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共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

天台宗別格本山深大寺

2017年11月18日 23時27分23秒 | 神社仏閣
今日は用事があって東京都調布市まで出かけました。用事自体は早くに終わったので、そのままバスに乗り込んで都内屈指の古刹である深大寺に参詣することにしました。

浮岳山昌楽院深大寺は天平五(733)年に、水神の深沙大王(じんじゃだいおう)を祀る寺として開かれました。これは開山の満功(まんくう)という僧の両親が結ばれる時に、この深沙大王が両家の仲立ちをしたことに由来するもので、現在も境内にある深沙大王堂は縁結びの神として信仰を集めています。

実は今日、その霊験を示すかのように、何と境内で結婚式が執り行われていました。どうやら新郎は僧侶のようでしたが、なかなかの美男子の新郎と古式ゆかしい綿帽子姿の新婦に、居合わせた参拝客から盛んに祝福の声がかけられていました。

今回、この深大寺に参詣した目的は、あわよくば紅葉していれは紅葉狩を堪能しようとしたことと、今が新蕎麦の時期にあたるため、江戸期からこちらの名物として知られている深大寺蕎麦を頂くことがありました。ということで今回、門前にある《八起》というお店に入って、お庭を臨む席でなめこそばを頂きました。



コシの効いた蕎麦は喉越しも良く、フワリと蕎麦の香ばしい香りが鼻に抜けるのが何とも心地よいものです。汁も蕎麦の香りを邪魔しない程よい加減で、美味しく頂戴しました。

そして今回参詣した最大の目的は、こちらに坐します寺宝・釈迦如来倚像が今年ようやく国宝に指定されたので、その御尊顔を拝しに詣ったわけです。



飛鳥時代後期、いわゆる白鳳時代と呼ばれる頃に造像されたこの御像は、薄く流麗な衣の線の描き方や少年のような若々しい御尊顔は法隆寺・夢違観音像や新薬師寺・香薬師如来像に通ずる名品として今日に伝えられ、今年目出度く国宝指定されました。

東日本の国宝仏としては、今までは福島県会津の勝常寺に坐します平安時代作の薬師如来座像や東京都・大倉集古館所蔵の同じく平安時代作の普賢菩薩騎象像等が最古でした。今回の国宝指定を受けてこちらの釈迦如来倚像がそれらを遥かに飛び越えて、文字通り『東日本最古の国宝仏』が誕生したわけです。

久々に参詣した釈迦堂は、新たに作成されたパンフレットが置かれたり、御堂の横に常駐の職員や僧侶が立って撮影禁止を促したりと、前回重要文化財だった時よりもセキュリティが強化されていました。参詣する際にも、以前は前面に張られたガラスに直接触れられるくらいまで近寄ることが出来ましたが、今回は手前にパーティーションが設けられていて、そんなに気軽に近寄れないようになっていました。さすがは国宝、重要文化財の時とは扱いが違います。何だか御像が以前よりも遠くなってしまった気もしますが、かつてのように手垢でベタベタのガラス越しにでは無く綺麗な状態で拝観出来るようになったという点を喜ばしく思うようにすることにしました。

境内や参道の紅葉はまだ五分目くらいの様相で、楓の木はもう一息の感じでしたが、銀杏はだいぶ終わってしまっているようでした。これかの木々が一斉に紅葉するということも、なかなか難しいのかも知れません。

それでも、久々に白鳳仏の御尊顔を拝することも出来ましたし、美味しい新蕎麦も頂けて、大満足の一日となりました。
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