ちょっと前だけど、ア〇ゾンで中華製のプリアンプキットを買ったのである。送料込みで、1,380円という破格値です。
【理由】
保守用の真空管6J1と、同じく保守用としての真空管ソケット。(タイト製が望ましい)部品販売店から買うこともできるが、送料等がばかにならない。多くの部品を一度に買う場合は、国内発送が信頼があり且つ早いのでいいのだが、数個の場合は振込料・送料・発送手数料の金額が、部品代を上回ることもある。
【注文】
中国発なので、数週間はかかる見込みである。かつ、確実に届くとも限らない。急ぐ内容でもないので、アマ〇ンで発注したら、数週間後には無事に届いた。エアパッキンで包んだ簡易包装だが、真空管を含め破損はなかった。
保守用なので、しばらくジャンク箱に放り込んでいた。6J1は、別の真空管プリアンプで使用中。真空管ソケットは、機会があれば交換しようかなと思った機器が、調子いいのでそのままとなっている。
【組み立て】
保守用として使う予定もなくなったので、作ってみようという気になった。
部品一式とともに、説明書が入っていますが、すべて英文です。適当に要約します。
①電源はAC12V、1Aが必要です。(付属しない)DC12Vではない。
②電解コンデンサ(ケミコン)は逆接するな。間違って取り付けると破裂する。
③トラブルシューティング
・音が出なかったら、AC12V電源をチェックしろ。
・ダイオードや電解コンデンサが、正しく取り付けられているか?
・真空管のヒーターが点灯しているか?
・ボリュームや真空管が壊れていないか?
・音が歪んでいる場合は、オーバー入力になっていないか?
④部品リスト
⑤同梱物の写真
日本のキットだと、親切な組み立て図が添付されるのだろうが、そういうものは付属しません。基板に部品の名称と形が印刷されているので、これを見ながら組み立てます。
抵抗は種類ごとにまとまっているのは有難いのですが、定数は書いていません。カラーコードを読むか、テスターであらかじめ抵抗値を調べておくと組み立てが楽になります。
まず、小さな抵抗やダイオードから取り付けていきます。シリコンダイオードは極性がありますが、基板に絵が描いてあるので間違えないように取り付けます。
ここで、中華あるあるトラップ発動です。基板にはトランジスタD667x4と印字がありますが、付属のTRは、D667x2とB647x2です。さて、印字が間違っているのか、同梱物が間違っているかの2択です。
ここで、役に立つのは付属の部品リストです。TRを見てみましょう。TR1とTR2はD667で、TR3とTR4はB647と書いてます。ということは、基板の印字が間違っているということです。知らずに同一TRと思い込み、適当に取り付けると大きな確率で動作しません。(非常に稀なことだが、たまたま正解な組み合わせになることもあるかも)
トランジスタと、比較的大きなケミコンを取り付けます。基板に白い線がある方が、マイナス側です。絶対に間違ってはいけません。またケミコンの容量と耐電圧を確認しながら、正しい位置に取り付けます。
あとは、真空管ソケットや入出力端子・電源端子など大物を取り付けます。ざっと2Hぐらいで組み立て完了しました。
・・・が、発光ダイオードが2個残っている。なんで? 基板の印字を見ても、発光Diの表示がないぞと。あ、真空管ソケットの中に設置して、下から真空管を照らす役目の発光ダイオードだ! あーあ、ソケットはんだ付けしてしもうたやないか。
しかたがないので、ソケットの上から取り付けてみることにする。(ソケットを取り外すのではないのか?) 無理やり押し込むと、それなりに沈み込むがソケットの下まで押し下げるのは不可のようだ。しかし、真空管の下部に直接当たるわけではないので、これで良しとするか。熱源に近いのは気になるが、熱で切れるようだったら一度ソケットを取り外して、手持ちのLEDと交換しよう。
だいたい2Hほどで組み立て完了しました。電源はAC12Vが必要です。ジャンク箱を探したら、OMRONのAC12V1A電源アダプタがありました。AC12Vのアダプタは、ア〇ゾンでも売っています。だいたいこのキットと同じくらいの価格のようです。
つまみは、古いジャンク無線機から取り外しました。電源を接続し、入出力も接続します。
【動作確認】
なんなく動作かと思ったら、片チャンネルしか音がでないではないか? わ、失敗したか。
【トラブルシューティング】
①真空管を入れ替えてみる⇒変化なしなので、真空管は正常。
②ヒーターの確認⇒両方とも点火している。
③各部電圧の測定
入力電圧 無負荷:14.1V 負荷あり:13.5V (定格AC12Vなのでちょっと高いが問題なし)
ヒーター電圧 DC5.95V (定格6.3Vなので少し低いが許容値内)
真空管 P-K間 DC49.0V
G2-K間 DC49.1V 定格内で軽く使っているが問題なし
ケミコンの電圧 DC33.5V (耐圧35V)基板には+28Vと印字があるので、少し高い。(ぎりぎりセーフだけど)
特に大きな問題は発見されず。
④再度はんだ付けを実施⇒接触不良の解消を目指すが変化なし。
さー、困った。再度、基板とにらめっこ。
SW付きVRのはんだ付け(写真上部の赤枠内)が怪しいというか、ショートじゃね?
