「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

待てば海路の日和あり

2024年10月12日 | オーディオ談義

「まてば かいろの ひよりあり」という言葉がありますね。

「今は天候が不順で海も荒れているが、そのうち順調な航海に適した日和も来ることをいう。 慌てずに待っていれば、かならずチャンスが巡ってくることにたとえる。」

まず「慌てない」というのが「金科玉条」というわけですが、この際、身を持って体験したのでその実例をご紹介しよう。

一言でいえば、とある「真空管アンプビルダー」に改造を依頼してからずっと待ち続けた真空管アンプがやっと戻ってきました! 

しかし、その待ち続けた期間が何と「4年」・・、待たせる側も凄いが、待つ側も凄い、いわば根気比べの戦い~(笑)。

順を追って経緯を述べてみよう。

我が家にはエース級のアンプとして「WE300Bシングル」がある。



もう少し「パワー感」が欲しい時もあるが、まあ贅沢を言うと罰(ばち)が当たると言ってもいいアンプである。改造してもらったのは「北国の真空管博士」(以下、「博士」)である。

あるとき、「6A3というとても優れた出力管があります。300Bとは互換性がありませんが、お宅のアンプなら定数内に収まってますから差し替え可能です。1ペアありますので使ってみませんか?」とのご連絡があった。

「ハイ、それは願ってもないことです。さっそく送ってください。」300Bに比べると、お値段がとてもリーズナブルなのも飛びついた理由である。

そしてワクワクしながら挿し代えてみると、300Bに優るとも劣らない魅力的な雰囲気にすっかり有頂天になり、そして吞み込まれてしまった(笑)。

この「6A3」の出自といえば老舗の「シルヴァニア」(アメリカ)で、それも初期の刻印ものに限るとのこと。おそらく1950年代前後の製造で「真空管の黄金時代」の後期に当たるくらいかな~。

「大いに気に入りました。さっそくスペアとして1ペア追加したいので送ってください。」

そして、そのうち「我が家には300Bシングルアンプが2台もある。そのうちの1台は6A3専用に改造してもらおうかな」と、必然の成り行きとなるのにそれほど時間はかからなかった。

そこで、(改造を)お願いした次第だが2年ほど待ったけど何ら音沙汰なし~。

とうとう痺れを切らして、「もう中途半端でいいから、適当に改造して送ってくれませんか」すると「とても立派なトランスが付いてますので、それにふさわしい改造をしてみたいです。マッチした初段管を見つけて、回路も一新したいのでもう少し待ってください」

「ウ~ム、仕方がないなあ、まあ乗りかかった船だから待ってみるか・・」。

それにしても、どうも時間の感覚が両者では違うようで、ブログ主の1年が博士にとっては1か月に当たると思えばそれでいいのかな‥(笑)。

そして、このほどようやく「博士」の自信作が届きました。「会心の出来」だったそうだが、実に長かったなあ・・。



我が家で唯一の「モノブロック」のアンプで左右チャンネルにそれぞれ1台使うという贅沢なアンプ~。

そして、やっと見つかった理想的な初段管が「英国エジソン・マツダ」の「SP〇〇」で戦前の代物である。

「エジソン・マツダ」って?

「博士」によると、「英国屈指の名門です。3社が合同して出来上がった会社で、それぞれが得意の分野を生かして優れた真空管を作っていました。傾向としては情報量が多くて太めの音です。極めてレベルの高い古典管ばかりなのでマニアにとっては垂涎の的ですよ・・。」



「μ(ミュー=増幅率)」が80近くあるのに、内部抵抗が低いのでドライブ能力もあるという稀有の真空管である。戦時中はイギリス軍のレーダー用に使われていたとのことで、人の命がかかっているのでツクリも頑丈そのものだそう~。

これを使えば「下手なインターステージトランスは不要です」とのこと。アンプを裏側から見るとこの通り。



左側が整流管で「VTー244」(レイセオン)で、右側がその「SP〇〇」。

で、肝心の音質である。

これまで、我が家も含めていろんなお宅で聴かせてもらったが、すべて「普通の音の域を出ないものだった」と、思えるほどの抜群の音にすっかり痺れてしまった。

誇張の無い自然な佇まい、深~い奥行き感、素直な楽器の音色・・、量感と解像度が見事に両立した「非の打ち所がない音」である。

胸がキュンとなって切なくなってくるような「魅惑的な音」に完全に参りました! 4年も待った甲斐がありましたぞ(笑)。

さっそく、本日(12日)の午後、仲間が聴きに来てくれることになった。

ご覧の通り「テスト・スピーカー」が目白押し~。



スピーカーが良くなればなるほど実力を発揮するタイプなので、もう胸がワクワクして・・、いよいよ本格的な「オーディオ秋の陣」の到来ですぞ!(笑)。

クリックをお願いね →      

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 好き放題やって健康で長生き... | トップ | 「深追い」の是非 »
最新の画像もっと見る

オーディオ談義」カテゴリの最新記事