時代の流れを取り込みたい
23年3月24日
連日のように能登大震災、政治資金の裏金疑惑の報道が溢れている中で、先日、「皇族数確保の具体策を検討/自民懇談会」という地味な扱いのニュースを見つけました。
とくに適齢期の秋篠宮佳子様が結婚するようなことがあれば、若い皇族は秋篠宮悠仁様くらいしかおられなくなります。両陛下の長女愛子様も大学を卒業され、いつかご結婚される。
小泉首相の20年前から、皇位継承対策は急を要するとされてきたのに、旧勢力の発言力が大きく、議論は進みませんでした。「日本の伝統」を強調する旧勢力の抵抗が強く、自民党を支えている部分が大きい。
記事を読むと、「結婚後の皇族女子を皇室に残す」、「旧皇族の男系男子を養子縁組で皇籍に復帰させる」、「皇位の安定的継承を掲げ、皇室典範の改正を図る」の方向で議論をまとめる方向のようです。
悠仁様が将来の天皇候補としても、だいぶ先のことでしょう。恐らく愛子様や佳子様のことを念頭に置いて、急ぎ対策をまとたいのでしょう。すでに国民的な人気のある眞子様、今後を期待される愛子様は、ぜひとも皇室に引きつけ、急場をしのぐ。皇室の長期的展望は二の次です。
政府の審議会、懇談会は社会からいろいろな意見、考えをすくいとる建前をみせてはいるものの、裏では落としどころを政府、政権、与党、それに近い利害関係者で無頼裏で最終案を決める。これが通例多い。
当初、検討項目に入っていた「内親王・女王に皇位継承資格を求めるか」、「皇位継承資格を女系に拡大することをどう考えるか」、「内親王・女王が婚姻後も皇族の身分を保持することをどう考えるか」などの本質的議論はいつの間にか、消えてしまいました。
開かれた議論がないまま、世論調査でも支持率の高い「女性、女系天皇を認める。女性宮家を創設する」は、恐らく旧勢力、自民党の保守派の抵抗が強く、見送りになっていくのでしょう。
旧宮家に皇族復帰(養子縁組)には、憲法上の疑義があると指摘する専門家もおります。「憲法が禁じる門地(家柄)による差別に該当する」という。もしその案が決まったら、訴訟を起し、議論したらよい。
とにかく、いまだに「日本の天皇制は万世一系、男系男子が継承する」という頑な皇室観が支配し、「男系男子」にこだわる。それが皇室制度の安定を損なっていく。墓穴を掘ることになる。そうとしか思えません。
「日本の天皇は万世一系。古代以来今日まで連綿と続いてきた」と保守派は主張します。史実に基づけば、学者は「第一代神武天皇から14代仲哀天皇までは実在が確認できない。『神話時代』の天皇である」(歴代天皇総覧/笠原英彦著)と指摘します。「万世一系」は史実ではなく神話です。
さらに「明治維新では、天皇の権威が活用された。明治政府が神武天皇の即位から始まる元号を制定した。紀元節2月11日は即位の日とされ、明治23年には、神武天皇を祭神とする樫原神宮が創建された」(古市憲寿著、新潮新書)と、歴史学者は主張ます。国家を権威つけるために、天皇制の神話・伝説を史実として扱うという政治的な決定したという。
安定的な皇位継承問題も、与党の支持勢力の「伝説や神話」にのっとった信仰みたいなものに押されて、決まっていくということでしょうか。
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