はんだ吸い取り器で余計なはんだを除去して、トラブルシューティング完了です。入力ショートで、片チャンネルが入っていませんでした。不具合箇所の修復後、きちんと両チャンネル動作しました。トーンコントロールがないので、真空管の特性が直接音に影響します。完成品のプリアンプに良く使われているオペアンプはありません。
真空管は主に6J1や6K4(いずれも中華球)といった、内部で2-7が接続されている球(日本の6AK5や米国の5654Wなども)を使うようになっていますが、基板を調べてみたら回路上で2-7が接続されています。したがって、6AU6,6CB6,6DT6,6GM6,6BA6,6HZ6など、2番(カソード)7番(第3グリッド)独立の五極管も、そのまま差し替えて使えます。
ちょっと遊んでみるには面白い、コストパフォーマンスが高いプリアンプキットです。
【音の評価】
完成品の中華製プリアンプ(6J1使用)と比較すると、完成品のトーンコントロールがノーマルポジション(VR中間点)と、ほぼ変わらずといったところでしょうか。ただし、自分の環境(中華製DAC+同6BQ5小型メインアンプ)だと高音が協調される感があるので、キンキンするように感じます。そのため完成品のプリアンプではトーンコントロールは高音抑え目、低音協調となっているので、このアンプだと少し違和感があります。惜しむらくは、キットにトーンコントロールが付いていれば、さらに良かったかなと思います。これは6K1を装填しての評価ですが、手持ちの東芝製6AU6に変えても音は変わりませんでした。
【反省】
はんだ付けを失敗するとは、焼きが回ったな。
R1(抵抗)は発熱が大きいので、基板から離して取り付けた方がいい。基板に接触していると基板自体が熱を持つので経年劣化が早まる懸念がある。後で気が付いたので、足を短く切ってしまった。ぎりぎり浮く感じで取り付け直し。隣のシリコンDiとも極力離した方がいい。
【使用するには】
このまま置くとショートすることがあり危険です。といっても、これ以上金をかけるのもアレなので、簡易的にかまぼこ板に木ネジで取り付けました。最低限、不注意によるショートは避けられます。
・かまぼこ板2枚:食べた後の廃物利用 0円
・木ネジ4本:ジャンク箱のストック品 0円(しいて言えば8円くらい)
・接着剤(かまぼこ板の接着用) 100均で買ったストック品 0円(しいていえば2円くらい)
合計0円(しいていえば10円くらい)
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追記
本キットの問題ではないのですが、AC12VアダプタをAC100Vに接続(抜き差しともに)すると、同じコンセントから電源をとっているパソコンがフリーズすることがあります。動作中のアプリのフリーズとともに、カーソルも反応しなくなります。CTRL+ALT+DELも効きません。つまり復元のしようがなく、強制的に電源を落とさなければなりません。再立ち上げを行うと、問題なく動作します。また、一度アダプタを接続すれば、パソコンがフリーズすることはありません。
おそらく、接続/取り外し時にスパークでACラインにノイズが乗るためと思われますが、一度接続すれば問題ないのでそのままとします。
【理由】
保守用の真空管6J1と、同じく保守用としての真空管ソケット。(タイト製が望ましい)部品販売店から買うこともできるが、送料等がばかにならない。多くの部品を一度に買う場合は、国内発送が信頼があり且つ早いのでいいのだが、数個の場合は振込料・送料・発送手数料の金額が、部品代を上回ることもある。
【注文】
中国発なので、数週間はかかる見込みである。かつ、確実に届くとも限らない。急ぐ内容でもないので、アマ〇ンで発注したら、数週間後には無事に届いた。エアパッキンで包んだ簡易包装だが、真空管を含め破損はなかった。
保守用なので、しばらくジャンク箱に放り込んでいた。6J1は、別の真空管プリアンプで使用中。真空管ソケットは、機会があれば交換しようかなと思った機器が、調子いいのでそのままとなっている。
【組み立て】
保守用として使う予定もなくなったので、作ってみようという気になった。
