4月後半から暖かい日が続いて、ぼちぼち野外活動がピッタリのシーズンになってきた。昨年の11月後半からずっと遠ざかっている「釣り紀行」も来週アタリからボチボチ再開しようかという心積り。
考えてみると、この5ヶ月間は冬篭りのような感覚で音楽、読書といった室内遊戯(?)ばかりで太陽の光をあまり浴びることがなかった。やや不眠症(早朝覚醒)気味なのもそのせいかもしれない。
それに自分の場合、「音楽&オーディオ」の虜になっているもののどこかに醒めた目を持っておくことで逆に正しいアプローチが出来ると思っているので、釣りなどの野外活動で集中力を分散するのは好ましいところ。
これからは気候も良くなったことだし、つとめて屋外に出て太陽に当たろう。
ということで、とりあえず7日(水)はオーディオ仲間のMさんの情報を頼りに「モズクとワカメ」採りに出かけてみた。
春の大潮のときは潮がずっと沖の方まで引き、普段近寄れない岩場からモズクとワカメが豊富に顔を覗かせて絶好の採取の機会だという。それも3月~5月が最盛期。
厳密に言えば7日は大潮直後の中潮の日だが、釣りのときに必ず利用する潮汐表(図形)によると満ち干きのカーブは大潮のときに劣らない程の深さなので大潮並みと考えてよさそう。
Mさんのお宅は別府からクルマで40分ほどのところで、遠浅で有名な国東地方の海岸のすぐ近くにあり、日頃から採取場所を熟知されているので案内してもらうことにした。何よりもここは採取する人が少なく地元漁協がうるさく監視していないのがいいそうだ。
当日は天気も快晴で春というよりもむしろ初夏の様相を呈しており、NHkの朝の天気予報では日中は7月上旬並みの気温になるとのこと。
さて、Mさん宅経由でお目当ての海岸に着いたのは13時50分ごろ。干潮が15時30分前後なので丁度よい時間。
ゴールデン・ウィーク中とはいえ7日は平日のことでもあり、やや中途半端な日のせいか人影もまばらで駐車場もたっぷりと余裕があった。
岩場から自生したワカメと触るとヌルヌルするモズクの見分け方をMさんに教えてもらい、足場が不安定な岩場を歩き回ってナイフ片手に採取に努めた。要領を覚えると面白いように取れる。
丁度切り立った崖の真下の岩場にワカメが集中して自生しており夢中になって採取していると、突然バサバサと上方から鳥の白い羽が細かく降ってきた。Mさんの話によると崖の途中にハヤブサの巣があり、どうやら雛に食べさせるため小鳥が犠牲になった様子。ハヤブサの数は近年減少する一方で全国でもハヤブサの巣をまじかに見られるのは珍しいそうだ。
また、偶然隣り合わせになった見知らぬ方からはトコロテンの材料になるテングサやヒジキを教えてもらったが、ワカメとモズクで大きなバケツが一杯になったのでとうとうそこまで手が回らなかった。とにかく、この場所は海藻類の宝庫みたいなところ。
海岸 ハヤブサ(中央付近) モズク ワカメ
Mさんご夫妻ともども大漁で大いに満足して15時20分前後に海を引き上げた。自宅に到着したのは16時20分。
実はそれからが大変な作業だった。大量に採ってきたモズクとワカメを適当に小分けして何回も洗うのが面倒しくて疲れ果ててしまった。
ひと通り、作業が済んだころに今度は2日連続でアサリ貝掘りに行っていた家内が帰参。どうやら今回も大量だった様子だが、自分が取ってきたモズクとワカメを見て完全にギブアップ!
結局、夕食はアサリ貝の炊き込みご飯にモズク(酢醤油)、ワカメ(一度湯通ししてメカブの部分をミキサーで撹拌して酢和え)、焼き魚と並んで海の幸のオンパレードだった。
モズクとワカメは日頃から好物だがこんなに簡単に取れるのならわざわざ店屋で高いお金を出して買うこともなさそう。それに採り立ちのモズクとワカメは店屋で売ってるものとはぜんぜん味が違うのには驚いた。野菜や果物と同様に海藻類も鮮度が命のようだ。
道も場所も分かったことだし、今後、大潮の日を見計らってちょくちょく出かけてみることにした。何よりも海の新鮮な空気が吸えることもいい。