幾つものスピーカーを操っていると、すぐに足りなくなるのがSPターミナルだ。SPコードを接続するための大切な小物だが、SPコードを繋ぐときにもハンダ付けすればいいものを便利さにかまけてSPターミナルを使うので、つい出番が多くなってしまう。
先日、いよいよ足りなくなったので調達しようと別府の隣町のSさん宅(日出町)へクルマを飛ばした。
Sさんはスピーカーのエッジなどの関連部品を手広くネット販売されている方で、それだけに留まらず以前のブログ(「見事なJBL「メトロゴン」2013.12.10)で紹介したように、ご自宅でJBLの「メトロゴン」を製作されている。
15分ほどで無事到着。電話で予約していたので「やあ、お久しぶり。お邪魔しま~す。」
「いつもブログを拝見してますよ~。最近、真空管アンプに興味を覚えて部品を集めているところです。」と、Sさん。
「TRアンプもいいでしょうが、昔のスピーカーには真空管アンプの方が相性がいいみたいですよ~。」と無難に応じておいた(笑)。
オーディオルームに入ったところ、いきなり目に飛び込んできたのが「パラゴン」だった。
「エッ、メトロゴンからパラゴンに切り替えたのですか!」と、驚いた。
それにしても見事なツクリである。とりわけ独特の曲線を持った足の部分の製作が困難を極めたそうで、実際に見本を取り寄せてその通りに復元したそうだ。
わざわざアメリカから木材を取り寄せて、組み立てられるそうで1台当たり6か月ほどかかるとのことで壮年のSさんだから出来る根気仕事だ。それでもオークションに出品すると全国津々浦々にわたって右から左へとすぐに売り切れるとのことでヤル気満々。
これまでに4台完売し、大きな図体にもかかわらず3分割できるので輸送もそれほど困難ではない様子。
この仕上がりならまさにプロ級の腕前だと納得。お値段も信じられない程安い!
音を聴かせてもらったが、大型システムならではのゆったりして安心できる音だった。
それに、お見かけどおり、パラゴンは家具としての調度品的な役割も十分果たせるので、都会のマンションなどのリビングルームにさりげなく置いておくととても洒落た感じだし、パラゴンの形状からして指向性に優れているので部屋のどの位置からでも聴けるのがいい。
また販売用とは別に、ご自宅用として設置されているのがこれまたJBLの「エベレスト」。
ホーン部分は別として、木材の部分は自作だそうで、本当にSさんは器用だ!
帰り際に「真空管アンプなら我が家に余っているのが2~3台ありますので貸してあげますよ。ぜひ、お見えになってください。」
大分県の片田舎で孤軍奮闘しているSさんだが、それほどガツガツしていない様子が好ましい。何とか応援したくなるが、当方なんて微力そのものなのでどうしようもない(笑)。
最後に、Sさんのホームページ「http//:www.hobbies-n-things.com」と連絡先「0977-72-8926」を掲げておこう。