部品一式とともに、説明書が入っていますが、すべて英文です。適当に要約します。
①電源はAC12V、1Aが必要です。(付属しない)DC12Vではない。
②電解コンデンサ(ケミコン)は逆接するな。間違って取り付けると破裂する。
③トラブルシューティング
・音が出なかったら、AC12V電源をチェックしろ。
・ダイオードや電解コンデンサが、正しく取り付けられているか?
・真空管のヒーターが点灯しているか?
・ボリュームや真空管が壊れていないか?
・音が歪んでいる場合は、オーバー入力になっていないか?
④部品リスト
⑤同梱物の写真
日本のキットだと、親切な組み立て図が添付されるのだろうが、そういうものは付属しません。基板に部品の名称と形が印刷されているので、これを見ながら組み立てます。
抵抗は種類ごとにまとまっているのは有難いのですが、定数は書いていません。カラーコードを読むか、テスターであらかじめ抵抗値を調べておくと組み立てが楽になります。
まず、小さな抵抗やダイオードから取り付けていきます。シリコンダイオードは極性がありますが、基板に絵が描いてあるので間違えないように取り付けます。
ここで、中華あるあるトラップ発動です。基板にはトランジスタD667x4と印字がありますが、付属のTRは、D667x2とB647x2です。さて、印字が間違っているのか、同梱物が間違っているかの2択です。
ここで、役に立つのは付属の部品リストです。TRを見てみましょう。TR1とTR2はD667で、TR3とTR4はB647と書いてます。ということは、基板の印字が間違っているということです。知らずに同一TRと思い込み、適当に取り付けると大きな確率で動作しません。(非常に稀なことだが、たまたま正解な組み合わせになることもあるかも)
トランジスタと、比較的大きなケミコンを取り付けます。基板に白い線がある方が、マイナス側です。絶対に間違ってはいけません。またケミコンの容量と耐電圧を確認しながら、正しい位置に取り付けます。
あとは、真空管ソケットや入出力端子・電源端子など大物を取り付けます。ざっと2Hぐらいで組み立て完了しました。
・・・が、発光ダイオードが2個残っている。なんで? 基板の印字を見ても、発光Diの表示がないぞと。あ、真空管ソケットの中に設置して、下から真空管を照らす役目の発光ダイオードだ! あーあ、ソケットはんだ付けしてしもうたやないか。
しかたがないので、ソケットの上から取り付けてみることにする。(ソケットを取り外すのではないのか?) 無理やり押し込むと、それなりに沈み込むがソケットの下まで押し下げるのは不可のようだ。しかし、真空管の下部に直接当たるわけではないので、これで良しとするか。熱源に近いのは気になるが、熱で切れるようだったら一度ソケットを取り外して、手持ちのLEDと交換しよう。
だいたい2Hほどで組み立て完了しました。電源はAC12Vが必要です。ジャンク箱を探したら、OMRONのAC12V1A電源アダプタがありました。AC12Vのアダプタは、ア〇ゾンでも売っています。だいたいこのキットと同じくらいの価格のようです。
つまみは、古いジャンク無線機から取り外しました。電源を接続し、入出力も接続します。
【動作確認】
なんなく動作かと思ったら、片チャンネルしか音がでないではないか? わ、失敗したか。
【トラブルシューティング】
①真空管を入れ替えてみる⇒変化なしなので、真空管は正常。
②ヒーターの確認⇒両方とも点火している。
③各部電圧の測定
入力電圧 無負荷:14.1V 負荷あり:13.5V (定格AC12Vなのでちょっと高いが問題なし)
ヒーター電圧 DC5.95V (定格6.3Vなので少し低いが許容値内)
真空管 P-K間 DC49.0V
G2-K間 DC49.1V 定格内で軽く使っているが問題なし
ケミコンの電圧 DC33.5V (耐圧35V)基板には+28Vと印字があるので、少し高い。(ぎりぎりセーフだけど)
特に大きな問題は発見されず。
④再度はんだ付けを実施⇒接触不良の解消を目指すが変化なし。
さー、困った。再度、基板とにらめっこ。
SW付きVRのはんだ付け(写真上部の赤枠内)が怪しいというか、ショートじゃね?
