「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ談義~「羽毛の吸音材」~

2010年10月29日 | オーディオ談義

折角「アキシオム80」がうまく鳴るように改造したSPボックスだが、期待どおりに鳴ってくれず、むしろ悪くなったのは前回記載したとおり。

自分が聴いても「この音は冴えない」と思ったが、オーディオ仲間で幾多の場数を踏まれたAさんも同様の意見どころか、それ以上の酷評。

しかし、実はその率直なコメントの中に「問題解決のカギとなる言葉」が隠されていた。

「音が窮屈そうで伸び伸びと鳴っていない」。

以下、いろいろと考えた挙句の自分勝手な推論なので間違っていたらゴメン~。

スピーカーから出てくる音はユニットのコーン紙の前後の振幅による空気の疎密波によって成り立っている。

したがって前に出てくる音と同様に後ろ側にも逆相となった音が出されているが、裏蓋をして密閉した場合、背後に出された疎密波は密室の中で逃げ場を失い跳ね返ってきてコーン紙の正常な振幅を妨げることになる。

ちなみに、裏蓋の無い「後面解放のSP」だとこういう心配をしなくていいが、後ろに出された逆相の疎密波がSPの周囲から前に回りこんできて前面から出た正相の疎密波と入り組んでしまい、音が濁ってくる。

そこで、密閉ボックスの場合「いかに背後の音を吸収してやって、コーン紙を気持ちよく振幅させてやるか」が大きな課題となる。

そこで「吸音材」の出番となる。

通常、一般的によく知られているのは「グラスウール」だがどうも手がチカチカして扱いづらそうだし、新鮮味もない。そこでMさんご推奨の「羽毛」を使うことにした。

ちなみに「羽毛」を使った吸音材はMさんの発案によるものでメーカーでも皆無だしネット情報でもまず見かけない。

その特徴としては、

 軽くて圧縮しやすいので量が稼ぎやすく扱いやすい

 気が遠くなるほどの年月をかけて進化してきた鳥の翼の羽根だけに、軽いわりに強度も十分。肉眼では見えず顕微鏡の世界だが無数の穴が空いていて空気をうまく溜め込んで浮力として利用している

まさに自然素材として吸音材にうってつけ。ぎっしり詰め込めばSPボックスの小さな密室で「無数の空気の層」が出来るという仕組み。

「羽毛」といえばすぐに高級布団を連想して10万円単位の高価なものを思い浮かべるが、さすがにそこまでの高級品を購入してオーディオ用に使うのは感覚的にとても抵抗がある。

Mさんに言わせると
「真空管に○○万円も投入するぐらいなら高級羽毛なんてもっと音が良くなる素材なんだから安いものさ」とのことだが、いくらなんでもそれはちょっとねえ~。

たしか2年半ほど前に安物の「羽毛布団」を購入したがそのときのことを以前のブログにこう記している。

羽毛布団は高級感があるので音も高級になるかもしれないという単純な感覚が我ながらおかしくなる。

早速、翌日に偵察に出かけてみた。デパートで売っている羽毛布団は高価そうなので、まず大きなホームセンターに出かけてみた。

「羽毛布団ありますか」

「冬用ですか、春用ですか?」と女店員さん。

「いえ、オーディオ用です」

「?」と、目が点のようになった店員さんに・・・

そのときにたしか2枚購入して1万円からお釣りがきたような記憶があるが、そのときの羽毛の本格的な出番がいよいよやってきた。

木綿の袋をいくつも作ってその中に羽毛を詰め込む作業を黙々と展開。

  

部屋中に羽毛のかけらがフワフワと漂う中で作業に没頭。入れる袋の方も手縫いで慣れぬ手つきで針と糸を操ったがどうせSPボックスの中にぶち込むヤツなので不恰好は一向に構わない。

作業におよそ5時間ぐらいはかかっただろうか。

結局、黒い袋を6個ほど作って「アキシオム80」の左右両チャンネルの小さな個室に3個づつ詰め込んだ。ちなみにこの羽毛の吸音材はボックスの中にこれでもかと”ぎゅうぎゅう”に押し込むことが秘訣。

そして低域用の容積の大きなボックスには羽毛布団のカバーを剥いで切断し、羽毛が飛び出さないようにホッチギスで端っこをパチンパチンと留めていってそのままぶち込み。                

          

さあ、これで作業完了。いよいよ裏蓋を締めて音出し開始。

「羽毛の吸音材」による効果の程は次回に~。

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