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硬膜下血腫で緊急手術(4)

2014年01月04日 | 社会

  出血止まらず再入院

                      2014年1月4日

 

 昨年12月21日に硬膜下血腫で緊急手術をして、無事終了、25日に退院できたという話を書きました。その時、災害医療センター(立川市)の担当医の先生から「すぐ出血が完全に止まらず、1,2度、追加の手術をしていただく方が時々おられます。高齢の方ほどそうです」とおっしゃいました。「自分は大丈夫だろう」と楽観していましたら、あまかったのです。

 

 暮れの30日に経過診断に行きました。「今回の年末、年始は9連休と長いので、途中で来院してだきたいのです」といわれていたのです。わたしは、血液を固まりにくする抗血栓薬・ワーファリンの服用者、かつ高齢者ですから、念をいれたほうがよいが判断だったのでしょう。CTえ映像調査えの結果、「まだ出血がとまっていません。正月の2日に来院してください。同じような様子が続いているなら、血を抜く再手術をしましょう」とのお話です。

 

 その通りの結果になりました。一応、覚悟はしていたとはいえ、「またか」とがっくりきました。「頭蓋骨にはすでに穴を開けております。そこを使えば、簡単にすみますよ。最後は完治する疾患です」と安心させれくれるお言葉です。正月の2日は、入院グッズをバッグに詰めていきましたので、そのまま再入院です。「年末、年始なのにお世話になって、ご迷惑をおかけします」と申しあげると、「いえ、何度も病院に来ていただき、かえって申し訳ありません」と、キメ細かい心遣いをされます。映像検査では、脳の中心線がやはり、再出血によって出血部位の反対側に、また少しずれています。何時間か後に、再手術に臨みました。1度、経験したとはいえ、気持ちのいいものではありませんね。

 

 前回の経験では、局部麻酔をかけるので、痛みは感じませんし、意識もほとんどありません。以前と同じように無痛だからいいだろうと思っていたところ、頭蓋骨の穴を少し広げる必要が生じたのか、途中で「ガー、ガー」という音が聞こえ、今回はズキン、ズキンとひどい痛みを感じたのは覚えています。術後の話では「出血が吸収されず、血が自然にできた被膜に包まれたままのことがある。これがあなたの場合、いくつかの部屋にわかれている状態だったので、除去に手間がかかりました」。ネット検索で調べましたら、多房性血腫という言葉がありました。これかもしれませんね。

 

 その晩は、頭部から残りの血を抜ききる管を入れたままの状態で、ベッドに横たわります。夕食はベッドの上で、ほとんど身動きをとれない無理な姿勢でとるので、食欲などあったものではありません。食後はやはり、ベッドに身を起しながら、歯を磨きました。痛み止め、感染症防止の薬を飲み、眠りにつきました。眠りについたとはいえ、2時間おきに、看護師さんが血圧、体温に測定にきますので、起されます。血圧は常時120台ー80以下(降圧剤なし)、体温は平熱の36・5度前後でしたから異常はありませんでした。

 

 翌日午後、映像検査があり、継続して診てくれている医師が「異常はきえています。夕方までに、管を抜きましょう。ずっと楽になりますよ」とおっしゃいました。この日の夜から、血圧、体温測定もなくなり、夜中に起されることもなくぐっすり眠れました。

 

 気になっていたのは、ワーファリンのことです。血液サラサラ薬としては、そのほかバイアスピリンを服用してます。一時的にもこれらの服用をとめるか、減らすかしたら、術後の出血が早くとまったかもしれません。かかりつけの医師は個人病院ですから、年末から年始、ずっと休みです。結局、連絡が取れないまま、再手術となりました。これらの薬の服用を止め、もしも心筋梗塞、脳血栓になったら、こちらのほうがダメージが大きいのです。「正月休み明けに直接、医院と連絡をとって話しあって処方を決めたほうがリスクが少なく、安全でしょう」。これまた親切かつ慎重な言葉です。

 

 今回は2泊で帰宅しました。今朝の病院食はおかずは鰯の煮付けと、付け合せの野菜のおしたし、味噌汁、これに家人が持ってきてくれたヨーグルト、ミカンを完食しました。帰宅してからの昼食は、シュウマイ、ダイコンと油揚げの煮物、味噌汁、ミカンで、これも完食です。来週、月曜日の6日、経過診察があります。

 

 退院する前、担当医が「切開した皮膚をくっつけます。痛いのを少し我慢してください。すぐに終わりますから」といいます。頭を医師の側に向けていますと、「パチン、パチン」と音がし、頭皮に刺すような痛みが走りました。5回ほどだったでしょうか。退院のため、身の回りを整理していると、文房具のホッチキスとほとんど同じ形をした器具を医師が置き忘れていったのに気づきました。紙ならぬ皮膚を医療用のホッチキスでとめたのです。これが手術の中で一番、痛かったといっても、過言ではありません。

 

 大きな手術は、本人には「この方法しかない」という覚悟ができ、麻酔もかけてくれますから痛みを術中は感じませんし、心配したところでしょうがないのでかえって、胆がすわります。苦痛なのは、ベッドで一日中、横になっていること、睡眠時間が狂ってくることです。目が覚めてみると、まだ夜中、また目が覚めてみると、まだ夜中というのもひどい苦痛です。朝が明け、太陽光線に照らしだされた窓外の風景を目にしてやっと安心するのです。

 

 

 

 



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