思っていたことが、後になると意外にも福に転じたりして、瞬間風速的な見方は慎しまなければと思うことが再々ある。

そういえば・・、中国の故事には「禍福はあざなえる縄のごとし」というのがありますね。

「災禍と幸福とは糾った(縒り合わせた)縄のように表裏一体であり、一時のそれに一喜一憂しても仕方がない。」

「オーディオ人生」にも同じことが言えそうですよ(笑)。

というのも・・、

そろそろオーディオ人生も終幕を迎えつつあるので、今後使いそうにない機器類を整理して必要な人に使ってもらおうと、知人に頼んでたびたびオークションに出品してもらっている。

もちろん機器によって人気度は様々で、出品したとたんに落札されるものがあるかと思えば、なかなか売れ行きが悪いものもある。

そのパッとしない中の一つに、テクニクスの「ユニット」が挙げられる。



型番は「EASー12PM10」(テクニクス)で口径12cmのスコーカーである。スコーカーというのは周知のとおり「中音域」専用に使うユニットですね。

テクニクスの「EASシリーズ」は定評があるので、5年ほど前にオークションで見かけたときに落札したもので、とにかく安かった! たしか7000円前後だった記憶がある。

同じ箱の中にウーファー(低音専用)があるのを想定して、背圧の影響を受けないように頑丈な筐体で装備されている。

「オーディオの足跡」(ネット)によると、「口径12cm」、「再生周波数 200~6000ヘルツ」、「出力音圧レベル 100db」、「許容入力 30W」

このことから、200ヘルツ以上の再生は「口径12cm」で十分だという主張が読み取れますね!

で、我が家でもさっそく試してみたがどうもピンとこなくて、(今思えば未熟だった)ずっと放っておいたが、どなたか使う方がいればとオークションに「5000円」で出品してもらった。

ところが、どうやらスコーカー(中音域の再生専用)は使いずらそうでサッパリ人気がない。3か月ほど経ってもまったく音沙汰なしで知人と相談してスタート価格をとうとう「3000円」まで値下げする有様。

それでもアクセスがパッとしない・・、とうとう”しびれ”を切らして知人に「長期間の店晒(たなざら)しは可哀そうなので引き取ります」と、申し出た(笑)。

で、改めてこのユニットの活用法といえば、「175ドライバー」(JBL)の代わりしかない。

「200~6000ヘルツ」と、帯域周波数が限定されているスコーカーだが、メリットが一つあって、それは音質の劣化要因となる「コイル」や「コンデンサー」を使わないで済むところがいい。

15日(月)に引き取りに行って、その日の午後からさっそくセッティングに取り掛かった。



設定した周波数帯域と駆動するアンプは次のとおり

<~200ヘルツ>

SPユニット:ワーフェデール「スーパー10」(ウーファー)

プリアンプ 「安井式プリ」

パワーアンプ 「EL34プッシュプル」

<200~6000ヘルツ>

SPユニット テクニクス「EASー12PM10」(スコーカー)

プリアンプ 「E80CCプリ」

パワーアンプ 「6AR4シングル」(三極管接続)

<7000ヘルツ~>

SPユニット JBL「075ツィーター」

プリアンプ 「E80CCプリ」

パワーアンプ 「71Aシングル」

結局、プリアンプ2台、パワーアンプ3台を使ったシステムとなった。



さあ、どんな音が出るか、ハラハラ・ワクワクだったが、各アンプのボリューム調整に手間取ったものの、その後は「至上のサウンド」が待っていた!

周波数帯域に隙間が無く、音の粒子がびっしりと詰まっている感じを受けた。

グールドの「ピアノ・ソナタ」(モーツァルト)を聴いてみたら、演奏中の彼のハミングが明瞭に聞こえるのにビックリ。



家庭でクラシック音楽を楽しむのなら、もうこれで十分だね~。

いやあ、オークションで売れなくてよかった!

まさに「禍福はあざなえる縄のごとし」・・、おっと「情けは人のためならず」という言葉もあったなあ。

「人(この場合は機器)に対して情けを掛けておけば,巡り巡って自分に良い報いが返ってくる」という意味だが、「禍福・・」は以前使ったことがあるので今回のタイトルはこれにしようっと~(笑)。



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