はんだ吸い取り器で余計なはんだを除去して、トラブルシューティング完了です。入力ショートで、片チャンネルが入っていませんでした。不具合箇所の修復後、きちんと両チャンネル動作しました。トーンコントロールがないので、真空管の特性が直接音に影響します。完成品のプリアンプに良く使われているオペアンプはありません。
真空管は主に6J1や6K4(いずれも中華球)といった、内部で2-7が接続されている球(日本の6AK5や米国の5654Wなども)を使うようになっていますが、基板を調べてみたら回路上で2-7が接続されています。したがって、6AU6,6CB6,6DT6,6GM6,6BA6,6HZ6など、2番(カソード)7番(第3グリッド)独立の五極管も、そのまま差し替えて使えます。
ちょっと遊んでみるには面白い、コストパフォーマンスが高いプリアンプキットです。
【音の評価】
完成品の中華製プリアンプ(6J1使用)と比較すると、完成品のトーンコントロールがノーマルポジション(VR中間点)と、ほぼ変わらずといったところでしょうか。ただし、自分の環境(中華製DAC+同6BQ5小型メインアンプ)だと高音が協調される感があるので、キンキンするように感じます。そのため完成品のプリアンプではトーンコントロールは高音抑え目、低音協調となっているので、このアンプだと少し違和感があります。惜しむらくは、キットにトーンコントロールが付いていれば、さらに良かったかなと思います。これは6K1を装填しての評価ですが、手持ちの東芝製6AU6に変えても音は変わりませんでした。
【反省】
はんだ付けを失敗するとは、焼きが回ったな。
R1(抵抗)は発熱が大きいので、基板から離して取り付けた方がいい。基板に接触していると基板自体が熱を持つので経年劣化が早まる懸念がある。後で気が付いたので、足を短く切ってしまった。ぎりぎり浮く感じで取り付け直し。隣のシリコンDiとも極力離した方がいい。
【使用するには】
このまま置くとショートすることがあり危険です。といっても、これ以上金をかけるのもアレなので、簡易的にかまぼこ板に木ネジで取り付けました。最低限、不注意によるショートは避けられます。
・かまぼこ板2枚:食べた後の廃物利用 0円
・木ネジ4本:ジャンク箱のストック品 0円(しいて言えば8円くらい)
・接着剤(かまぼこ板の接着用) 100均で買ったストック品 0円(しいていえば2円くらい)
合計0円(しいていえば10円くらい)
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追記
本キットの問題ではないのですが、AC12VアダプタをAC100Vに接続(抜き差しともに)すると、同じコンセントから電源をとっているパソコンがフリーズすることがあります。動作中のアプリのフリーズとともに、カーソルも反応しなくなります。CTRL+ALT+DELも効きません。つまり復元のしようがなく、強制的に電源を落とさなければなりません。再立ち上げを行うと、問題なく動作します。また、一度アダプタを接続すれば、パソコンがフリーズすることはありません。
おそらく、接続/取り外し時にスパークでACラインにノイズが乗るためと思われますが、一度接続すれば問題ないのでそのままとします。