いつぞやのこと、九州工大の68歳の大学教授が東京の風俗店の従業員を自宅の前で待ち伏せするなどし、ストーカー容疑で逮捕されたと報じていた。
エッ、大学教授ともあろうものが・・!
近年、中高年のストーカーが増えているそうで、たとえばコンビニで釣銭を受け取るときに、女性店員が手を包み込むようにやさしく渡してくれたので自分に好意を持っていると勘違いし、以後見境なく追いかけ回す事例などを挙げていた。
近年「老いらくの恋」という言葉を滅多に聞かないと思っていたら、現代では元気のいい中高年が増えたせいか「ストーカー」という直接行動に打って出ている模様(笑)。
もともとストーカーになるにはそれなりの素質があるそうでテレビで5点ほどあげていた。メモするのが面倒くさかったので、あとでネットでググってみたところ次の通りだった。
1 恋愛経験があまりない
2 仕事や趣味など打ち込めるものが何もない
3 暇で時間を持て余している
4 心の通じる家族や友人がいない
5 1日に誰とも話さないことがある
素質というよりも、むしろ本人を取り巻く環境という方が正しいと思うが、関連のツィッターでも「ヤバイ、ほとんど当てはまる!」という中高年男性たちの悲鳴が満載(笑)。
ふと思ったのだが、これらは何だか「認知症」対策にも当てはまるみたいな気がしている。
さて、他人は別にしてブログ主はどうなんだろう?
この5つの要件について検証してみることにしよう。
まず1は他県在住の娘がこのブログを「父親の無事の便り」として目を通しているので過去の経験に言及するのはちょっとヤバイ。「君子危うきに近寄らず」でパス(笑)。
次に2。
打ち込める趣味と言えば言わずと知れた「音楽&オーディオ」である。
とてもマイナーな趣味だしスポーツなんかと違って極めて「お宅っぽい」ので、堂々と胸を張って言えないところがつらいが、この趣味のおかげで時間を忘れて一心不乱になれるところがとてもいい。
図書館から借りてきた「九州ジャズロード」は九州の各県ごとの有名なジャズ喫茶を網羅した本だが、この中で「この音楽を知らずに一生を終えるのは、人生最高の幸せを失うことになる」(アート・ブレイキー)という名言があった。
オーディオだってそうで「この音を知らずに・・」とばかりに、追及し研究しているが「これでお仕舞い」ということがないので飽きることがない。
次から次にアンプやスピーカー、そして真空管に目移りしているが「どれもこれも同じ音でしょう!」と、家内なんぞはもう呆れ果てを通り越して諦めている(笑)。
しかし、やっている当人にとってはいわば「五里霧中」とでもいうべき泥沼状態が不思議な快感を伴っているからこたえられない。「これ以上面白い趣味があったら教えてくれ~」と言いたくなるほど~。
次に3について。
2とも関連するが毎日、暇を持て余すということがいっさいない。
早朝の「朝飯前」のブログ作成に始まって、音楽&オーディオ、そして読書、気になったテレビ番組の録画後の視聴、定時の有酸素運動などで一日があっという間に過ぎてゆく。
「もっと時間があったらいいのになあ」が、いつもの口癖。
次に4について。
現役時代と違って社会生活の範囲が狭まると、必然的に交際範囲も限られてくる。
社交的な家人と違って、自分はやや人見知りする方なので気軽に人の輪の中に入っていけるタイプではないが、クラシック音楽とオーディオとなると話は別でどなたとでも気軽に話せる自信がある。
現在のところ、専ら、お付き合いが深いのはオーディオ仲間たちで情報交換を兼ねて電話のやり取りや試聴会が楽しい。
いずれも真空管に造詣の深い仲間たちだが、「球転がし」や「アンプ転がし」を通じてオーディオの奥深さをいつも実感している。
それに、ありがたいことに全国津々浦々の、そして海外のメル友さんにも恵まれて、背景となるお国柄を想像しながら返信するのがこれまた楽しからずや。
次に5について。
「1日に誰とも話さないことがある」は、5つの要件のうち一番該当しそうでついドキリとしてしまった。
もちろん家人やウォーキング中の近隣の方たちとの会話は別だけどね~。
以上、こうして分析してみると趣味がらみのおかげでストーカーにもならず、パチンコや競馬などの賭け事にも手を染める余裕もなく、まさにこれは趣味の効用といっていいだろう。
そういうわけで、家内に向かって「おい、お前は俺のオーディオ趣味を煙たがっているがこんなにいい面もあるんだぞ。」と言ってやったところ、一笑に付してこう返してきた。
「あらっ、あなたにストーカーになれるほどの情熱がまだ残っているの?」
ウ~ム、敵もさるもので意外な盲点を突いてきた・・(笑)。
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