セキュリティーへの配慮は必要
2015年3月26日
NHKの籾井勝人会長が,秘書室差し回しのハイヤーを私的な目的に使い、公私混同だと、国会で騒がれました。私的なゴルフらしかったにせよ、こんなことでなぜ国会がとやかくいうのか。国会が取り組むべきことは他にいくらでもあるでしょうよ。このときの処理伝票の公開を民主党が要求したそうです。些細なことにこだわっていたら、民主党はいつまでたっても政権は取れませんね。
もっとも就任いらい適格性が疑われ、本人の責任で余計な物議をかもし続けているので、問題になったのでしょう。他のひとだったら、メディアにも報じられことなかったでしょう。本人もばかばかしくなったのか「公私の区別に疑いもたれる事態を招き、心からお詫びする」と平謝りです。
トップの公私はあいまい
どうなのでしょう。どこか変なのですね。大組織のトップともなれば、公私の区別もなく働いており、ハイヤーの使用も含め「これは公的な使用」「これは私的な使用」を分けること自体がおかしいのです。かりに夜の会食で、関係先、取引先の人を接待したら、公的な行為ですね。知人、友達との私的な集まりだったらどうでしょうか。私的とはいえ、NHKの評価を聞くだろうし、政治、経済、社会問題が話題にのぼれば、日々の職務に役立つはずです。
ゴルフは完全な遊びの扱いなのか、これまで何人かの首相がつまづいています。籾井氏の正月のゴルフも遊びであったとしても、私的な会食と同じように、直接、間接的に職務の遂行に無益ということはなかったでしょう。トップとはそういう存在なのですね。プレー代は自己負担は当然にしても、その日のハイヤー代約5万円を払え、とはせせこましい。
大企業の社長、会長が公務でないゴルフに行ったとき、いちいちハイヤー代を私費扱いしてしているとは思えません。トップともなれば、多くのことが公務の延長線上にあります。費用負担の問題ばかりでなく、セキュリティーへの配慮から、所属する組織差し回しの車を使うべきなのです。どこでテロがおきるか分らない時代です。タクシーやマイカーというわけにいかないでしょう。自分で運転して重大事故を起したら、それこそ辞任ものです。もっとも欧米のように自宅の近所にゴルフ場があるところは、きっとマイカー運転でしょうね。
私用でも身柄の安全は必要
NHKの経営委員会の監査委が「私的な目的でも身柄安全が必要であり、業務遂行との関連がある」という見解を国会に提出したのは正しいのです。籾井氏はこれ以上、もみくちゃになるのがいやで、手っ取り早く、謝ってしまったのでしょうね。
NHKは視聴料を徴収し、国民からの収入で経営をしているので、公私の区別を特に厳格につけなければない、という意見もあります。それとこれとは違うのです。トップが働きやすい環境を整え、セキュリティーにも万全を期すことは、それとは別の意味で必要なのです。なにごとも、いちいち「公用か私用か」など分けることは愚かです。
企業によっては最高責任者には専属の公用車が与えられ、あるいは車はハイヤー会社の提供であっても、運転手は専属にするというところが多いと思います。そんなことは常識なのに、内部告発でしょうか、会長のハイヤーの私的使用を持ち出したNHK関係者は非常識でしたね。「はやく辞めさせたい」という魂胆があったのでしょうか。国会でも「けしから会長だから代金を払わせろ」といわんばかりの、大衆迎合的なへ理屈がまかり通りました。
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